相続した家の活用方法とそのメリット・デメリット

家の相続

親から相続した家、最近、親から受け継いだ家に頭を悩ませる子どもたちが増えているそうです。相続した家はどのように活用されることが多いのでしょうか。また、相続した実家、住む予定等がない場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。

子供の誰かが住む、賃貸にして家賃収入を得る、売却してお金にかえるなどが考えられます。多くの場合、売却処分や、賃貸物件として貸すことが多いようです。ついついいろいろな手続のことを考えると躊躇したり、大きな決断をする事を後回しにしがちなケースが多いようですが、早め早めの行動することが大切です。

また、相続の場合には、相続登記(相続人同士での相続登記の話し合いも必要になります。実家などは、色々と思い入れがあるものですが、家は人が住まないと急激に劣化していきます。最近では、空き家となった家が近所に迷惑をかけることも問題化されており、所有者責任という言葉も耳にすることが多くなってきました。

実際に、空き家のために所有者責任が生じることもあります。現実となってしまう前に、対処方法を検討していきましょう。また、それぞれのメリット、デメリットを考えてみたいと思います。

相続した家の活用方法

子どもが住む

親御さんの近くに住んでいて、子どもさんが持ち家を持っていない場合は、とてもよい活用方法といえます。今までお子さんが賃貸等で借りていた家賃が軽減されるメリットは大きいでしょう。お子さんの若い世代が住むとなると、ある程度建ててから年数が経っていると水回りなどはリフォームが必要になるかもしれませんが、家を購入するよりも価格的には断然安くなるはずです。

親御さんが地方に住んでいて、子どもさんが都心部で働いているというケースが増えています。近隣の都市部に住んでいるような通勤圏内であれば、若干通勤時間が長くなっても通うことができるでしょう。しかし、通勤時間が長くなるというデメリットが出てくる可能性もあります。
子どもが住む家

賃貸にして家賃収入を得る

子どもたちが住むことが難しい場合、賃貸で家賃収入を得ることができると大きなメリットになります。しかし、賃貸で家賃収入を得るためには、立地条件や交通機関の便利さなどが大きく影響します。

一般的に駅まで徒歩数十分の所や、病院やスーパー、学校などが近い場合は、借り手が見つかる場合も多いのですが、交通の便が悪かったり、生活環境が整っていないとなると、借り手を見つけるのが難しくなってくることもあります。また、賃貸にする場合には、ある程度のリフォームが求められてくるでしょう。

賃貸物件を返すときには、経年劣化以外の壁紙や畳の交換、清掃費用が求められてきますが、新しく賃貸物件にする際にも、ほぼ同様のことが求められます。物件の年数にもよりますが、数万円から数十万円かかることもあるようです。家賃収入を得る前に、ある程度の出費がかかることも想定しておくとよいかもしれません。

売却してお金にかえる

子どもが住むことが難しい、賃貸物件にするにも厳しそうだという時には、売却してお金にかえることが考えられます。建物の価値にもよりますが、日本における物件の価値は、新築以外は極めて低くなってしまいます。ですから、持ち主の方にとっては思い入れのある家でも、他の人にとっては価値のないものと捉えられることも少なくありません。実際に更地のほうが、売却しやすいということもあります。

相続した不動産が、建物があるほうが売却しやすいのか、建物がないほうが売却しやすいのか、状況をよく見て、検討してください。建物がないほうが売却しやすい場合には、建物の解体工事が必要になってきます。解体工事業者にはいろいろなところがありますので、信頼できる解体工事業者を選ぶことが必要です。

住まなくなった家の解体工事

不動産の名義変更は必要か?

相続登記による不動産(土地や家など)の名義変更には期限はありません。しかし、名義変更を放置することにより、いろいろなデメリットや相続問題が存在します。

実際にあった例を見てみましょう。お父様が亡くなられてから10年以上名義変更をせずにそのままにしているご家族のケースです。お父様の財産を長男の方が継ぐことで相続人全員の間で話がついていました。そのため、特に相続登記もせず、遺産分割協議書も作らずに放置しておいたそうです。

しかし、相続人の間に新たな相続が発生し、その相続人である方が亡くなることもあります。このご家庭では、相続は長男の方が相続することで話がついていましたが、正式な手続きをしないまま次男の方が死亡してしまいました。このような場合、相続人である次男の配偶者の方が反対したら長男はお父様の財産を単独で相続したことをその相続人に主張することは出来なくなります。結果的に、相続問題で家族が揉めることも珍しいことではなくなってしまうのです。
このような相続争いにならないためにも、不動産の名義変更の手続きは早めにしておくことをお勧めします。戸籍収集や、遺産分割協議書の作成など面倒な手続を代行してくれる士業もたくさんいるようです。
家の相続

相続による土地名義変更の手順

相続による土地建物の名義変更には、相続登記を行う必要があります。相続登記は、まず相続人全員で、誰がどの不動産をもらうか話し合いをして決めます。そして、亡くなった方の不動産の名義を変えるには、 相続人全員で話し合いをして誰の名義にするかを決めます。このように相続人で話し合うことを「遺産分割協議」といいます。

相続によって土地建物の名義を変えるには、 まず「遺産分割協議」をすることになります。遺産分割協議といっても、物理的に相続人全員が一箇所に集まって話し合いをしなければならないということはありません。

相続人全員の意志が確認できれば大丈夫ですから、手紙、電話、Eメールなどでも行なうことができます。ですから、相続人の一人がつくった遺産分割協議の案を、 他の相続人がそれぞれ了解する、という形でも遺産分割協議を成立させることができます。

相続人の意志を確認し、遺産分割協議が成立したら 「遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)」 を作成し、相続人全員が署名して実印を押します。遺産分割協議書の書き方に特別な決まりは内容ですが、2つの点を注意しておくとよいでしょう。

まず、「相続人全員で協議した」という文言を遺産分割協議書にいれること、そして、家、土地などの不動産について記載する場合は「登記事項証明書」を書き写すことです。

これらの2つの点で何らの間違いをしていると、 せっかく遺産分割協議書を作っても法務局に無効と判断されてしまい、 不動産の名義書換えができなくなる場合がありますので、気をつけてください。

注意したいのは、遺産分割協議書を作り直すことになると、不動産をもらわない相続人が不快な思いをして、 また話しがこじれることもあるようです。スムーズな手続きで済むように、遺産分割協議書は、ミスなく作成するようにしましょう。相続登記に必要な書類については、改めて紹介していきたいと思います。

相続の書類

まとめ

相続した家の活用方法とそのメリット・デメリットについて見てきました。相続した家は、子供の誰かが住む、賃貸にして家賃収入を得る、売却してお金にかえるなどの方法が考えられます。多くの場合、売却処分や、賃貸物件として貸すことが多いようです。

いろいろな手続のことを考えると躊躇したり、大きな決断をする事を後回しにしがちなケースが多いようですが、家は人が住まないと急激に劣化していきます。最近では、空き家となった家が近所に迷惑をかけることも問題化されており、所有者責任という言葉も耳にすることが多くなってきました。

相続登記(相続人同士での相続登記の話し合い)も必要になります。実家などは、色々と思い入れがあるものですが、早め早めに決定し、行動することが大切です。

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