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建物が火事にあった後の税務の手続きとポイント

火事のあとの確定申告

先回は、火事にあった後に必要な手続きとポイントについてみてきました。電気、電話、ガス、水道の処理や、貴重品が紛失、消失してしまった場合の処理が必要です。また、貴重品と一言でいっても、実印、預金通帳、自動車運転免許証、クレジットカードなど、いろいろあるので、それらが使えるようにするための手続きについて説明しました。また、加入している火災保険の補償内容の確認も大切です。


今回は、建物が家事にあった後に必要となってくる税務知識について説明しています。火災などの想定外の災害にあった時は、なにかとお金がかかります。そんな時に知っておいた方が良い雑損控除と災害減免法についてみていきます。

雑損控除とは・・・

火災等の災害や盗難または横領によって、住宅や家財などの生活用資産に損害が生じ、
その純損失額(損害額から保険金・損害賠償金等を差し引いた金額)が、その年の所得の合計額の10%を超えたとき、その超えた金額だけ所得から差し引いて所得税を計算する制度です。

雑損控除を受けられる資産の所有者は、「納税者」または「納税者と家計をともにする配偶者や親族で、総所得金額が38万円以下の方」に限ります。ここでいう「資産」とは、私生活に必要な住宅や家具、衣類などのことを指します。事業用の資産や別荘、貴金属や絵画、骨董品等で1個または1組の価格が30万円を超えるものは資産とは見なされません。

ここにいう損害額は、損害のあったときの時価(再取得価額より減価償却後の価額)で計算されます。また、建物の取り壊し、除去費用、障害物除去費用などの災害関連支出も損害額に含まれます。

雑損控除の損害の原因

損害の原因は以下のいずれかの場合に限定されます。

  • 自然現象の異変による災害(震災、台風や洪水、落雷など)
  • 人為による異常な災害(火災や火薬類の爆発など)
  • 生物による異常な災害(害虫、害獣など)
  • 盗難(空き巣やひったくり)
  • 横領

火事のあとの確定申告

雑損控除の金額と計算

控除される金額は、下記のいずれかのうち金額の多いほうになります。

①(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
②(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

なお、控除額が大きく、その年の所得金額を超える場合は、翌年以降3年間を限度に繰り越して控除を受けることができます。また、雑損控除は他の所得控除よりも先に控除することになっています。

差引損失額とは、「損害金額」と「災害関連支出の金額」の合計から「保険金などで補填される金額」を差し引いた金額です。「損害金額」とは損害直前の時価。同じものを今、購入するために必要な価格から使用年度による減価償却分を差し引いた金額です。「災害関連支出の金額」とは、災害により被害を受けた住宅の取り壊しや撤去費用、修繕費用です。

雑損控除の計算例

総所得金額450万円の人が火災に遭い、火事で損失額80万円、災害関連支出額が30万円、保険の補填10万円を受けた場合の雑損控除の計算を考えてみましょう。

上記の①(差引損失額)-(総所得金額等)×10%の式に当てはめます。(80+30-10)-450×10%=55万円 55万円が雑損控除の対象となります。

②(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円の式に当てはめてみましょう。30-5万円=25万円 この場合は、25万円が雑損控除の対象となります。

ですから、この場合は雑損控除額の多い①を適用し、雑損控除額55万円となります。

年間所得1,000万円以下の場合には、次の方法も考えられます。対象年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が、災害にあった場合、雑損控除のほかに、災害減免法による所得税の軽減免除があります。2つのうちから金額の大きな方を選ぶことが可能です。1,000万円を超える年間所得の人が利用できるのは雑損控除だけです。また、盗難や横領により資産の損失が起きた場合に適用できるのも雑損控除だけとなります。

災害減免法による所得税の軽減免除額は、所得金額500万円以下で所得税の全額免除、500~750万円以下は2分の1軽減、750~1000万円以下は4分の1軽減となります。雑損控除と災害減免法のどちらが節税になるか、それぞれの所得やその他の所得控除等を考慮し、試算してみてください。

この雑損控除は、雑損失の額が、その年の所得の合計額から引ききれないときは、翌年以後3年間にわたり繰り越して所得控除を受けることができます。申告する際には、源泉徴収票、火災保険金の支払通知書、罹災証明書、損害額を証明する資料(領収書)を揃え、税務署に確定申告します。

税務署

災害減免法とは・・・

対象年中に災害により住宅や家財(雑損控除と異なり、住宅と家財のみであり、雑損控除の場合のような現金などは損害として含まれません。)について損害を受けた人で、その純損害額(雑損控除の場合同様時価で計算し、保険金、損害賠償金を差し引いた金額)が住宅や家財の価額の1/2以上で、しかもその年中の各種の所得金額の合計額が1000万円以下の人が受けることができ、対象年分の所得税の額が軽減または免除されます。

控除できる金額は下記のとおりです。
合計所得金額が500万円以下である場合・・・所得税の額の全額免除
合計所得金額が500万円を越え、750万円以下である場合・・・所得税の額の50%相当額免除
合計所得金額が750万円を越え、1000万円以下である場合・・・所得税の額の25%相当額免除

確定申告書に申請する理由、被害の状況、損害金額を記載して、納税地の所轄税務署に確定申告書をその提出期限内に提出します。

火事後の書類手続き

災害減免法による所得税の免除・軽減

災害減免法による所得税の免除・軽減額は、下記のように所得金額によって決まります。
所得金額が500万円以下…全額
所得が500万円を超え750万円以下…2分の1
所得が750万円を超え1000万円以下…4分の1

雑損控除と災害減免法の比較方法

雑損控除と災害減免法は、どちらかを活用することができます。どちらを選んだほうが、メリットが大きいのでしょうか。その選択には「年間所得1000万円」が一つのポイントとなります。年間所得1000万円以下の人は、雑損控除と災害減免法のどちらか1つを選択することができます。年間所得が1000万円を超えると災害減免法は使えません。使えるのは雑損控除だけです。

雑損控除と災害減免法の計算方法を比較すると、所得が500万円以下の人は災害減免法を選択したほうが得のように感じます。しかし災害減免法は、当年の所得税だけを軽減・免除するものです。損害額が所得金額を超えて1年で控除できない場合は、損害の繰り越しができる雑損控除を選択するほうが有利なようです。

雑損控除と災害減免法の申告方法

雑損控除や災害減免法を受けるためには2月16日~3月15日(※)(還付申告の場合は1月1日から)に確定申告を行う必要があります。確定申告を行うのに必要な書類を記載します。

(※)年によっては、確定申告期限が変更となることがあります。詳細は国税庁サイト「申告と納税」にて確認してください。

雑損控除の場合

災害関連の支出に関しては領収書、火災は消防署、盗難は警察が発行する被害額届出用の証明書、給与所得者は源泉徴収票、災害時のやむを得ない支出については領収書等が必要になります。詳しくは税務署に確認してください。

災害減免法の場合

準備するのは、損失額の明細書になります。なお、給与所得者は、勤務先に「源泉所得税の徴収猶予・還付申請書」を提出すれば、災害のあった日からその年の12月31日までの給与の支払の際に所得税の徴収猶予を受けることが可能です。

地方自治体による減免制度

震災、風水害、火災により被害を受けた場合、地方税の減免や納税の猶予を設けている地方自治体があります。例えば、東京では、個人事業税や固定資産税・都市計画税、不動産取得税、個人の都民住民税(特別区または市町村が特別区民税または市町村民税を減免した場合)等を減免する制度や、原則1年以内の納税の猶予を認める制度があります。

千葉県の突風による建物の被害では、千葉市は家屋が全壊した世帯には5万円、半壊した世帯には3万円の見舞金を支給、その他にも市税減免措置や徴収猶予も検討する方針を固めているようです。みなさんの居住している地方自治体もこのような減免制度があるかもしれませんので、調べてみることをおすすめします。

もちろん、このような火事や災害に合わずに、活用する必要がないというのが一番ですが、災害はいつ起きるかわかりません。防災グッズと同じようにこのような制度を事前に調べておくと、再スタートが楽になるかもしれません。

建物の火事

まとめ

建物が火事にあった後の税務の手続きとポイントについて説明してきました。火災などの想定外の災害にあった時は、雑損控除か災害減免法のいずれかが活用できます。

雑損控除は、火災等の災害や盗難または横領によって、住宅や家財などの生活用資産に損害が生じ、その純損失額(損害額から保険金・損害賠償金等を差し引いた金額)が、その年の所得の合計額の10%を超えたとき、その超えた金額だけ所得から差し引いて所得税を計算する制度です。

災害減免法は、災害により住宅や家財について損害を受けた人で、その純損害額が住宅や家財の価額の1/2以上で、しかもその年中の各種の所得金額の合計額が1000万円以下の人が受けることができ、所得税の額が軽減または免除されます。控除される金額を確認して、メリットの大きな方を活用してください。

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