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土地の取得価額に含むべき? 建て替え工事の取り壊し費用には要注意

建て替えにおける取り壊し費用の処理方法を確認しましょう!!

建て替え工事に伴う取り壊し費用の扱いは、節税効果を通して納税額に影響を及ぼします。

投資や企業経営の視点で考えると、建物の取り壊し費用は土地の取得価額へ算入するより必要経費として計上する方が望ましいといえますが、取り壊し費用の扱いは納税者が自由に選択できるものではありません。

そこで、本記事は建て替え工事に伴う取り壊し費用の扱いについて、必要経費として計上するための3条件とともに説明します。

建て替えにおける取り壊し費用の税務上の扱いには主に3種類ある

建て替え工事で発生する取り壊し費用は、税務上では主に以下の3種類いずれかとして扱われます。

  • 必要経費
  • 土地の取得価額
  • 家事費

【パターン1】必要経費として取り扱われる場合

一定の条件を満たすと、取り壊し費用を必要経費または損金に算入できます。

必要経費・損金とは?
収入を得るために必要とした費用などを指します。
必要経費は所得税法上、課税所得を減らして節税効果を生じさせます。
一方、損金は法人税法の用語で、必要経費と同様の節税効果をもたらします。
2つは似たような意味を持ちますが、個人事業主の場合は必要経費を、法人の場合は損金を主に用います。(以下、2つをまとめて必要経費とします)
参考 わかりやすい会社の税金必要経費や損金とは何か?

下記の計算式により、必要経費が発生すると法人税等の課税対象である所得が減少します。

総収入金額ー必要経費=所得

さらに、算出した所得に所得税の税率(法人の場合は、法人税の税率)をかけて算出されます。

所得×所得税率ー控除額=所得税
※法人の場合は、所得×法人税率=法人税

そのため、必要経費は、必要経費が生じた年の所得税や法人税を抑える効果があります。

MEMO
法人の場合、損益が赤字になった会社は、多くのケースで所得がゼロかマイナスになります。
その場合、損金による節税効果は発生しません。
一方、個人事業主の場合は、青色申告での確定申告により、翌年以降の最大3年間は赤字額を繰り越せます。
よって、個人事業主なら建て替えた年が赤字でも、翌年以降に節税効果を受けられる可能性があります。
ただし、5棟10室基準を満たさない個人事業主の場合、経費計上前の不動産所得の金額が経費計上の限度額となるため、赤字額の繰り越しができません。
※5棟10室基準は、家屋5棟以上またはアパート等部屋数10室以上を貸付けているかが目安です。
参考 経理プラス法人で赤字がでたときの法人税などはどうなる? 参考 濱田会計事務所Q62 5棟10室基準って?(不動産事業者の青色申告) 参考 国税庁No.2260 所得税の税率 参考 freee株式会社会社設立の基礎知識

【パターン2】土地の取得価額として取り扱われる場合

一定の条件に該当する場合、取り壊し費用は土地の取得価額へ算入されます。

土地の取得価額とは?
土地を取得する際の購入額に、購入手数料などの取得に要した費用を含めた金額を指します。

取り壊し費用を土地の取得価額に算入できると、土地を売却した年の譲渡所得税を減らせます。

譲渡所得税=譲渡所得×39.63%※
※短期譲渡所得の合計税率。所得税30%+復興特別所得税0.63%(所得税30%×2.1%)+住民税9%

譲渡所得は以下の計算式で算出します。

譲渡所得=収入金額ー(取得費+譲渡費用)
取得費=取得価額ー減価償却費累計額(土地に限り、取得費=取得価額)
収入金額:土地を売却して得た収入
譲渡費用:土地の売却に要した費用

計算上、取得価額が増えれば売却時の譲渡所得税は減ります。
建て替え工事の取り壊し費用を土地の取得価額へ算入できれば、必要経費と同様に節税効果を受けられるわけです。

ただし、土地には減価償却がないので、毎年の費用計上ができません。

つまり、土地の取得価額へ算入する場合は、土地を売却するまで節税効果が生じないのがネックとなります。

MEMO
取り壊し費用を土地の取得価額に算入する際は、廃材処分で得られた金額は含みません。
ですから、次のように廃材処分で得られた金額を計算上で控除する必要があります。
取り壊し費用ー廃材処分による収入=土地の取得価額に算入する額
参考 国税庁No.3261 建物の取得費の計算 参考 花と綴るひとり税理士のブログ似て非なる「取得価額」と「取得費」

【パターン3】家事費として取り扱われる場合

建て替え工事にかかる取り壊し費用について、必要経費や土地の取得価額に算入できなかった場合は家事費として処理されます。

家事費とは?
所得税法上、必要経費と認められない費用を指します。
具体的には、生活費や個人の納税といった、収入を得る目的ではない費用が該当します。
参考 [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)家事費とは

例えば、自宅を考えてみましょう。

通常、自宅は収入を得るための活動に直接関係しません。

そのため、建て替えなどで自宅を取り壊す場合、建て替え後の新築目的にかかわらず、取り壊し費用が家事費として扱われます。

なお、必要経費や土地の取得価額への算入の場合と異なり、家事費は事業に関わる税法上のメリットがありません。

MEMO
自己所有の建物を解体して土地を売却する場合、取り壊し費用は建物の帳簿価額とともに譲渡費用として取り扱われます。
土地の取得価額で紹介した計算式の通り、譲渡費用が増加すると譲渡所得を抑えて節税効果を生み出します。

取り壊し費用は土地の取得価額より必要経費に算入できる方が望ましい

なお、投資や企業経営においては、将来の100万円より、現在の100万円の方が価値があると考えるのが一般的です。

以下のどちらかを自由に選択できると仮定します。

  • 今すぐに使える100万円
  • 数年後にならないと使えない100万円

ほとんどの方は、「今すぐに使える100万円」を選択するはずです。
「今すぐに使える100万円」は、すぐに新たな投資に回したり、支払利息が膨れる前に借入金の返済に充てたりできるからです。

なので、必要経費への算入は、建て替え・取り壊しを行った年に節税効果を生むので「今すぐに使える100万円」に当たります。

一方、「数年後にならないと使えない100万円」は、土地を売却する時点まで節税効果を生じない土地の取得価額への算入に相当するといえます。

そのため、建て替え工事における取り壊し費用の扱いのなかでは、必要経費とできるのが一番望ましいと考えられるのです。

建て替えにおける取り壊し費用が必要経費となる3つの条件とは

先述の通り、取り壊し費用は必要経費として計上できるのがベストです。

しかし、基本的に税務における費用の取り扱いは納税者が選択するものではないので、建物の取り壊し費用は建て替え目的などをもとに客観的に決められてしまいます。

そこで、下記のようなチェック表を用意しました。

【条件1】土地付建物の取得目的が「土地の取得」に当たらないか?
↓YESの場合
【条件2】事業用資産として取り壊し予定の建物を所有しているか?
↓YESの場合
【条件3】建て替えや取り壊しの目的が事業に関係しているか?
↓YESの場合
取り壊し費用を必要経費として計上可能

他のサイトなどでは様々な条件が並列表記されていますが、取り壊し費用の必要経費への計上可否については上表の順に沿って条件を確認していただければ判明します。

それでは、上から順に条件を確認し、取り壊し費用が必要経費に算入できるか確認してみましょう。

【条件1】土地付建物の取得目的が「土地の取得」に当たらないか?

土地付建物が「土地の取得」と見なされると、取り壊し費用を必要経費として計上できません。

「土地の取得」と見なされないためには、次のどちらかに該当する必要があります。

  • 土地付建物を取得してから約1年以内に建物の取り壊しを行わない
  • 火事・天災などのやむを得えない事由により、建物の取り壊しを行う

上記のどちらかに当てはまれば、条件1はクリアです。

しかし、どちらにも該当しない場合は「土地の取得」が目的と見なされ、取り壊し費用が土地の取得価額へ算入されます。

参考 国税庁No.5401 土地とともに取得した建物を取り壊した場合の土地の取得価額

【条件2】事業用資産として取り壊し予定の建物を所有しているか?

取り壊し予定の建物が自社ビルや賃貸アパート等の事業用資産に該当すれば、条件2はクリアです。

事業用資産とは?
収入を得る目的で所有している資産、といった意味です。
ただし、収入の発生に関して直接貢献していない、必要とはいえない資産は事業用資産には含まれません。

注意すべきは、事業を止めてから建物を長期間放置した事業用資産については、非事業用資産に転用されていたと見なされる点です。

非事業用資産と見なされると、建て替え工事の取り壊し費用が家事費として扱われるので要注意です。

参考 関田和弘税理士事務所個人が建物を解体した場合。建物取壊し費用の税務上の取扱いまとめ

【条件3】建て替えや取り壊しの目的が事業に関係しているか?

建て替えや取り壊しが次のケースのいずれかに当てはまれば、条件3もクリアです。

  • 事業を継続・展開するために建て替える場合(建て替え後も事業用資産として使用)
  • 通常の修繕程度では建物の維持が困難になった場合
  • 賃貸物件において、事業を継続すると損失が発生や拡大する懸念がある場合

建て替え後も事業用資産として新築物件を使用する場合は、必要経費の対象条件に当てはまります。

また、建て替え後に新築物件を事業用資産として使用しない場合でも、取り壊し自体が事業の一環として見なされれば対象条件を満たしたと考えられます。

具体的には、建物の老朽化が進行してしまった場合や、賃貸アパートの空室が増加して損失が拡大しそうな場合などが該当します。

紹介した条件1~3をすべて満たす場合、取り壊し費用は必要経費として認められます。

参考 関田和弘税理士事務所個人が建物を解体した場合。建物取壊し費用の税務上の取扱いまとめ

まとめ

今回は、建て替え工事に伴う取り壊し費用の扱いについて、必要経費として計上するための3条件と併せて解説しました。

建て替えの取り壊し費用は、必要経費・土地の取得価額・家事費のいずれかとして扱われます。

節税効果が早期に生じるほど投資や事業展開のスピードが上がりやすくなるので、取り壊し費用は土地の取得価額へ算入するより必要経費として計上するのが望ましいといえます。

ですが、必要経費として認められるかどうかは客観的に判断されます。
なので、建て替え工事を検討する際は、取り壊し費用そのものを安く抑えるのが最良の手段です。

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ですから、建て替えの取り壊し費用は必要経費、少なくとも土地の取得価額には算入したいところです。

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