この記事では、宮城県仙台市青葉区で実際に行われた、木造平屋建て建物と倉庫の解体事例をご紹介します。実際の家屋写真や見積書などを見ながら、工事には何にどんな費用がかかるのかチェックしてみましょう。
また、坪単価の考え方や、工事費を安く抑えるためのポイントにも触れていますので、ぜひ参考になさってください。
仙台市青葉区で行われた実際の解体工事
ご紹介する事例は、青葉区内の小高い山林に位置する建物の解体工事です。まずは建物のざっくりとしたデータをご覧ください。
建物の構造 | 坪数 |
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木造平屋建て家屋 | 16.3坪 |
木造倉庫 | 1.5坪 |
費用総額:64万3,140円 |
以下が実際の建物写真です。トタン屋根の小さなお家で、増築した部分もありました。
工種 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額 |
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住居建物解体工事 | 坪 | 15.5 | 27,000 | 418,500 |
増築部分 | 坪 | 0.8 | 25,000 | 20,000 |
物置小屋 | 坪 | 1.5 | 18,000 | 27,000 |
解体建物までの進入路構築用鉄板養生費 | 台 | 2 | 25,000 | 50,000 |
冷蔵庫、洗濯機リサイクル券 | 1 | 10,000 | 10,000 | |
解体機輸送費 | 台 | 2 | 35,000 | 70,000 |
残置物処分(タンス) | 1 | 0 | ||
直接工事費 | 595,500 | |||
消費税等相当額 | 47,640 | |||
工事費総額 | 643,140円 |
本事例のお客様は埼玉県にお住まいでした。当協会にお問い合わせされたとき、撤去予定のお家は空き家の状態で、室内には冷蔵庫と洗濯機、タンスが1個だけしか残っていませんでした。以下で、見積書のいくつかの項目について詳しく見ていきましょう。
「解体建物までの進入路構築用鉄板養生費」
山道やお家の敷地内を重機やトラックが通ると、重みで道路にひび割れがおき、その影響で水道管などを傷つけてしまう恐れがあります。本事例では、道路の両端や敷地内が舗装されていなかったため、現場付近の道に鉄板を敷いて、路面を保護(養生)しました。
「解体建物までの進入路構築用鉄板養生費」にかかった、25,000円×2=5万円は、道を養生するための鉄板を、4トントラック(2台)で運ぶのにかかった費用です。
お家周辺の道です。
「解体機輸送費」
解体工事で使用するショベルカーなどの重機は、公道を自走できません。そのため、トラックの荷台に乗せて解体現場まで運びます。また、工事完了後には重機もその場から引き揚げます。
以上のように、重機を現場まで運び、現場から引き揚げるのにかかる費用が「解体機輸送費」です。片道35,000円なので、全部で7万円かかっていますね。なお、「解体機輸送費」はよく重機回送費とも呼ばれています。
「残置物」
「残置物」は室内外に残る不用品を指しています。本事例では、冷蔵庫と洗濯機に家電リサイクル料金の1万円がかかりましたが、タンスは業者さんがサービスで撤去してくれたため、費用は0円でした。ちなみに、室内残置物がたくさんあると30万円以上の撤去費がかかるケースもあります。
解体前の片付け費用はどれくらい?捨てておくといいものまでご紹介!
解体工事費は予想できる?
お家の撤去工事費は、建物のみの工事費であれば、地域の坪単価と建物の坪数(延床面積)で、だいたいの金額が予想できます。
坪単価×坪数=建物のみの解体費(目安)
例えば、木造の建物(30坪)を解体する場合、宮城県の坪単価は27,000円~29,000円ほどが相場です。仮に木造32坪の建物を解体するなら、28,000円×32坪=89万6,000円ほどは建物を解体するだけでかかると予想できます。
ただし、坪単価で予想できる金額はまだ解体工事費の一部で、建物に残置物が多く残されていたり、建物以外に撤去するものがたくさんあったりすると、別途で費用がかかります。
解体工事費を内訳で示すと、仮設工事費・建物のみの解体費・付帯工事費・諸経費にそれぞれ分類できます。
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仮設工事費
解体工事でよく行われる仮設工事は、建物のまわりをシートで囲って、騒音や埃が周囲に漏れないようにするためのシート養生です。また、本事例のような道の養生も仮設工事に分類されます。
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建物のみの解体費
建物本体を解体・撤去するのにかかる費用です。坪単価×坪数で予想できるのはこの金額です。
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付帯工事費
建物以外に撤去するものがある場合にかかる費用です。例えば、門扉やブロック塀、庭石・庭木、駐車スペースのコンクリート床、さらにはバルコニーや残置物の撤去なども付帯工事に分類され、建物の解体費とは別途で費用がかかります。
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諸経費
解体工事を行う上で必要な届出書類の作成費や、重機回送費、ご近所への挨拶まわりで持参する品代は諸経費に分類されます。
以下の記事では、上記のような費用がそれぞれどれくらいかかるのか詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
一戸建てを更地にする費用はどれくらい?実際の工事金額もご紹介!
仙台市で行われたその他の解体工事
本事例の他に、仙台市内で行われた解体工事の事例を見てみましょう。
築30年モルタル壁の家屋を撤去
土地売却のため、貸家を取り壊されたお客様の体験談です。不動産屋さんの見積りよりも20万円安く解体できました。特に基礎が分厚く、撤去が大変だったそうです。
構造 | 木造2階建て |
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坪数 | 45坪 |
総工事費 | 140万円 |
【宮城県仙台市の解体工事】不動産屋の見積もりよりも20万円以上も安くなりました
長く悩んだ築40年ほどの家屋取り壊し
お客様がお兄様と共同名義でお持ちだった貸家を撤去された事例です。安く工事できるタイミングがあり、当初の見積りより10万円安く解体できました。
構造 | 木造2階建て |
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坪数 | 48坪 |
総工事費 | 136万円 |
【宮城県仙台市】兄と共同名義の土地にあった建物を解体しました
仙台市青葉区で工事費用を抑えるために
最後に、解体費用を安く抑えるためのポイントを見ていきましょう。
不用品はなるべく捨てておく
室内外に残る不用品は、解体業者さんが処分しようとすると産業廃棄物の扱いになってしまい、処分費は高額です。できれば解体工事前に処分してしまいましょう。戸棚やタンスなど、大型家具の処分が大変であれば、中身を捨てておくだけでもだいぶ違います。
特に捨てておくとよいもの
- 衣類や布団などの布製品
- 食器や花瓶などの陶器類(処理費用が特に高いため)
- 書籍・雑誌
- 調味料などの液体物(処分に手間がかかるため)
解体工事の見積りは数社から取る
本事例のお客様は、当協会を通じて全部で3社の解体業者さんに見積り依頼されました。本事例の施工業者さんをA社として、他B社、C社の見積書も見てみましょう。
B社の見積書
B社の見積金額は100万円を越えています。「解体工事」には39万円しかかかっておらず、A社より安く思えますが、産業廃棄物の運搬処分に35万円近くかかっていますね。
また、A社は仮設工事費を「解体建物までの進入路構築用鉄板養生費」しか見積っていませんでしたが、B社は「仮囲い養生」「散水養生」なども見積っています。なお、A社は以下のようなお手紙をお客様宛に送っています。
A社は現地調査にて、現場をシートで囲う養生は必要ないと判断しましたが、工事中に必要だと感じた場合はサービスでシートを掛けて工事を行うとお客様に伝えています。そのため、B社のような「仮囲い養生」「散水養生」の費用はかかりませんでした。
C社の見積書
C社は解体作業の項目や処分費の項目をとても細かく見積っていますね。当協会の担当スタッフも、本事例の工事費はC社くらいの金額(73万円ほど)になるだろうと予想していました。
ただ、A社はこの時期それほど忙しくなく、またお客様がとても素敵な方だったため、なんとか費用を抑えて工事できないかと努力され、65万円弱で請けられたそうです。
工事完了間際の写真です。
以上のように、解体工事の見積金額は同じ建物を見積っても、解体業者さんごとに異なります。解体費用を安く抑えるためには、数社から見積りを取り、見積書をじっくりと見比べるひと手間がとても重要です。
見積書は金額だけでなく、工事内容もしっかりと確認しましょう。金額は安くても工事内容に漏れがあれば、あとで追加料金が発生するケースもあります。もし、項目に漏れがある場合は、解体業者さんに確認してみましょう。その応対によって信頼できる業者さんかどうか見極めるチャンスにもなります。
まとめ
解体工事は一生に一度、あるかないかの経験ですよね。数社の解体業者さんを見比べて、一番いいと思える業者さんに納得の工事をしてもらいましょう。なお、私たちあんしん解体業者認定協会は、全国の優良解体業者さんとお客様とを繋ぐサービス、「解体無料見積ガイド」を運営しております。
お問い合わせいただくと、地域専任スタッフがお家や周辺環境の状況をじっくりと伺った上で、お客様のご要望にぴったりの工事業者さんを数社選び、紹介いたします。青葉区内で解体工事をお考えでしたらぜひ、お気軽にご連絡くださいね。