空き家を購入する時の注意点と専門の情報サイト

近年、増え続ける空き家が問題視されており、国や自治体が積極的に対策を行っています。その一方で、新築に比べて購入にかかる費用を抑えられることから、住み替えの対象として空き家を候補に入れる方も増えています。
そこで、この記事では「近年なぜ空き家の活用に関心が向けられるようになったのか?」、また「空き家を購入するにあたって注意すべきポイントは何か?」について解説していこうと思います。最後に、空き家の物件を専門に取り扱う情報サイトもいくつかご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

空き家の再利用に注目が集まっている理由

最近は空き家に関するサービスや商品が増え、昔に比べて手軽に空き家の物件が検討できるようになりました。でもなぜ、これほど空き家の活用が注目されるようになったのでしょうか。まずは、その経緯となった国の政策と、現在利用できるサービスについて確認していきましょう。

法律により所有者は空き家を放置できなくなった

空き家は過去10年で約90万戸も増えており、社会問題として度々取り上げられていました。そこで、政府は2014年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を実施して、空き家を放置する所有者に対してペナルティを課すことにしたのです。

空家等対策の推進に関する特別措置法とは?
実質1年以上使われていない空き家は「特定空き家」として扱われ、優遇措置の対象外になるという法律。なお、住宅用の土地に対しては固定資産税が1/6になる優遇措置が適用されています。

通称「特措法」と呼ばれるこの法律により、「空き家を放っておくと損をしてしまう」と考える所有者が増え、空き家を活用したり処分したりする動きが活発になったと考えられます。
特措法のおかげで「費用を抑えて中古の物件を購入したい」というユーザーにとっては、ありがたいことに全国的に放置されていた空き家が市場に出回るようになったというわけです。

参考 住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報 - 国土交通省住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報 - 国土交通省 参考 「空き家問題」が止まらない。人生100年時代に必要な対策は?生命保険のことならアクサ生命|アクサ生命保険株式会社

「空き家バンク」の登場で空き家がさらに身近に

そしてもう一つ空き家を活用する動きが全国的に広まった要因に、「空き家バンク」があげられます。空き家バンクは各自治体が管理、運営を行っている空き家のマッチング事業で、平成29年の時点で既に全国の56%となる763の自治体が参加しています。無償から有償まで多数の空き家が取引されており、空き家を売りたい人と買いたい人の双方にとって有益な流通手段として活躍しています。
さらに、自治体によっては空き家の購入や修繕にあたって補助金を用意しているところもあり、空き家の再利用に対して協力的な自治体は多いです。
気になる方は空き家を管轄している自治体のホームページなどで確認してみてください。

参考資料:「全国版空き家・空き地バンク」の使用並びに参画方法等について

空き家を対象にした金融商品が続出

さらに、特措法が実施されて以降、空き家を検討しているユーザーを後押しするかのように、民間の金融機関の中には空き家の購入やリフォームに特化した金融商品を取り扱うところが出てきました。

銀行名商品名融資限度額
トマト銀行トマト・空き家活用ローン500万円
遠州信用金庫空き家活用ローン500万円
岩手銀行空き家解体・活用ローン1,000万円

※取り扱い銀行の一例です。地域の銀行ごとに様々な金融商品があります。

老朽化が進んでいる空き家では、建物の資産価値が認められずローンの審査が通らない、といったケースも少なくありません。そこで、新築や建て替えに比べて融資額を抑えた、リスクの低いローンを利用して空き家を購入してもらおうという試みが強まったと考えられます。
特措法が実施されて以降、消費者の動向も加味した金融機関の強力なバックアップもあって、ますます空き家を視野にいれた住み替えを検討しやすい環境が整ってきました。

購入前には必ず空き家の状態をチェック

とはいえ、築年数が経過した中古の物件を購入するにあたって、建物の耐久性や耐震性が心配だという方も多いでしょう。
ここからは、空き家を購入するにあたって注意すべきポイントについてご紹介していきます。

古い空き家は要注意、木造住宅の耐用年数は22年

一般的な木造住宅の耐用年数はおよそ22年と言われています。
しかしながら、実際は30年以上経過していても住み続けられている家がたくさんあります。むしろ、相続や贈与によって譲り受けた家が空き家になっている場合、築20年や30年を超えてしまうケースは多いです。そのため、空き家を購入して住み替えを考えているのであれば、修繕やリフォームで現実的に住める家なのかどうかを見極める必要があります。

換気を怠ると老朽化が進む
特に、長い間放置されている空き家は注意が必要です。日本は湿気が多く、構造は木造が主流です。そのため、換気をしないと室内に湿気がこもり、木材を腐らせてしまいます。その結果、誰も住んでいない空き家は普通の家に比べて老朽化が激しくなってしまうのです。
参考 【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数(建物/建物附属設備)【確定申告書等作成コーナー】-耐用年数(建物/建物附属設備)

旧基準で建てられた家は耐震性が危惧される

空き家を購入する際には耐震性も注意して確認する必要があります。
耐震性に関する法律は何度も見直しがされており、直近では1981年を境に大きな改正がありました。そのため、築年数が40年以上の家は古い耐震基準法に基づいて建てられている可能性が非常に高いです。

また、老朽化を伴って耐震性が著しく低下してしまうと最悪の場合、地震や台風、積雪の影響で家が倒壊する恐れがあります。空き家を購入する際は築年数や状態をチェックして、どの程度の修繕やリフォームが必要なのか、あらかじめ目安を立てるようにしたいですね。

専門の調査機関に状態を確認してもらえると安心

とはいえ、ご自身で「どこまで老朽化が進んでいるのか」「耐震性は問題ないのか」といったチェックをするのは不安ですよね。そこで活用したいのが、プロによる住宅診断です。
ちなみに、一般的には有資格者が診断を行うホームインスペクションという住宅診断が主流になっています。費用はおよそ5万円程度で、ホームインスペクションを利用すると、「欠陥がないか」といった診断はもちろん、「何年後、どこにどれくらいの修繕が必要になる」といった目安まで立ててもらうことができます。気になる物件があれば利用してみてください。

参考 住宅診断(ホームインスペクション)とは - 日本ホームインスペクターズ協会日本ホームインスペクターズ協会

空き家の物件を専門に取り扱う情報サイト

さて、ここまで記事を読んでいただいた方の中には、「実際にはどんな空き家が取引されているのだろう?」と気になった方もいるでしょう。しかしながら、空き家の多くは「立地や築年数から考えてどうせ売れないだろう」と、不動産の市場に出回らないケースがあります。そこで、ここからは空き家を効率的に探すことができる、専門の情報サイトをいくつかご紹介します。

1.全国版空き家・空き地バンク

全国の空き家バンクに掲載中の物件をまとめてくれているサイトです。大手不動産会社のLIFULL HOME’Sさんとathomeさんの2社がそれぞれ運営をしています。国土交通省が運営のサポートをしており、500以上の自治体が管理する5,000軒以上の空き家から検索ができるのが特徴です。

参考 建設産業・不動産業:空き家・空き地バンク総合情報ページ - 国土交通省建設産業・不動産業:空き家・空き地バンク総合情報ページ - 国土交通省

athome|全国版空き家・空き地バンク

athome|全国版空き家・空き地バンク

引用:athome|全国版空き家・空き地バンク

LIFULL HOME’S|空き家バンク

LIFULL HOME'S|空き家バンク

引用:LIFULL HOME’S|空き家バンク

2.Sumai空き家

無償から500万円以上の空き家まで幅広く取り扱いがあるサイトです。価格帯別や投稿タグ別など、色々な検索ができるので目的に合わせて空き家を探すことができます。

Sumai空き家

引用:Sumai空き家

3.家いちば

空き家を売りたい人と買いたい人がマッチングできる掲示板サイトです。
空き家の所有者の方が直接書き込みをされるので、空き家になった経緯や情報が詳細に載っているのが魅力です。

家いちば

引用:家いちば

4.空き家ゲートウェイ

掲載されている物件の価格が100円もしくは100万円と2種類の設定になっており、さまざまなメディアで取り上げられている空き家専門の情報サイトです。掲載されている物件一つひとつを丁寧に取材をされていて、空き家の詳しい情報をブログ形式で紹介されているのが特徴です。

空き家ゲートウェイ

引用:空き家ゲートウェイ

まとめ

最近では空き家を再利用するための試みやサービスがいくつも実施されており、空き家を購入しやすい環境が整ってきています。
とはいえ、空き家は中古物件です。長く住み続けることを考えると建物の老朽化や耐震性といった不安な要素があります。費用を抑えて購入できるとはいえ慎重に選んでください。
まずは、空き家を専門に取り扱っている情報サイトを参考にして、気になる物件がないかチェックしてみましょう。