これから解体工事が必要な皆さん。いざ、解体工事を行うことになったら、工事を依頼する、費用の見積もり、など事前の準備が必要になってきますね。その中でも、忘れずに事前に調べておきたいのは解体工事の最中にどうしても出てしまう粉じんなどの公害について。知らないと、後々クレームの原因になってしまうことがよくあります。あらかじめ調べて対策をとっておくことで、近隣の方との関係も解体工事もスムーズに、防げるトラブルは防いでいきましょう!
解体工事 ご近所さんからよくある苦情
解体工事を行う上で、どうしても出てしまう騒音、振動、そして粉じん。粉じんとは工事の際に出てしまうホコリや塵などです。どんなに注意深く工事を進めても避けては通れませんね。騒音や振動など予想はしていても、いざ始まってみると予想以上に音や振動を感じてしまう、ということはよくあることです。特にホコリなどの粉じんは、思っていなかったところまで影響が出てくることもあるので注意が必要です。
などなど、こんなところまで!といったところまで影響が出てくることは大いに考えられます。ご近所の方とは良好な関係を継続していきたいものですよね。粉じんはどうしても出てきてしまうものですが、事前の対策でトラブルは避ていきたいですね。以下のことをきちんと行い、周囲の方々とのスムーズな関係を維持していきましょう!
それでは、どのように解体工事の説明をしていくか、どのような点を見て業者を選べばよいか見ていきましょう。
ご近所へのご挨拶
最近は解体業者の方が挨拶に行ってくれるから、依頼主はいいのでは?と思うかもしれません。しかし、依頼主も挨拶をしておく方が、近隣の方の印象もよく、スムーズに解体工事を勧めていきやすくなります。ご挨拶の際には、粉じんや騒音など予想されることについてはしっかりと説明しましょう。前もってお伝えすることで、周囲の皆さんも協力してくれることでしょう。説明や挨拶を怠ることはすぐに苦情に繋がるので、マナーとしてだけでなく、粉じんや騒音などのクレームの対策としてもご挨拶は重要です。
どのように挨拶に回ればいいの??
では、どのように挨拶に回ればいいか詳しく見てみましょう。
いつ頃行くの?→一般的には工事開始の2日前くらい。もし出来るなら、解体業者の方と一緒に回れるといいですね。そうすると、万一お伺いした先の方から細かい質問があれば、業者の方に答えてもらえます。
どのくらいの範囲を回る?→特別決まった挨拶回りの範囲はありません。工事をする際に、特にホコリ等の影響が大きい両隣や裏に住んでいる方には必ずご挨拶しましょう。また、大きな車両が通る事など、交通や騒音なども考慮して、そういった面で迷惑がかかりそうなお家の方にも挨拶をしておくと良いですね。
渡すものってあるの?→解体工事の予定や概要などを記載した書面や、粗品の用意をしておくとよいでしょう。解体業者が挨拶周りをする際にも、書面を渡して挨拶をしますが、施主も、挨拶状とタオルや洗剤など日常に役立つ粗品の準備をしておくのが望ましいです。
挨拶状例文
近隣あいさつに周る際は、挨拶状を持ってまわりましょう。解体業者が準備していることが多いですが、ご自身で作る場合はこちらの例文を参考にしてくださいね。
解体工事予定や、万一の連絡先などの必要事項をしっかりと記載しましょう。
平成○年○月○日
書面にて失礼いたします。
この度、近隣にて✕✕邸の解体工事を行うことになりました施主の✕✕と申します。工事期間中は皆様にご迷惑をおかけするかと存じますが、何卒ご理解ご協力を賜りますよう、よろしくお願い致します。
なお、お気づきの点がございましたら下記までご連絡頂けますようお願い致します。
工事名称:✕✕邸解体工事
工事場所:○○市○○町○○番地
発注者(施主);✕✕ ✕✕
工事期間:平成○年○月○日~平成○年○月○日予定
工事時間:午前8時~午後6時まで
休日:土・日・祝日
施工業者:株式会社△△建設
○○県○○市○○町○○番地
施行責任者 ✕✕ ✕✕
電話番号 01-2345-6789
以上
解体工事を行う上で、マナーとしても挨拶まわりは大切ですが、何よりも施主と近隣の方々との良好な関係の維持にも大きな力を発揮します。しっかりとした説明、お声掛けでクレームは防ぎましょう。特に粉じんについては、上記のように、思ってもいなかったところに影響が出てしまう可能性があるので、しっかりとご挨拶をしましょう。
こちらにより詳しいご挨拶の内容が記載されているので参考にしてくださいね。
より良い解体工事業者を選ぼう!
解体工事では、ある程度ご近所にご迷惑をおかけしてしまうことは避けられない部分ではありますが、物理的な対策が出来ているかもしっかりと確認しましょう。ただ、解体工事施行の際の対策はやはり業者の工事の仕方になるので、粉じんに対してしっかりと下記のような対策をとって頂く解体業者を選びましょう。
②散水
③その他ご近所への配慮
養生シートの設置
工事を行う際には、工事現場の周囲を養生シートで覆います。防音や防火の役目もありますが、ホコリなど、粉じんの飛散防止にも大きな役割を果たします。消耗品のシートになるので、破れてしまうこともありますが、破れたままだともちろん機能は低下し、ホコリや粉じんも外に出てしまいます。きちんとしたシートを使用しているかどうかは粉じん対策としてとても重要です。
散水
散水には、解体工事におけるホコリやゴミなどの飛散を防ぐ役割があります。国土交通省の「建築物解体工事共通仕様書」にも、機械等による粉じん発生部への常時散水、また特に転倒解体(外壁等を内側に転倒させる工法)ではとりわけ十分な散水を行うよう指示されています。また、アスベストが確認された建物の解体工事は、粉じんの対策に特に力を入れないと、健康被害にも発展する恐れがあるので、散水は特に重要な対策手段になります。
解体工事の見積もりの際、養生や散水等の仮設工事費を少しでも削減したいな、と思われることがあるかもしれません。しかし、解体工事は近隣の方々のご協力があって成り立つものなので、周囲への配慮を怠らないようにしましょう。費用に関しては複数の解体業者から見積をとり、解体工事を依頼する際には、業者にどのような粉じん対策をするか、事前に聞いてみてもいいかもしれませんね。
その他ご近所への配慮
工事現場を通りかかる際、作業している方々のマナーが良いと気持ちよく協力出来ますよね。マナーの良い作業員が作業してくれる現場だと、周囲の方々もより快く協力してくれることでしょう。
現場の整理が雑だったり、大きな作業車が無造作に駐車してあったり、なんていうことだけでも近隣の方々は迷惑と感じてしまいます。また、近隣の方々への挨拶がなかったり、大声での私語や罵声などもクレームに繋がる要因です。工事は進んでいても、そこで働く人の言動だけで、トラブルやクレームにつながります。解体工事を依頼する前にはきちんと顔を合わせて、作業員の身だしなみや言葉遣いなどチェックしましょう。
粉じん対策についてのまとめ
粉じんの発生は解体工事を行う上で、避けられない部分ではありますね。しかし、前もって周囲へ説明すること、モラルの高い解体業者を選ぶことで、より安全でスムーズな工事になります。スムーズな工事ためには近隣の方々からの協力が絶対です。施主として、大変な部分かもしれませんが、近隣への配慮を怠らず、粉じんなどの対策がしっかりとしている解体業者を選ぶようにしましょう。