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争続にならないための遺言書の活用法と注意点

遺言書の活用法と注意点について考えていきたいと思います。遺言書の作成は、決してお金もちだけのものではありません。財産の多い少ないにかかわらず、問題なくお金を残すためには、すべての人にとって必要なものです。

遺言書の作成については、下記の記事を参考にしてください。
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終活に備えたお金の使い方の使うべきところと節約すべきところのポイント

相続が起きたときの手続きをみると、きちんとした遺言書があれば、こんなふうに家族が困ることはなかったのという事例は、残念なことに数多くあります。実際に、相続が起きてしまってから後悔するのは、残された人である家族になります。

遺言書1枚で、家族が救われる可能性があることをしっかり覚えておきましょう。

あなたには遺言書が必要ですか

中でも、特に遺言書を書くべき人は、次に該当する人です。該当部分があった人は、先延ばしすることなく、すぐにでも公正証書遺言を作成する準備を始めましょう。

相続になる可能性が高いケース

・相続の中にあなたや他の相続人との関係が良好でない人がいる
・財産の大半が自宅不動産や自社株等などわけられないものである。
・子供がいない
・相続人の中に、しばらく連絡を取っていない人がいる
・再婚である
・非嫡出子(婚外子)がいる

遺言書がなければ思いを実現できないケース

・相続人がいない
・内縁の妻など、相続人以外で財産を渡したい相手がいる
・相続人の中に、あまり財産を渡したくない相手がいる
・相続人の中に、他の相続人より多く財産を渡したい相手がいる
・寄付をしたいと考えている
・自宅不動産は長男へなど確実に渡したい相手がいる財産がある
・会社を経営していて、その会社の株式を保有している
・生前に行った相続税シュミレーションに基いて相続させたい

手続きが煩雑になったり、時間がかかったりしがちなケース

・相続人の中に未成年者がいる
・相続人の中に行方不明の人がいる
・相続人の中に認知症の人がいる
・相続人の中に海外等遠方に住んでいる人がいる

1つでも当てはまる場合には、公正証書遺言を作成しておきましょう。お金を残す過程で家族をトラブルから守ることができるのは、事前にあなたが行なうことしかできないのです。

なぜ、遺言書は公証役場で作成しなければならないのか

遺言書は自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言で作成することをおすすめしてきました。なぜ、公正証書遺言で作成したほうがよいのか、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを比較してみましょう。

自筆証書遺言のメリット:費用面の負担が少ない

まず、大きな違いは、費用面です。自筆証書遺言は、自分1人で作成するため費用はかかりません。端的に言うと、紙とペンがあれば、作成できてしまいます。一方、公正証書遺言は、費用がかかります。

自筆証書遺言のメリット:作成方法が手軽

次に、作成方法です。公正証書遺言は、まず文案を作成し、その内容で問題がないかどうかを公証役場とやり取りします。その上で、問題がなければ、公証役場に行き、ここで作成が完了します。

公正証書遺言には証人が2名必要となります。証人には、未成年者や、作成する遺言で財産を渡す予定の相手、推定相続人等は証人にはなることができません。証人になる人がいない場合は、作成サポートを行う専門家や公証役場で紹介してもらえますので、相談することができます。

一方、自筆証書遺言は、自分が書きたい内容を記載するだけなので、手軽といえます。自筆証書遺言のメリットは、この費用面と手軽さのみです。なぜお金をかけてまで、公正証書遺言で作成すべきかについて見ていきましょう。

自筆証書遺言のデメリット:無効になる

自筆証書遺言のデメリットの1つは、無効になる可能性が高いことです。自筆証書遺言は、全部を自書すること、押印すること、日付と氏名を記載することなど、要件が決められています。

押印がない遺言書や日付が明確でなく吉日と書いた遺言書は、そもそも遺言書としての要件を満たしません。また、たとえこれらの要件を満たしていたとしても、手続き上問題が残る記載がある場合がほとんどです。

例えば、遺言執行者の指定が漏れていたり、自宅の不動産を地番や家屋番号等できちんと特定していなかったり、土地も遺言者名義であるにもかかわらず、「家」を長男に相続させると記載していたり、渡す相手の名前が間違っていることもあります。また、遺言書の中の書き損じの訂正方法が誤っていて、訂正と認められないケースもあります。

また、何とか、最低限遺言書として認められるかどうかのハードルを越えられたとしても、次に実際に手続きに使えるかどうかというハードルが存在します。一方で、公正証書遺言は公証人のチェックが入りますので、無効になる危険性はほとんどありません。この大きな違いがまずあります。

自筆証書遺言のデメリット:紛失や隠匿

次に、紛失や隠匿の危険性です。自筆証書遺言は、記載した用紙自体が原本なので、紛失の危険が避けられません。また、遺言書を見つけた人が、その遺言書の内容が気に入らないからといって、遺言書を隠したり、捨ててしまったりする危険性もあります。

遺言書を隠したり、捨てたり、偽造した人は、相続人から除外するという規定はありますが、この規定で100%抑止できるわけではありません。自筆証書遺言は、紛失や隠匿の危険性がつきまとうことを意識しておくことが必要です。

公正証書遺言のメリット:再発行が可能

一方、公正証書遺言は、紛失や隠匿の可能性はありません。公正証書遺言は公証役場に遺言書の原本が保管されてあり、再発行が可能だからです。例えば、住民票は市町村役場で取得することができますが、その取得した住民票をなくしたりしてたりしても、また市町村役場で発行してもらえます。これと同じように公正証書遺言もたとえ紛失したりすることがあったとしても再発行することができます。

公正証書遺言のメリット:検索が可能

また、公正証書遺言は、遺言者の死亡後に、その遺言者が公正証書遺言を残していたかどうかを検索することが可能です。そのため、相続発生後に遺言書が見つけてもらえないリスクを防ぐことができます。また、この検索は全国どこの公正役場からも可能です。

自筆証書遺言のデメリット:検認が必要

次に、検認の要否です。検認とは、遺言者の死亡後に行う遺言書の開封式のようなものです。検認は、その遺言書の存在と内容を確認し、以後の変造を防ぐために必要な手続きで、家庭裁判所で行います。自筆証書遺言であれば、必ず検認の手続きをする必要があり、検認をしていない自筆証書遺言は、名義変更等の手続きに使うことができません。一方、公正証書遺言には、検認が不要です。

検認は、行うまでに期間を要します。相続開始後、遺言書を見つけたら、まず検認の申し立てのために必要書類を準備します。申し立てには、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本や除籍謄本等が必要です。これらを集めるためには、最短でも1ヵ月ほど要します。

転籍が多い場合や相続人が兄弟姉妹である場合には、必要書類が1ヶ月以上かかることもあります。書類がすべて集まったら、家庭裁判所に申し立てをします。申し立て後、家庭裁判所から相続人全員に対して、検認期日の通知がされます。検認期日の通知とは、検認への招待状のようなものです。

このような手続きを挟むため、申し立てから実際の検認の期日まで1~2ヶ月程度の期間を要します。この期間は、裁判所の混み具合や申立書類の不備の部分により異なります。

その後、ようやく検認が完了しますが、検認が終わるまでは、故人の財産名義変更や解約はできません。相続が起きてから、検認が完了する2~4ヶ月の間、遺言者の銀行口座からお金を引き出すことができないことを意味します。

また、検認にはすべての相続人が参加権利を持ち、家庭裁判所から連絡が行きます。例えば、遺言書中で一切名前が出てこない人であっても、相続人である以上は参加できるということです。

もし、その遺言書の内容が気にいらない相続人が、その時既に遺言者は認知症だったので、遺言書は無効だとか、その字は遺言者の字ではないなどと主張し、有効性に疑義が生じた場合、検認の場合は遺言書の有効無効を争う場ではないので、別途そのための争いを行なうことになります。ここからかかる期間は未知数になり、かなりの時間がかかることが予想されます。

一方、公正証書遺言であれば、万が一このような疑いを持たれたとしても、公証人の前で本人が作成しているために、認知症だった、他人が勝手に作成したと言った主張は通らず、有効なものとして機能します。自筆証書遺言は検認が必要であるため、公正証書遺言よりも手続きのスタートが遅れること、そして無用なトラブルの元になりかねないことを知っておきましょう。

公正証書遺言のメリット:手続きがスムーズ

最後に、相続手続きについてです。公正証書遺言は、圧倒的に手続きがスムーズになります。法律上、内容が全く同じであれば、公正証書遺言と検認を経た自筆証書遺言の効果は同じです。

しかし、多くの金融機関は、法律とは別に独自ルールを持っている事があります。このルールの中で、自筆証書遺言で手続きするには、原則として受け取りの人のみではなく相続人全員の同意が必要としている金融機関も少なくありません。

このような状況では、遺言書の内容に納得しない相続人が手続きに協力しない場合もあり、何のために遺言書を書いたのかわからない事態になってしまう可能性もあります。そのようにならなかったとしても自筆証書遺言は、曖昧な記載や判断にまよってしまう記載が多く見られます。そうなるとその遺言書に基づいて、預金を払い戻してよいのか結論を出すのに時間を要します。

いずれにしても、公正証書遺言の方が手続きのほうが、スムーズに物事を進めることができます。

遺言書を作成する本来の目的

このように公正証書遺言と自筆証書遺言には、いくつか相違点が存在します。自筆証書遺言は、作成時の費用とお金が少なくすむ一方で、残される家族の立場で考えれば問題が多くあります。

「お金がかからないから」、「そこまでの手間をかけたくないから」と、目先のことばかりに目が行ってしまいがちですが、安易に自筆証書遺言を選択しないようにしましょう。

自筆証書遺言を手軽に作成できるキットのようなものもありますが、遺言書の作成はそう簡単なものではありません。中途半端な遺言書の存在が、家族を困らせてしまうこともあるのです。

公正証書遺言を作成すること、これが家族に問題なくお金を残す、お金の終活の絶対条件なのです。

終活の本当の目的を考えることについては、下記の記事を参考にしてください。
 ↓   ↓   ↓
お金・財産の終活をするときに知っておくべき相続税対策

まとめ

争続にならないための遺言書の活用法と注意点について見てきました。遺言書の作成は、決してお金もちだけのものではありません。争続が起きたときの事例をみると、きちんとした遺言書があれば、こんなふうに家族が困ることはなかったのということが多くあります。遺言書1枚で、家族が救われる可能性があることをしっかり覚えておきましょう。

また、遺言書の作成方法は、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類がありますが、公正証書遺言の作成をおすすめする理由をあげてきました。自筆証書遺言のメリット、デメリット、公正証書遺言のメリットもあわせて比較してみてください。

お金の終活の目的は、いかに後に問題を残さず、お金を残すかが大切です。大切な残された家族に迷惑のかからない相続ができる準備を行い、決して争続にならないように準備しておきましょう。