売れない土地を売るための3つの方法

住んでいた親族の死去、引っ越し等の理由で空き家となってしまった家屋に土地。
所有しているだけで固定資産税や管理費が発生して金銭面での負担になってしまいます。
加えて敷地内の雑草の伸びや虫の発生、家屋の老朽化が進み崩れてしまう可能性もあります。最悪の場合は火災などの犯罪行為に巻き込まれてしまい、近所の住民にまで被害が及ぶ危険性があります。

もはや負担にしかならない空き家、できれば土地ごと売ってしまいたいですよね。

しかし現在の日本にある空き家は800万戸以上。これからもっと増え続けると言われています。売却を希望していても買い手が見つからない空き家が数多く存在しているのです。

そんな中で一体どうすれば空き家も土地も売れるのか…3つの方法を紹介していきます。

不動産屋と契約

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空き家・土地を売るためには買い手に宣伝して物件をアピールする必要があります。
宣伝行為を一般人が行うのは難しいので、不動産屋等の仲介業者に依頼しましょう。

不動産屋と契約を結んだからと言ってすぐに買い手が見つかるとは限りません。
むしろ今の空き家が有り余っている状況ですと、自ら工夫を加えないといつまでたっても売れない可能性もあります。

では、どのような工夫をすれば空き家も土地も売れるようになるのでしょうか?

相場を考慮した価格を

不動産業界では「売れない不動産はない」という言葉があります。
でも売れない空き家が一杯あるんでしょ?矛盾してない?と思いますが、この言葉には「売れない物件にはそれなりの理由がある」という意味が含まれています。売れない土地、空き家を売るには「何故売れないのか」の理由を把握する事が大切です。

立地に問題が無く、空き家も住める状態で売れないのなら問題は売出価格にあります。

買い手が最も重要視するのは、やはり金額です。
土地の立地も空き家の状態も希望条件通りでも、価格が高すぎると購入希望者は離れてしまいます。逆に立地や間取りが少し希望と違っても、価格が安ければ問い合わせに繋がります。

特に、予算が決まっていてネットで検索する方は「◯◯万円以下」といった条件で検索する場合が殆どです。
高い価格設定をすると購入希望者の目にも止まらない事になってしまいます。

客観的に見て、あまりにも高すぎる価格設定になっていないか確認してみましょう。
売主としては「少しでも高く売りたい」と誰もが利益を求めてしまいますよね。買主としては反対に「少しでも安く買いたい」と考えています。あまり高い価格にしてしまうと売れるものも売れなくなってしまいます。
立地や敷地の広さ、家屋の築年数から市場相場を割り出して、釣り合っている価格なのか確認します。

自分が買主の立場だったら「この価格でこの条件で本当に買いたいと思うのか」を考え、不動産屋と相談して価格を設定しましょう。

ずっと買い手が見つからずに固定資産税や管理費を払い、雑草等の庭の手入れをし続けるよりも、多少安くても売ってしまって金銭面・管理面での負担から開放される方がよっぽど得では無いでしょうか。

暫くたっても購入希望者が現れない場合、2~3ヶ月に1度くらいの間隔で値段を見直して行きましょう。

不動産屋との連絡を

不動産屋との契約には【専属専任媒介契約】【専任媒介契約】【一般媒介契約】の3つの形があります。
契約形態によって、不動産屋の販売活動の力の入れ方が変わってきます。

【専属専任媒介契約】

売主が1つの会社のみとしか契約する事ができない形の契約です。
他の業者に依頼すると違法となってしまいます。
つまり、契約した不動産屋に全てを任せる事になります。
売主が自ら買い手を探すこともできません。

その分、不動産屋は他社に契約を取られる恐れも競う必要も無く全ての利益を自分たちが得られるため、広告を出したり積極的に宣伝を行ってくれます。

業者は1周間に1度、売主への状況報告が法律で義務付けられています。
他の媒介契約に比べてより力を入れて販売活動を行ってくれますが、信頼できる業者選びが必要となります。

【専任媒介契約】

専属とほとんど同じ形で他の業者との契約は出来ません。
しかし売主が自ら買い手を探し出した場合は仲介業者を介さずに契約する事ができます。

専任の場合、業者は2周間に1度の売主への状況報告が義務付けられています。
専属と同じく、積極的に販売活動を行ってくれます。

【一般媒介契約】
一般媒介は複数の仲介業者との契約が可能です。
そのため見られるチャンスが増えますし、自分で買い手を探すこともできます。

しかし業者からすると広告費をかけて販売活動を積極的に行っても、他社に契約を取られてしまえば利益がゼロ…むしろマイナスになってしまうため専任に比べて販売活動に力を入れてもらえない可能性が高いです。
不動産からの定期報告の義務もありません。

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この3つの契約の中でどの契約が一番効果的なのか…それは専任媒介契約です。
一般媒介契約の方が複数の不動産屋で紹介してもらえて買い手が見つかりやすいように思えますが、専任契約の方が力を入れて宣伝してもらえて売主自身でも買い手を探すことができるため決まりやすいのです。

複数の契約先での情報を自分で管理するのも大変ですよね。
1つの契約に専念した方がわかりやすいですし、状況を整理しやすいという点でも専任契約がオススメです。

定期連絡の際に販売活動の状況を確認しましょう。どの条件でダメになってしまったのかがわかれば改善点も見えてきます。

  • 問い合わせが全く無い場合は、不動産会社のPR方法に問題がある事が考えられます
  • 問い合わせがあっても空き家の見学に繋がらない場合、販売価格が高い可能があります
  • 見学には来ても売買に繋がらない場合は、物件自体に問題がある事が考えられます
  • 状況に応じてどこを見直せば売れるようになるか担当者と共に策を練りましょう。

    一緒に真剣に考えてくれる不動産屋は良い会社ですが、対応が雑だったりまともに取り合ってくれないようであれば解約して契約会社を変えましょう。会社によって営業の仕方も売り出し方も違ってきますので業者を変えたら売れたという例もあります。

    空き家バンクに登録する

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    空き家バンクとは、自治体が運営している空き家を買いたい人と空き家を売りたい人をマッチングさせるサービスの事です。
    サービス内容は不動産屋と同じように売主が空き家情報を登録して、買主が数ある物件情報から希望の空き家を探すという流れですが、自治体の目的は市町村の活性化なので仲介料が一切発生しません。

    また、賃貸や土地や一軒家といった多くのジャンルを取り扱う不動産屋とは違い、空き家情報だけを取り扱うサービスなので空き家の購入を希望している人だけが集まります。
    よって買主が決まるチャンスが増えるのです。

    さらに空き家バンクに登録する事によって、買主が一定期間見つからない場合には、改修工事のための補助金を交付してくれる市もあります。
    古くて状態の悪い空き家でも改修工事を行えば売れる事は十分ありえますし、補助金制度があれば活用する事も考えてみましょう。

    空き家バンクの登録方法や詳しい仕組みはコチラで紹介しています。

    まだ知名度こそ低い空き家バンクですが、最近では利用者も増えて来ています。
    空き家バンク内での売買の成立も数多くありますので、一度目を通してみてください。

    解体して更地にする

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    最終手段として、空き家を解体して更地となった土地を売り出すという方法があります。
    よく不動産屋も「空き家が売れなくても更地にすれば売れます」と言いますが、何故更地にすると売れるのでしょうか。

    空き家が増え続けている近年ですが、新築も同じように増えています。
    家を買うという事はとても容易な事ではありませんよね。もちろん、空き家を購入して住む・リフォームして住む事を考えている方も沢山います。
    しかし、一生住むことになるでしょう家ですし、どうせ買うのならば築数十年の空き家よりも自分であれこれ考えて新築を建てたいという人が多いと思います。そのため空き家のある土地よりも更地となった土地の方が需要があるのです。

    実際に、空き家が売れずに解体工事を行い更地にした途端に買い手が決まったという売主がいました。
    空き家がある状態だと、買主は「この土地で新しく家を建てたら」という想像や設計を今ある雑草や樹木・空き家が邪魔で出来ないのだそうです。

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    比べて見ると確かに、見栄え的な面でも想像しやすいという面でも更地の方が良いように思えます。

    一口に解体するといっても、大掛かりな工事ですし費用もかかりますし簡単には決められませんよね。
    空き家から更地にすると固定資産税が6倍になるという事も躊躇する1つの原因かと思います。しかしこの話、更地にすれば「空き家の固定資産税」が抜かれるため、実際にかかる税金は6倍では無く3~4倍なのです。

    もちろんすぐ解体工事をしなくても、空き家として売れる可能性もあります。
    空き家と更地という2つの選択肢を残しておいて買い手の層を広げれば、チャンスも増えますしね。

    この場合は不動産での登録を「土地物件」と「中古住宅物件」の両方で売りだして土地物件に更地渡しも可といった風に記載しておけば良いのです。
    中古物件だけで宣伝しても土地を探している人の目に触れる事は無いので見つけてもらえなくなってしまい、チャンスが減ってしまう。両方で売りだしてどちらを探している人の目にもとまるようにするのが良い。

    費用の面でも、掲載条件に解体費は相談可等書いておいて交渉して折半にする事もできます。高く買ってくれるようなら工事費は売主が全額負担というように、ケースバイケースでうまく対処しましょう。

    特にビー玉が転がるほどに床の傾斜があったり、断熱性や耐震性が乏しい難あり物件は売却が難しいです。解体して土地を売った方が確実に効率が良いでしょう。

    まとめ

    空き家も土地も売れづらくなってしまった時代ですが、基本的に売れない不動産は無いと言われています。
    もちろんタイミングや運もありますが、売れない空き家には売れない理由が必ずあります。買い手側の気持ちになって条件や価格を見直して売れる物件に変えていきましょう。

    不動産屋の担当者等プロの意見を土台にして、売主自身の意見や工夫も加えて行けば早い段階での売却に繋がるでしょう。

    しかし売れるまで待っていられるほど時間に余裕が無い、早く売りたいという方は更地にしてしまう事が一番の近道です。
    今は空き家が増え続けているにも関わらず新築も同じく増えていっています。土地の需要はまだまだあるのです。

    空き家がある状態では全く買い手が見つからなかったのに、更地にした途端に売れたという例は沢山あります。
    思っていた値段で売れずに値下げをしたり、多額の費用をかけて解体工事を行う事は一見損のようにも思えますが、ずっと売れずに税を払い続けるよりは事を考えると更地にして売る方が遥かに得になるのです。

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