空き地の雑草対策には除草剤?土地を彩る意外な対策法も紹介!

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解体工事などで更地になった空き地も、運用をせずに放っておくと雑草だらけになってしまいます。
雑草の種類によっても異なりますが、早いものは草抜きをしてから1週間程度で生えてきます。

そして、雑草が増えると害虫が増える原因にもなり、あまりに伸びすぎると近隣の家にも被害が及んでしまいます。

雑草対策としてオーソドックスな方法は「除草剤」の使用ですが、除草剤は少し危険なイメージもあるのではないでしょうか。

今回は、除草剤のメリットやデメリット、そして意外な雑草対策を紹介していきます。

1 空き地に除草剤は撒いても大丈夫?

雑草対策と聞いて、除草剤を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
また、同時になんとなく土に悪いイメージもあるかと思います。

では、空き地に除草剤は撒いても大丈夫なのでしょうか。

除草剤のメリット・デメリット

空き地に除草剤を撒いた場合、メリットとデメリットの両方があります。
どちらも把握して、適切な運用を心がけましょう。

除草剤のメリット

除草剤のメリットは、安価で即効性がある点です。
除草剤は、その名の通り「草を除く薬剤」なので、雑草に対しての効果は抜群ですし、ジョーロなどで散布するだけで手軽に行えます。
価格は1リットルあたり300~3000円程度で、性能によって幅はあるものの安価で購入出来ます。

また、通販やホームセンターなどで簡単に手に入るのもメリットのひとつです。

除草剤のデメリット

除草剤のデメリットは、運用が難しい点です。
まず、除草剤と一口に言っても、対象となる雑草は除草剤によって違います。

さらに言うと、「雑草」なんて植物は存在しません
除草剤を使用するには、空き地に生えている植物を特定し、特徴を理解した上で除草剤を選ぶ必要があります

また、強力な除草剤を使用すると土中の微生物が死滅し、数年の間植物が育たなくなる危険性もあります。
つまり、一度撒いてしまうとしばらく土地を運用出来なくなる場合があるので、本当に使用しても大丈夫かよく検討してから使用してください。

除草剤の選び方

先程、対象の雑草によって除草剤の種類も違うとお話ししました。
では、具体的にどんな雑草があるのか、一緒に見ていきましょう。

一年生草のイネ科雑草の場合

一年生草のイネ科雑草として良く知られるのは「スズメノカタビラ、メヒシバ、オヒシバ」などです。

一年生草とは?
毎年新しい種子によって発芽する植物。
春に発芽して秋に枯れる場合と、秋に発芽して春に枯れる場合があります。
1シーズンで枯れる為、抜き取ってしまうのも有効です。
ただし、刈り取りや踏みつけには非常に強く、繁殖力も高いのが特徴です。
スズメノカタビラ
※「スズメノカタビラ」……芝生によく生える代表的な1年草の雑草。1年中見られ、芝刈りで刈っても一切衰退しないどころか、さらに根深く繁殖します。抜き取りは可能。

引用:芝生のことならバロネスダイレクト本店 | 芝生によく生える雑草図鑑

オヒシバ
※「メヒシバ」……夏に最も繁殖する1年草の雑草。葉は柔らかく広線形で、横に這うように広がるのが特徴。漢字で書くと「雌日芝」。抜き取りは可能。

引用:芝生のことならバロネスダイレクト本店 | 芝生によく生える雑草図鑑

メヒシバ
※「オヒシバ」……夏に最も繁殖する1年草の雑草。根本が白く、茎は地面を這うように広がります。漢字で書くと「雄日芝」。メヒシバの仲間だが、より丈夫。

引用:芝生のことならバロネスダイレクト本店 | 芝生によく生える雑草図鑑

【対策】イネ科用の除草剤!
上記のようなイネ科の植物の場合、イネ科用の除草剤が必要になります。
イネ科用除草剤
引用:住友化学園芸 | 条件で探す除草剤

多年草の広葉雑草の場合

多年草の広葉雑草として良く知られるのは「スギナ・カタバミ・シロツメクサ」などです。

多年草とは?
種子で発生後、地上部が枯れても地下部(根)が生き残り、再生して繁殖し続ける植物。
異常なまでの繁殖力を誇り、抜き取っても根が残るため駆除が難しいのが特徴です。
スギナ
※「スギナ」……直立に地上茎が生えてくる多年草。抜き取る事が非常に困難。春になると胞子茎の「ツクシ」を生やす。

引用:芝生のことならバロネスダイレクト本店 | 芝生によく生える雑草図鑑

カタバミ
※「カタバミ」……ハートの形をした広葉の多年草。春~夏に花を付け、地下茎で繁殖する。抜き取っても根が残るため、駆除が困難。

引用:芝生のことならバロネスダイレクト本店 | 芝生によく生える雑草図鑑

シロツメクサ
※「シロツメクサ」……別名「クローバー」と呼ばれる広葉の多年草。春~秋に白い球体の花を付ける。地下茎で繁殖し、抜き取っても根が残るため駆除が困難。

引用:芝生のことならバロネスダイレクト本店 | 芝生によく生える雑草図鑑

【対策】多年広葉用の除草剤!
上記のような多年広葉の植物の場合、多年広葉用の除草剤が必要になります。
広葉雑草 除草剤
引用:住友化学園芸 | 条件で探す除草剤

2 除草剤以外にも?効果的な雑草対策

実は、除草剤以外にも雑草対策はまだまだあります。

除草剤と比べて土地への影響はどうなるのか、自分がやりやすい方法はどれなのか、一緒に模索していきましょう。

砂利を敷き詰める

砂利

引用:Amazon | アイリスオーヤマ 砂利10L

ひとつめは、一面に砂利を敷き詰める方法です。
砂利を敷き詰める事によって、雑草の光合成を遮って枯らせるのです。

安価かつ手軽に出来る方法なので、空き地に限らず庭の雑草対策としても人気です。

しかし、雨が降ったり踏まれ続けたりすると、下の土が浮いてくるので注意しましょう。
下の土が浮いてくると、風で飛んできた種子が土に付着し、また雑草が繁殖してしまいます。

また、石を薄めに敷くと隙間だらけになってしまうので、ほとんど無意味です。
採用される場合は石を厚めに敷く事をおすすめします。

防草シート

また、空き地の全面を特殊な防草シートで覆ってしまう方法もあります。
砂利と同じく光合成を封じる方法ですが、防草シートの方が完全に光が届かなくなる分、圧倒的に効力を発揮します。

防草シート

引用:「防草シート」の専門家 らくやのう | 防草シート効果

上の画像は、2ヶ月前に草刈りをして、一部に防草シートを敷いた例です。
防草シートを敷いた左側は全く雑草が生えていませんが、シートを敷いていない右側は雑草が大量に生えています。

画像を見て分かるように優秀な防草シートですが、唯一のウィークポイントは費用です。
種類や性能によっても単価は違いますが、「らくやのう」さんで一番人気の「とことん草なしシート」の単価は、50㎡あたり33,696円です。

一軒家を取り壊して出来た空き地の場合、100㎡程の土地が多いので、約67,000円になります。

さらに固定の為のピンの値段を含めると7万強になります。
自分の空き地の状況を見て、多少費用がかかっても対策をしたい!と思ったら検討してみてください。

「防草シート」の専門家 らくやのう さんのHPはこちらから

土に優しい除草剤も

先程、除草剤は土に少なからず悪影響があるとお伝えしましたが、中には環境への優しさをウリにしている除草剤もあります。
草が枯れた後にすぐに毒性が消え、土に良い循環をもたらしたり、土壌に浸透せずに土に影響を与えないタイプなどがあります。

おうちの草コロリ

引用:Amazon | アース製薬 みんなに優しい除草剤 おうちの草コロリ

上の画像はアース製薬の「みんなに優しい除草剤おうちの草コロリ」です。
無農薬タイプで、ペラルゴン酸と呼ばれる食品成分を原材料としています。
ペラルゴン酸は、とうもろこしなどにも含まれる成分で、土壌中で速やかに分解されるので環境に影響を及ぼしにくいとされています。

また、土だけでなく人間への害も少ない事から、家庭用としても広く使われています。

3 まるでガーデニング?グランドカバーで空き地を鮮やかに

さて、雑草対策を色々見てきましたが、まだ紹介していない対策法があります。

グランドカバー」と呼ばれる方法です。

環境面、費用面、手軽さなどあらゆる面を考慮した結果、最もおすすめしたい方法です。
それでは、グランドカバーとは一体何なのか。ご紹介していきます。

植物で植物を制す!グランドカバーとは

グランドカバーとは、地面を雑草以外の植物で埋めてしまう雑草対策法です。

特定の植物に備わっている「アレロパシー効果」を利用した方法です。

アレロパシー効果とは?
ある植物が他の植物の成長を阻害したり、微生物の発生を防いだりする効果の総称。
植物の繁殖力や密度が高いほど効果的とされています。

食物を育てる際に、雑草が生えているとアレロパシー効果が働いて、食物の成長を阻害してしまいます。
今回は、効果を逆に利用して雑草の成長を意図的に阻害するのです。

グランドカバーにおすすめの植物4選

グランドカバーで使用する植物は、何でも良いわけではありません。
アレロパシー効果を充分に発揮してくれる植物でないと、また雑草が生えてきてしまいます。

グランドカバー向きな植物の特徴
発生密度と繁殖力が高い 他の雑草が生えてくる隙間を与えない事が重要です。
見た目が良い 見た目が悪いと雑草と同様の印象を受けます。ガーデニング気分で空き地を彩りましょう。
多年草 毎年植え替えるのはコストと手間がかかります。一年草ではなく、多年草が向いています。
手入れが簡単 水は雨で充分、踏まれても大丈夫など、生命力の高い品種はほとんど手入れが要らず、管理が楽です。

ヒメイワダレソウ

ヒメイワダレソウ

引用:NHK | みんなの趣味の園芸

ヒメイワダレソウは、クマツヅラ科イワダレソウ属に分類される多年草です。
草丈は5cm~15cmほどで、地を這うようにして広がりながら繁殖します。

暑さや寒さに非常に強く、踏まれても問題ないほど丈夫です。

圧倒的な繁殖力を誇り、1個のポット苗を植えると2~3ヶ月で50cm四方にまで成長します

また、花に実がつかないため害虫が寄ってきません。
ヒメイワダレソウで地面を覆えば、かなりの害虫対策になります。

最近では、セシウム吸収効果があることが判明し、除染を助ける植物としても注目されています。

シバザクラ

シバザクラ

引用:NHK | みんなの趣味の園芸

シバザクラは、ハナシノブ科クロックス属の多年草です。
草丈は10cmほどですが、横に這うようにして50cmほどの草幅にもなります。

春になると桜のようなピンクの花を咲かせることから命名されました。

地面を這うように密集して生息しており、土の流失を防ぐためグランドカバーとして注目度が高いのです。

弱点としては、他のグランドカバー向きの植物に比べて踏まれるのに強くないので、人が多く立ち入る土地には向いていない事が挙げられます。

アップルミント

アップルミント

引用:NHK | みんなの趣味の園芸

アップルミントは、シソ科ハッカ属の多年草です。
草丈は20~100cmほどで、横に這って繁殖し地面を覆います。

繁殖力が高く、どんな場所でも育つためグランドカバーとして人気が高い品種です。

リンゴのような爽やかな香りが特徴で、ミント特有の虫除け効果もあります
また、5~9月頃になると白や薄ピンクの花を咲かせ、見た目の美しさも兼ね備えています。

クラピア

クラピア

引用:出光アグリ株式会社 | 太陽光発電~クラピアと共に~

クラピアは、クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草です。
イワダレソウを品種改良して作られ、スーパーイワダレソウとも呼ばれています。

痩せた土地でも良く育ち、寒さや暑さへの耐性が高いです。
また、日照時間が3時間程度の日当たりの悪い土地でも元気に育つ、生命力の高さも特徴です。

一般的な雑草の10倍ほどのスピードで繁殖しますが、種は残さない為他の生態系に影響を与えません。
ただし、根が強すぎるので、剥がして別の植物を植えるのは難しい欠点もあります。

4 まとめ

空き地に雑草が増えると、害虫が発生したり近隣に二次被害を与えたりと大変危険です。

ただし、雑草対策は土地や周りの植物への弊害も考慮して行う必要があります

とりわけグランドカバーは、土地への優しさや手間のかからなさに加え、土地の見栄えも良くなるおすすめの方法です。
もし、当記事で少しでも興味を持って頂けたら、まずはグランドカバー用の植物を選んでみましょう。

以下はグランドカバーに関する詳しい記事のリンクですので、興味のある方は是非ご覧になってみてください。

参考 花が咲くグランドカバー20選~花のカーペットを作ろう! | LOVEGREEN(ラブグリーン)LOVEGREEN(ラブグリーン)