前回は、火事にあった建物の解体工事の手順とポイントについて見てきました。
建物が火事にあったときには、消防署で発行される罹災証明書を受け取ることや、火事で燃えてしまったものの処理について、建物撤去を解体業者に依頼する際に確認するポイントなどについてです。
今回は、建物以外の火事にあった際の手続きやポイントについて、以下の点をお伝えしていきたいと思います。
- 電気、電話、ガス、水道の処理について
- 貴重品が紛失、消失してしまった場合の処理について
電気、電話、ガス、水道の処理について
まずは電気、電話、ガス、水道についてです。電気については、まずは電力会社に連絡しましょう(消防署が連絡している場合もあるようです)。小さな火事で、自分で消火した場合で電気配線の補修が必要な場合は、電気工事の業者を手配します。
電話については、電話会社に連絡します。後日、罹災証明と印鑑をもって電話会社に届け出をして、仮住まいへの電話移設の必要があればその旨も依頼します。
ガスについての処理は、消防署に通報された火事に関しては、消防署からガス会社に連絡が入り、メーターボックスを外すなどの閉栓処置をガス会社がしてくれます。
水道については、現場の片付けが終わったら、水道局へ連絡して、給水を停止しましょう。これらは、地域によって手続きが異なる場合がありますので、詳細については気を付けてください。
貴重品が紛失、消失してしまった場合の処理について
紛失、消失してしまって困る代表的なものの対処法をお伝えいたします。
【実印】
実印を再度作成する必要があるので、新しい実印を持参のうえ、市町村の窓口で、改めて印鑑登録の申請手続きを行います。登録料と証明手数料を支払ったうえで、印鑑登録証と印鑑証明の交付を受けます。
この際、本人の写真が貼付されている公的証明書(運転免許証やパスポートなど)の提示が必要になります。公的証明書がない場合、既に印鑑登録している方に保証人になって頂く事が必要になります。
【預金通帳】
預金口座を開設した金融機関の窓口に通帳類が紛失または焼失した旨を届け出ます。この際、本人であることを確認できる書類(運転免許証や健康保険証、住民票など)と印鑑が必要になります。
金融機関で上記の届け出を行った後、金融機関から本人に照会状が送付されます。受け取った照会状を金融機関の窓口に提示することによって再交付されます。
手続きや再交付されるまでの期間、手数料の要否などは、金融機関により異なりますので、詳細については、事前に口座を開設された金融機関の窓口にご照会ください。
【貯金通帳(ゆうちょ銀行・郵便局)】
ゆうちょ銀行・郵便局へ行き、通帳類が紛失または焼失した旨を届け出ます。この際、通帳の記号・番号がわかれば、伝えてください。不明な場合は通帳を作ったゆうちょ銀行名・郵便局名や時期を伝えてください。
もし、それらも不明な場合は住所・氏名・生年月日などの情報で調べていただけますが、ある程度期間を要します。届け出の印鑑を紛失・焼失した場合は、本人であることを確認できる書類(運転免許証や健康保険証、住民票など)を持参してください。
手続きは、どこのゆうちょ銀行・郵便局でも行えます。地域や窓口により、手続きが異なる場合がありますのでご注意ください。
【自動車運転免許証】
住所地を管轄する運転免許試験場または警察署で、申請手続きを行ってください。このとき、認印と身分証明書、写真(タテ3cm×ヨコ2.4cm)1枚が必要になります。再交付までの期間は、運転免許試験場だと即日交付、警察署ならばだいたい2週間から3週間程度かかります。
【クレジットカード】
まずはカード会社に直ちに連絡してください。通知が遅れた場合、第三者に不正に使用されて、損害に遭う可能性があります。また、紛失や盗難の場合は警察にも届け出てください。
再発行手続きは、カード会社により異なりますので、ご加入のカード会社にご相談ください。
【国民健康保険証】
健康保険証上の本人または同一世帯の方(本人と同一の住民票にご記載の方)が市町村の窓口(国民健康保険課など)で再発行の手続きを行います。この際、手続きをされる方の身分を証明する書類(運転免許証や年金手帳など)と印鑑が必要になります。
手続きをされる方の本人確認ができれば、再発行となります。代表的なものは上記の方法で対処して頂ければと思います。
住宅が火事になったときの火災保険について
平成25年の出火件数は約5万件あり、その割合は全国で約11分間に1件もの割合で火災が発生していることになります。
火事にあったときに使えるものが火災保険です。火災保険に入るときには、保険をつける対象となるものを「保険の対象」を特定する必要があります。一般的に保険の対象は、「建物」と「家財」になります。
建物の補償は、門、塀、垣、物置、車庫その他の付属建物、畳、建具その他の従物、電気、ガス、冷暖房設備その他の付属設備などの建物に関するものです。また、家財の補償は、被保険者の親族が所有する家財で保険証券記載の建物内収容のものになります。
建物に火災保険をつけただけでは家財の損害は補償されません。保険の対象に特定されていないものが損害を受けても一切補償されませんので、どのような補償があるのかを確認することが必要です。また、保険会社によって補償の内容も異なることがありますので、詳細は、加入している保険会社に問い合わせることをおすすめします。
火事後の手続き手順とポイントについてのまとめ
建物が火事にあった後の手続き手順とポイントについて、電気、電話、ガス、水道の処理や、貴重品が紛失、消失してしまった場合の処理について説明しました。
貴重品と一言でいっても、実印、預金通帳、貯金通帳(ゆうちょ銀行・郵便局)、自動車運転免許証、クレジットカード、国民健康保険証など、いろいろな証明書類があります。
時間のない中でいろいろな対応に迫られると思いますが、一つひとつやるべきことをこなしていってください。また、どのような火災保険をつけているか確認して、保険会社や関係する機関に問い合わせを行い、対処してください。
コメントを残す