この記事では、神奈川県横浜市西区で実際に行われた解体工事の事例をもとに、解体工事にかかる費用の内訳や詳細をご紹介します。
なお、横浜市西区の解体費用相場や、費用を安く抑えるポイントについても触れていますので、ぜひ参考になさってください。
横浜市西区での解体工事の見積り結果
ご紹介するのは、横浜市西区で築70~80年の木造2階建て家屋を撤去した際の見積書です。まずは簡単な家屋のデータと総工事費をご覧ください。
建物の種類 | 木造住宅 |
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坪数 | 18.5坪 |
構造 | 2階建て |
解体工事費総額(税込) | 113万4,000円 |
白黒写真しかなく、見にくいのですが、以下が実際の家屋写真です。奥まった住宅地にあるお家でした。
実際の見積書
名称 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
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1.仮設工事 | ||||
単管パイプ養生シート | 150 | ㎡ | 800 | 120,000 |
重機回送(ミニ共) | 2 | 回 | 15,000 | 30,000 |
2.解体工事 | ||||
木造2階建物解体 発生材処分共 | 18.5 | 坪 | 34,000 | 629,000 |
屋根石綿含有物解体処分(LV3)2重梱包 | 40 | ㎡ | 2,500 | 100,000 |
重機搬入の為一部手壊し割増 | 1 | 式 | 80,000 | |
バルコニー撤去処分 | 1 | ヶ所 | 20,000 | |
物置撤去処分(サービス) | 1 | 個 | ||
土間コンクリート 発生材処分共 | 14 | ㎡ | 2,500 | 35,000 |
残置物撤去処分 | 1 | 式 | 150,000 | |
3.諸経費および現場管理費 | 1 | 式 | 36,000 | |
【合計】 | 1,200,000 | |||
消費税(8%) | 96,000 | |||
【工事費総額】 | 1,296,000 |
解体工事の見積書には決まった書式がないため、解体業者さんごとに見積書の書き方は異なります。まずは上記の見積書をもとに、解体費用の内訳を見てみましょう。解体工事には主に以下のような費用がかかります。
- 仮設工事費(白)
- 建物本体の解体工事費(赤)
- 付帯工事費(青)
- 諸経費(緑)
解体工事中に発生する騒音や埃を辺りに漏らさないよう、解体現場をシートで囲って養生するための費用です。
上記の見積書では「単管パイプ養生シート」の項目にあたります。
家屋本体を撤去し、発生した廃材を処分するための費用です。
上記の見積書では「木造2階建物解体 発生材処分共」の項目にあたります。
家屋本体以外に取り除くものがある場合にかかる費用です。バルコニーや門扉、駐車スペースのコンクリート床などの撤去も付帯工事に分類されます。
上記の見積書では、青で色付けしてある項目が付帯工事です。「残置物撤去処分」とは、室内に残る不用品の撤去にかかる費用です。
解体工事をする際に必要な届出書類の作成や、現場で重機を使用するためにかかる費用(重機回送費)、近隣の挨拶まわりにかかる費用などは、まとめて諸経費に分類されます。
上記の見積書では、工事の準備段階でかかる重機回送費を「1.仮設工事」と並べて記されています。
項目別にいくらかかっているか足し合わせてみると、以下の金額になります。
建物本体の解体工事費・・62万9,000円
付帯工事費・・・・・・・30万5,000円
諸経費・・・・・・・・・14万6,000円
なお、坪単価×坪数で予想できる金額は、建物本体の解体工事費にあたります。解体工事には坪単価で予想できる金額以外にも、いろいろな費用がかかりますね。
石綿(アスベスト)は解体撤去費が別途でかかる
見積書に「屋根石綿含有物解体処分」とありますが、「石綿含有物」とはアスベストを含んだ建材を意味しています。アスベストは2006年に使用が全面禁止になりましたが、それ以前は一般住宅にも屋根材や壁材としてよく使われていました。
アスベスト含有建材は、粉塵が飛び散らないよう慎重に解体し、他の建材とは分けられ特別な処理をする必要があるため、費用が別途でかかります。
アスベストの「レベル」とは?アスベストの撤去費用はどれくらい?
「手壊し解体」は割増料金がかかる
本事例の現場前は、道幅が2.5mほどと非常に狭く、はじめから重機を使うと道を塞いでしまうため、重機が入れるくらいまで人の手で解体(手壊し解体)されました。
手壊し解体は重機解体に比べて手間と時間がかかるため、見積書にあるように割増料金がかかります。また、業者さんによっては「建物本体の解体工事費」の坪単価を上げて、割増分を見積る場合もあります。
解体中の写真です。小型の重機で解体され、右手に見えるトラックに廃材を積んでいきました。
なお、解体工事費の詳細については以下の記事でも解説していますので、よろしければご覧ください。
一戸建てを更地にする費用はどれくらい?実際の工事金額もご紹介!
横浜市西区の解体費用相場
横浜市西区の坪単価相場は3.5万円ほど(木造30~39坪の平均)です。神奈川県内ではかなり高く、東京都23区とほぼ同じくらいの相場です。仮に30坪の木造家屋を撤去する場合、3.5万円×30坪=105万円が家屋本体の工事にかかると予想される金額です。そのため、工事費総額は150~230万円ほど見ておくとよいでしょう。
坪単価相場 | 3.5万円 |
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なお以下の記事では、坪数ごと、建物の構造ごとに坪単価をご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

横浜市西区で工事費用を抑えるために
本事例のお客様は、当協会を通して全部で3社の解体業者さんに見積依頼されました。3社の工事費総額を見比べてみましょう。
B社:129万6,000円(本事例の工事を請け負った業者さん)
C社:173万8,800円
A社の見積書
お客様からのご要望により、残置物(室内外に残る不用品)の撤去費用が別途で見積られています。A社の残置物撤去費用は、B社の倍ですね。
C社の見積書
C社の見積書はこの他に詳細な内訳書が付いていました。今回は割愛しますが、建物本体の撤去工事費を「内装・屋根材撤去」「2階部・1階一部手壊し」「重機解体」と見積るなど、全体的にとても詳細に見積られていました。
なお、A社・B社とは違い、「産業廃棄物処分」の費用が42万円以上別途で見積られていますね。廃材の処理方法や、廃材を持ち込む処理施設などは業者さんごとに違うため、このように処理費用に大きな差が出ることがあります。
以上のように、同じ建物を見積っても解体業者さんごとに工事金額は大きく異なる場合があります。解体工事をする際は必ず相見積り(複数の業者さんから見積りを出してもらうこと)を取り、工事内容や金額をじっくりと見比べましょう。
横浜市内で行われたその他の解体事例
最後に、横浜市内で行われた解体工事の事例をいくつかご紹介します。
相見積りで50万円以上安く解体
横浜市港北区にて、お庭に小さな池や樹木がある家屋を撤去した事例です。相見積りを取り、最終的に上でご紹介した事例と同じ業者さんに工事を依頼されました。
構造 | 木造2階建て |
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坪数 | 39.5坪 |
費用総額 | 189万円 |

廃材の積込みに別途料金
室内残置物の撤去に25万円、廃材の「積込み手間」料金に9万円ほどかかっている事例です。廃材を積むトラックが解体現場のすぐ近くに停められないと、廃材を運ぶ手間が増え、割増料金がかかる場合があります。
構造 | 木造平屋建て |
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坪数 | 15.5坪 |
費用総額 | 126万2,520円 |

まとめ
建物の解体工事には意外にもまとまった費用がかかりますね。少しでも安く解体するためには、必ず相見積りを取り、工事内容や金額をじっくりと見比べ、依頼する解体業者さんを決定しましょう。
なお、私たちあんしん解体業者認定協会は、全国の優良業者さんと家屋の取り壊しをお考えの方を繋ぐサービス、解体無料見積ガイドを運営しております。
西区内で解体工事をお考えでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。地域専任スタッフがお家や周辺環境の状況を伺った上で、お客様のご要望にぴったりの業者さんを選び、ご紹介いたします。