解体工事中の事故例から考える、見積りを依頼したい業者の基準とは

解体工事での業者選びでは、見積書を複数社からもらい、その中から最良の解体工事業者を選ぶことが重要となります。
業者を選ぶにあたっては、

  • 解体費用が安い
  • お見積りが明確である、追加料金が発生しない
  • 納期内に解体工事を終わらせてくれる
  • 周りの住民への配慮ができる
  • わからないことも丁寧に答えてくれる
など、“良い業者”の条件やメリットは様々なものがあります。

その中でも“良い業者”を選ぶことの大きなメリットのひとつは「事故が起きる確率が低い」ことでしょう。
解体工事とは、危険が伴うお仕事です。
その中で起きる事故は、まったくの不幸が原因の例もありますが、多くは「解体業者の不注意や油断、焦り」といった改善可能な事項が理由で起きてしまいます

今回は、解体工事の際によく起きてしまう事故の実例と、事故を起こさない解体業者の選び方を解説させていただきます。

解体工事での事故は人災が多い

解体工事で起こる事故は、どのような原因で起こるのでしょうか?
風や台風、大雨などの自然災害が原因であったり、不慮の事故で防げなかったという事故も相応にありますが、

  • 防塵パネルや資材が強度不足により崩落してしまう
  • 決められた作業通りに業務を遂行していない
  • 業者の不注意
といった、人災によって招かれることの方が多いと言えます。

それでは、解体工事では具体的にどのような事故が起きてしまうのでしょうか?一例をご紹介します。

工事中の事故の一例

沖縄県那覇市の資材落下事故

 20日午後、那覇市の解体工事現場で作業員の男性が資材の下敷きになり、死亡する事故がありました。

 警察や消防によりますと20日午後1時25分ごろ、那覇市久茂地の立体駐車場の解体工事現場で「作業員1人が下敷きになった」と通報がありました。

 資材の下敷きになったのは作業にあたっていた50代の男性で地上およそ30メートル付近で作業を行っていたところ、なんらかの原因で落下してきた金属製の資材の下敷きになったとみられています。

 消防がはしご車などを使い男性作業員の救助作業を行い、男性は病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。警察などが詳しい事故の原因を調べています。
引用:解体工事現場で作業員が資材に挟まれ心肺停止

2021年8月に沖縄県那覇市で起きた事故。
解体工事に従事していた作業員一名が犠牲となってしまいました。
詳しい原因は2021年8月現在究明中となっています。
参考 【動画あり】「ドンドンドンドン」と大きな金属音 解体作業中に下敷き 男性が意識不明沖縄タイムス+プラス

千葉県市川市の銭湯全焼

 31日午後1時ごろ、千葉県市川市中山4丁目で、解体工事中だった銭湯「国見湯」付近から出火。木造2階建ての銭湯と近くの木造2階建ての住宅が全焼した。けが人はいなかった。

 県警市川署と市川市消防局によると、銭湯は営業しておらず、4人の男性作業員が午前中から重機を使って解体工事をしていた。出火当時は近くで休憩を取っていたという。住宅には一人暮らしの男性がいたが避難して無事だった。署が原因を調べている。
引用:解体工事中の銭湯が全焼|千葉・市川

2017年1月、銭湯の解体中に起きてしまった火災事故です。
こちらも原因の公表はなされていませんが、解体工事では電気やガスの爆発、溶接作業などが原因での火災が起こることが度々あります。
また、当日は風が強く吹き乾燥していたことなども出火の原因に関連していると考えられます。

大阪府道頓堀の中座ガス爆発

【事例概要】
大阪府の劇場「中座」の解体作業中、機械室で大きな爆発音とともに炎上した。誤った配管図のもとでの作業に加え、 ガス漏れに対する不適切な処置などが原因であった。中座東側のうどん店が入る8階建て雑居ビルに延焼、ほぼ全焼し たほか、南側の通称「法善寺横丁」の16店の大半にも延焼。爆発の影響で、周辺のビルにガラス窓が割れるなどした。

【事象】
大阪府の劇場「中座」の解体作業中、機械室で大きな爆発音とともに炎上した。中座東側のうどん店が入る8階建て雑 居ビルに延焼、ほぼ全焼したほか、南側の通称「法善寺横丁」の16店の大半にも延焼。爆発の影響で、周辺のビルに ガラス窓が割れるなどした。
引用:失敗百選 ~解体途中の中座が爆発(2002)~

こちらは2002年に起きたガス爆発・火災の事故。
図面ミスの放置やマニュアルの無視、ガスが充満する中でのライターの着火など、怠慢によるヒューマンエラーが積み重なり引き起こされてしまった事故です。
結果、この事故では現場監督とガス工事会社の社員が業務上失火容疑で書類送検されてしまうこととなりました。
解体工事の事故は現場だけにとどまらず、周りの人々や建物にも被害を与えてしまうこともある、というリスクの代表例と言えるでしょう。

東京都目黒区で足場倒壊、その他足場に関する事例

 2日午後10時20分ごろ、東京都目黒区自由が丘1丁目の東急東横線の自由が丘―都立大学駅間の線路沿いで、建設現場の足場が崩れて架線に倒れかかった。この事故の影響で停電が起き、復旧作業も難航しているため、渋谷―武蔵小杉駅間の上下線では、3日の始発から運転を見合わせている。運転再開は昼過ぎの見込み。 東急電鉄は「朝の通勤ラッシュ時間帯での運転再開の見込みはない」として、振り替え輸送の利用を呼びかけている。東横線の武蔵小杉―元町・中華街の駅間では折り返し運転を実施し、午前9時ごろまでの通勤・通学のラッシュ時間帯については通常の5割程度で運行する。また、8両編成の各駅停車での運行のため、振り替え路線とあわせて混雑が予想されるという。

引用:東急東横線 沿線の足場が崩れ、運転見合わせが続く:朝日新聞デジタル

こちらは2021年、東京都目黒区で発生した足場の倒壊事例です。
足場の倒壊は被害の範囲が大規模に及ぶため危険性が高く、この事例では幸い怪我人はいなかったものの電車の運転見合わせ、地域の停電を招いてしまいました。

解体工事や建築工事での足場の倒壊事故はその他にもさまざまな事例があげられており、

・瓦礫が足場にぶつかって起きた2020年大阪府東大阪市の事例
参考 【動画】東大阪で解体工事の足場倒壊、けが人なしイザ!

・強風が原因で倒壊が起きた2016年東京都多摩市の事例
参考 強風、北陸で2人死亡 東京・多摩では工事用のパネル落下日本経済新聞 ・同じく強風が原因の2016年東京都大田区の事例
参考 強風被害 建設現場“足場倒壊” 撤去できずテレ朝news ・同じく強風、倒壊した足場が電車を止めたり停電を起こしてしまった2021年東京都目黒区の事例
参考 東急東横線 沿線の足場が崩れ、運転見合わせが続く朝日新聞デジタル などの例があげられます。
足場の倒壊は足場の強度不足や不備により起こるケースが多く、特に大きな建物の工事の際には注目すべきポイントです。

強風により起きた足場倒壊の事故。原因と対策とは?

徳島県徳島市のダンプカーと歩行者・盲導犬の交通事故

 徳島市の市道で2015年10月、盲導犬「ヴァルデス号」と歩いていた視覚障害者の山橋衛二さん(当時50)=同市=がダンプカーにはねられてともに命を落とした事故で、ダンプの運転手側とヴァルデスの所有者の徳島県との間で10月に示談が成立したことがわかった。運転手側が損害賠償20万円を支払うという。交通事故死した盲導犬をめぐる損害賠償は珍しい。

 ヴァルデスは県が07年に山橋さんに貸与。事故の8日後に引退する予定だった。県はヴァルデスが山橋さんの生活支援だけでなく盲導犬啓発活動にも積極的に参加していたことなどを踏まえ、運転手が加入していた保険会社と示談交渉を進めていた。

 事故時にダンプは、後退する際に歩行者らに注意を呼びかける音声を流す装置があったが切られていた。事故を受け、徳島県では15年、後退時の警報ブザーが付いた車に使用を義務づける初の条例が制定された。

 県から盲導犬事業を委託されている財団法人「徳島の盲導犬を育てる会」の杉井ひとみ事務局長は「(警報ブザー使用義務付けについて)法改正や各都道府県での条例制定の働きかけなどに取り組むことが一番の供養と思っている」と話した。
引用:>交通事故死した盲導犬ヴァルデス 運転手が県に20万円賠償 | 犬・猫との幸せな暮らしのためのペット情報サイト「sippo」

こちらは解体現場そのものではなく、解体にまつわる場所での重大事故事例となります。
2015年10月、視覚障がい者の男性と盲導犬がバックするダンプカーに轢かれ、死亡してしまいました。
運転手の一存でバックブザーをオフにしていることから起きてしまったこの事故は全世界に波紋を呼び、
・2015年、徳島県で警報ブザーを義務付ける条例の制定
・2016年、国連で車両後退時の警報装置の統一基準の協議開始
参考 自動車後退時の警報装置義務化、国連WP29が協議開始 国交省 バックカメラを優先物流ニッポン ・2021年、来年度以降バックブザーやカメラ、センサーの装備義務付け
参考 バックアラーム義務化へ トラックやバス、国土交通省日本経済新聞 といったように、事故の防止に向けた取り組みが国内外でなされるようになりました。

このように、解体工事の時に起きる事故は多岐にわたり、また起きるたびに改善がはかられているものの、今でもなお事故は起きてしまう、という状態が現状です。

解体工事の事故が起きる理由

こういった人災による解体事故はなぜ起きるのでしょうか?

多くの場合、これは責任感の欠如や納期への焦りによるものが引き起こしていると考えられます。

解体工事では、工事を受注した業者がそのまま行うのではなく、その下請けの業者が施工を任される“委託”が多いのが実情です。
無論それ自体が悪いというわけではありませんが、こういった下請けへの委託の場合では、工事の品質が悪化してしまいやすい理由があります。

下請けによる工事品質への影響

工事の依頼を受けた元請け業者は、中間マージンを上乗せした上で、コストをなるべく抑えて下請け業者に工事を行わせたい、と考えます。
下請け業者側は、この依頼を受け続けるためにも可能な限り少ない予算で工事を受注していき、これは作業員の減少や練度の低下、用いられる設備の劣化、工期の切り詰めを招くこととなります。

また下請け業者は、工事の際に自社の名前が全面に出ていないことや、安価で切り詰めた工事を行っていることから
「なにか問題が起きたとしても、名前の出ている元請け業者が責任を負ってくれる」と考えてしまいがちです。

結果として工事に対する責任感が薄れてしまい、品質が低かったり安全確認が不十分だったりする工事が生まれてしまい、施工の不良や最悪の場合前述のような事故にもつながってしまいます。

繰り返しになるようですが、全ての下請け業者がこうである、というわけではありません。
しかし、こういった委託による工事品質の低下が起きてしまっているのも解体業界の現状です。

解体中にもし事故や問題が発生した場合でも、その損害で起きた費用を施主が負担することに…ということはありません。
ですが、事故が起きれば工期の変更や遅れはどうしても出てきてしまいますし、何より自分の建物の解体中に業者の方が事故に見舞われるのは気分がよくないものですよね。

良い解体業者と巡り合うためには

そんな解体工事での事故を減らすためには、解体業者選びを正確に行う必要があります。
そのために重要なのが、インターネットを利用した見積りの依頼です。
しかし、解体業界では未だに解体業者の公式サイトが充実しておらず、探すのにも骨が折れることが多いです。
また、公式サイトを見てみても
専門用語が多くてわからない……
どんな基準で選べばいいんだろう……?
となってしまうこともあるでしょう。

そこでご活用いただきたいのが、解体工事の一括見積り比較サービスです。

解体業者の一括見積りサービス

当協会が運営する解体無料見積ガイドでは、全国に14,000社存在する解体業者から13以上の厳しい審査基準をクリアした優良な解体業者1,000社を選定し、その中からお客様の条件に最適な解体業者を最大6社までご紹介するサービスを無料で提供しています。
選抜された解体業者とお客様の間に立つことで、公正で優良な解体工事をサポートいたします。
中間マージンなどの余計な手数料が発生することもありません。解体工事についてお悩みでしたら、ぜひ一度解体無料見積ガイドまでご連絡ください。

ご自身で解体業者を探すなら

先程も述べましたが、解体業者をご自身で探す場合は、解体業界の特性や専門分野であることも相まって労力を要します。
そんな業者探しの上では、どのような基準を設ければよいのでしょうか?

解体工事の現地調査と見積りは、以下の基準をクリア出来ている会社にお願いすることをオススメします。
解体業者の公式サイトを見たときや、現地調査・無料見積りを依頼した際にチェックしておきましょう。

  • 建設業の許可、もしくは解体工事業の登録を持っている
  • 産業廃棄物収集運搬の許可証を持っている
  • 損害賠償保険に加入している
  • 解体工事前に請負契約を書面で結んでくれる
  • 見積書の表記が明確で、質問に対して正確に回答してくれる
  • 解体工事完了後に取り壊し証明書とマニフェストの提示をしてくれる
  • 解体工事後の整地

解体工事をお願いするとき、お世話になったメーカーや工務店からの紹介で工事を行うことも多いですが、自分で業者を選定して選んでおくメリットは十分にあります。
中間マージンが発生しなくなるだけでなく、顔が見えるパートナーに責任を持って進めてもらうことで、工事の安心感はより高まることでしょう。

まとめ

解体工事を検討している人が最初に悩むことは、その業者選びです。
お世話になっているメーカーに解体工事業者を紹介してもらったとしても、実際工事を行うのはその会社とは限りません。
受けた会社と施工する会社が同一であれば問題ないのですが、不安を払拭するためには自分自身で解体業者を選んでみるのがよいでしょう。

そのためにも、先程お伝えしたような7つの項目はクリアした解体業者に工事を依頼しておきたいところです。
それに加え、自分自身でも解体工事の知識を身につけ、後悔のない解体工事を行ってくれる解体業者を見つけ出したいですね。

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