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相続にも累進課税が適用?その疑問、ひょっとして「相続時精算課税制度」では…

相続において資産価値の上昇と共に「累進課税」のような課税があるのでは?と心配されている方いませんか?ずばり、相続に「累進課税」の適用というのは存在しません。しかし、資産価値が上がれば、当然相続税が高くなります。

そのような思い込みをされていた方も、資産形成に変化がおきたときに適用される税制が存在します。それが相続時精算課税制度です。

相続時精算課税制度は贈与税が2,500万円も非課税になる制度です。通常の「生前贈与」では、年間110万円までしか非課税枠がありませんが、この制度では実に25倍もの税額が免除されるというのが大きな魅力です。

一見すると得に思える制度ですが、この制度はの中身は節税が目的ではありません。むしろ、使わない方が節税になります。では、この制度に何のメリットがあるのでしょうか?その仕組みを詳しく見ていくことにしましょう。

そもそも相続時精算課税制度はどんな制度なのか?

まずは、相続時精算課税制度とはどういった制度なのか整理しておきましょう。

この制度は「生前贈与をするときは2,500万円までは贈与税を非課税になりますが、贈与人が亡くなった場合には、遺産だけでなく、過去に生前贈与した財産も一緒に、相続税を課税します」という制度です。

わかりづらいと思いますので、事例を使って解説します。

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例えば、平成25年の時点で1億円持っているAさんがいます。このAさんが、相続時精算課税制度を使って、子供に2,500万円を贈与しました。この時に贈与税は1円もかかりません。

贈与をした後、Aさんの手元には、財産がいくら残っているのでしょうか?1円足りとも課税されていませんので、7,500万円です。1億円から贈与した2,500万円を引けば、7,500万円となります。

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その4年後、平成29年にAさんは亡くなります。この時に、Aさんの手元に残っていた遺産額は7,500万円と変わりません。親族は相続税はこの7,500万円に課せられのと思っていたのですが…

ここで、相続時精算課税制度の問題が発生します。相続時精算課税制度を使って生前贈与した財産は2,500万円までは贈与税が非課税になりましたが、Aさんが亡くなった今、手元の財産だけではなく、この相続時精算課税制度を使って贈与した財産も含めて相続税を計算しなければいけないのです。

つまり、当初の1億円に対して相続税が課税されるというわけです。ポイントは2,500万まで非課税なのではなく、最終的には相続した金額全てに相続税が課税されることを覚えておいて下さい!

最大の注意点は、自動継続であることです

相続時精算課税制度の一番恐いところは、一度この制度を選択すると永久にこの制度が継続される点にあります。ここも難しいポイントですので、事例を使って解説します。

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先ほどの1億円の資産があったAさん。平成25年に相続時精算課税制度を使って1,000万円を贈与したとします。2,500万円の非課税枠に収まりますので、当然この時、贈与税は課税されません。その後、Aさんは平成26年に、再び1,000万円を贈与しました。

このケースでは、どのような課税が予想されるのでしょうか?
➡この1,000万円も贈与税が非課税とされます。

考え方としては、平成25年に贈与をした1,000万円と、平成26年に贈与した1,000万円を合計した2,000万円という金額は、相続時精算課税制度の非課税枠2,500万円に収まりますので、贈与税は非課税とされるわけです。

この相続時精算課税制度における2,500万円の非課税枠の考え方は、1度きりではなく、一生の累計額で使える金額なのです。確かに贈与税は非課税となりますが、Aさんが亡くなった時には、平成25年に贈与した1,000万円も、平成26年に贈与した1,000万円にも相続税が課税されることになります。

110万の非課税枠が一生使えなくなる

相続時精算課税制度は一度使うと、自動継続で取消は一切できません。よく起きる事例として、相続時精算課税制度を使って贈与をしたあとに、通常の年間110万円の非課税枠を使って贈与をしてしまうケースです。

相続時精算課税制度を使って1,000万円を贈与をした後に、3年間(110万×3)、110万円づつ贈与をしたとします。この場合、Aさんが亡くなった時点では、手元の財産に1,330万円の財産を加えて相続税を計算しなければいけないことになります。

このことから、一度、相続時精算課税制度を使った場合には、二度と110万円の非課税枠を使うことができなくなってしまいます。通常の生前贈与は110万円まで非課税ですが、故人の財産を減らすことができるので、将来の相続税を減らすことができるのです。

一方で相続時精算課税制度は、贈与税は2,500万円まで非課税ですが、結局、全て手元の財産に足し戻して相続税を計算するので、将来の相続税を減らす効果は一切ありません。このことから、税金の負担を減らしたいのであれば、相続時精算課税制度を使ってしまうと、二度と110万の非課税枠が使えないことになります。

非課税枠が2,500万円を超えるどうなるのか?

先程のAさんが、1,500万円、翌年も1,500万円贈与したとします。合計3,000万円となりますので、非課税となる2,500万円を超えることになります。

この場合には、2,500万円を超えた500万円に対して一律20%の贈与税が課税されます。つまり100万円の贈与税を払わなければいけないのです。この贈与税100万円については、相続が起きた時に相続税から控除されます。

このように、一度、相続時精算課税制度を使った場合には、その後、贈与を受ける都度、必ず贈与税の申告書を税務署へ提出しなければいけないのです。これは結構大変です。

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ちょっと待ってください!「なんだ、相続時精算課税制度まったく使えないじゃないか!!」と思っている方、良い側面もあるのです!

例えば、3,500万円の財産を持っているBさんがいます。このBさんの御子息が自宅を購入することになったので、頭金として1,000万円を贈与したいと考えました。しかし、1,000万円も贈与した場合には、177万円も贈与税がかかってしまいます。せっかく資金の足しにしてもらいのに、税金でこれだけ引かれてしまっては贈与も断念するしかありません…

有効活用もちゃんとある!こんなときに相続時精算課税を使う

このBさんが相続時精算課税制度を使えば、1,000万円を非課税で贈与してあげることができます。贈与をした後のBさんの財産額は3,500万円から1,000万円を引いた2,500万円です。

将来、このBさんが亡くなってしまった時には、手元の財産2,500万円に、贈与をした1,000万円を加算した3,500万円で相続税を計算することになりますが、3,500万円は相続税の基礎控除の金額を下回ります。

※基礎控除のことを詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください⇩
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つまり相続税がかからないのです。このようなケースでは、相続時精算課税制度は非常に良い制度になるというわけです!相続税は、亡くなった時の遺産額が、基礎控除と呼ばれる金額を超えた人にだけかかる税金です。相続人が配偶者と子供1人であれば、基礎控除の金額は4,200万円(3,000万円+600万円×2人)。

配偶者と子供2人の場合には4,800万円となり、相続人が1人増えるごとに600万円ずつ増えていきます。将来的に、財産額がこの基礎控除を下回る見込みの方は、相続時精算課税制度は効果を発揮します。

しかし、そうではない人はこの制度を使うと節税にはなりませんので、「節税にならなくてもいいから早く贈与したい!」という人以外は使わない方がよいでしょう。相続時精算課税は、将来的に相続税のかからない人が使えば効果抜群ですが、将来的に相続税がかかる人に使った場合には、むしろ逆効果となります。

まとめ

相続時精算課税制度は贈与をする時には非課税ですが、相続が起きた時に非課税にした分を精算して課税する制度です。

この制度は節税をしたい人のための制度ではなく、将来的に相続税がかかる心配はないが、生前中に110万円を超える生前贈与をしたい人のための制度です。