設備の解体工事や撤去工事の費用と流れについて

特殊な設備を伴う工場や施設の解体では、設備の取り外しに手間が掛かったり、廃材や土壌を無害化するための洗浄作業が必要になったりするケースがあります。

そのため、一般的な業者さんでは対応が難しく、通常の解体に比べて費用が割高になる傾向が強いです。

この記事では、特殊な設備の解体事例と工事の流れをご紹介していきます。

設備の解体工事の費用例

設備の解体に伴う費用は状況や規模によって様々です。

特に、設備に使われている建材や規模、付帯する作業工程によっても価格が大きく異なるので、見積りには現地調査が欠かせません

では、実際に当協会を利用して設備の解体をされた方の事例を見てみましょう。

重油タンクの撤去に伴う解体例

最初にご紹介するのは、愛知県にある金属等を加工する工場で行われた重油タンクの撤去に伴う解体例です。

この施設は地下に重油タンクがあり、タンクの撤去に伴う残油の処理や中和、洗浄といった特殊な作業が必要でした。

このような現場では現地調査の段階で必要な作業を把握し、適切な項目で見積りを出してもらえるかどうかが重要です。

なお、見積りに参加したのは2社、それぞれA社138万円、B社367万4,000円と金額に倍以上の差がありました。

重油タンクの撤去に伴う解体
A社 138万円
B社 367万4,000円

A社の見積り

項目名 数量 単位 単価 金額
1.解体工事
埋設タンク撤去処分 1 150,000 150,000
コンクリート斫り撤去処分 10 t 30,000 300,000
分離槽撤去処分 1 50,000 50,000
鉄管撤去処分 1 80,000 80,000
良質土埋戻し工事 35 2,800 98,000
諸経費 1 70,000 70,000
2.残油抜き及び中和洗浄

適用:地下タンク(12.2KL)

バキュームダンバー 1 88,000 88,000
タンクローリーチャーター代 1 66,000 66,000
中和剤 1 13,200 13,200
作業人件費 4 24,200 96,800
含油廃水処理費

適用:実数精算(中和洗浄時)

1 82,500 82,500
含油スラッジ処理費

適用:実数精算

0.5 44,000 22,000
安全作業対策費

適用:酸素濃度計・送風機他

1 33,000 33,000
諸経費

適用:養生シート・ウエス他

1 33,000 33,000
3.現場管理費 1 100,000 100,000
工事合計 1,282,500
消費税(8%) 102,600
値引き -5,100
見積金額 1,380,000

B社の見積り

項目名 数量 単位 単価 金額
1.仮説工事
外部足場 1 385,000
養生費 1 50,000
重機回送、レッカー費 1 300,000
735,000
2.集塵機撤去
集塵機解体撤去処分 1 150,000
同上基礎解体撤去処分 1 80,000
コンクリート土間補修 1 10,000
配管撤去後外壁補修 1 20,000
小計 260,000
3.ホッパー撤去
ホッパー解体撤去処分 1 1,250,000
同上基礎解体撤去処分 1 150,000
コンクリート 1 20,000
配管撤去後外壁補修 1 20,000
小計 1,440,000
4.地下重油タンク撤去
残油処理、中和処理 1 150,000
タンク上部コンクリート土間解体撤去 14.9 5,000 74,500
10KL地下タンク解体撤去

ベース残地

1 100,000
鋤取り土移動 1 60,000
ポンプ解体撤去 1 35,000
分離槽解体撤去

清掃共

1 80,000
油配管撤去処分

60m

1 60,000
埋め戻し 14.5 4,000 58,000
地盤改良 2 t 20,000 40,000
CB復旧 1 30,000
小計 687,500
諸経費 293,515
値引き -76,015
消費税 334,000
合計 3,674,000

業者の決定と経緯

最終的には価格を抑えられたA社に決まりましたが当協会の担当者によると、「A社は実績が豊富で適正な価格で見積りを出せたのが決め手になったのではないか」と話しています。

実際、工事は4名の作業員で行われましたが、特殊な工程もあり作業者の安全確保のため酸素濃度計や送風機といった機材が必要で、高度な技術を要する現場でした。

どの業者さんもなるべく価格を抑えた見積りを出す努力をされていますが、予測できないリスクがある場合は、追加の作業分を見越して見積りの金額を高く設定するケースがあります。

そのため、金額差がある時に、高いから必ずしも良い工事をしてくれるとは限りません。業者さんを比較する際は、見積書の項目を確認するのはもちろん、これまでの経験や実績なども考慮できると良いでしょう。

なお、重油タンクの撤去後には新しく用意した35m³の土で埋め戻しの作業が行われ、費用も見積り通りでトラブルなく工事は終了しました。

工場内に付属するダクトの解体例

続いてご紹介するのは、埼玉県で行われた施設に付属するサイロとダクトを解体した事例です。こちらの設備は、高さ約10mのサイロと上部に設置されたダクトの両方を撤去する工事でした。

また、効率よく安全に取り壊すには、ラフタークレーンを用いた高所作業が必要だったこともあり、現地調査の段階で費用が割高になることが予想されていました。

なお、今回の見積りに参加したのは全部で3社、それぞれA社70万円、B社85万円、C社45万円と、最大で40万円もの金額差がありました。

工場内に付属するダクトの解体
A社 70万円
B社 85万2,500円
C社 45万円1,000円

A社の見積り

項目名 数量 単位 単価 金額
1.サイロ解体工事
ラフターチャーター 1 60,000 60,000
煙突部手作業切断撤去 3 20,000 60,000
サイロ部生かし取り 1 50,000 50,000
重量鉄骨部解体 25 6,000 150,000
基礎解体 25 3,000 75,000
外周付帯物撤去残材物処分 3 20,000 60,000
重機改装 1 30,000 30,000
諸経費

機材損費・酸素他

1 50,000 50,000
発生鉄屑買い取り 1 -50,000 -50,000
小計 485,000
2.工場内ダクト撤去工事
ダクト撤去 57 m 1,500 85,500
高所作業車 1 60,000 60,000
諸経費 1 10,000 10,000
小計 155,500
640,500
消費税 64,050
値引き 4,550
合計 700,000

B社の見積り

項目名 数量 単位 単価 金額
工場設備解体工事(全体解体)
1.上部円柱サイロ解体工事 1 80,000 80,000
連結ダクト撤去工事 1 40,000 40,000
中間、下部鉄骨骨組解体工事

土間基礎残し

7 30,000 210,000
2.養生シート(3方面) 200 1,000 200,000
3.使用重機、道具、アタッチメント
16tレッカー車使用代金 1 70,000 70,000
スカイリフト使用 1 30,000 30,000
鉄骨カッター(レンタル) 2 35,000 70,000
酸素、ガス使用代金 1 45,000 45,000
4.その他
廃プラ処分代金 3 15,000 45,000
鉄骨運搬費用 5 15,000 75,000
安全管理費 1 30,000 30,000
重機回送代金 1 往復 40,000 40,000
諸経費 1 50,000 50,000
有価物値引き 7 t -30,000 -210,000
小計 775,000
消費税 852,500
合計 852,500

C社の見積り

項目名 数量 単位 単価 金額
【仮設工事】
足場設置

ビケ足場(西側部分)

1 30,000 30,000
工場内ダクト撤去処分 39 m 2,200 85,800
【解体工事】
サイロ全撤去処分

基礎残し

1 220,000 220,000
ダクト撤去処分 1 18,000 18,000
【共通仮設費】
ラフター(10tクラス) 1 45,000 45,000
高所作業車(3tクラス) 2 50,000 50,000
重機回送費 1 36,000 36,000
諸経費 1 37,000 37,000
スクラップ控除及び出精値引 1 -111,800 -111,800
合計 410,000
消費税(10%) 41,000
総合計 451,000

業者の決定と経緯

最終的には、これまでに同様の設備を解体した実績が一番多かったC社に決まりました。

当協会の担当者によると、「現地調査の時点で他の会社はまだ作業の手順が明確になっておらず、見積りにも予測できない部分の人件費などが含まれていたのではないか」とのことでした。

その点、C社さんは、廃材を処分するために利用する処分場の選定にも工夫をされており、これまでの経験からすばやく適正価格での見積りを出すことができたようです。

また、後日お施主様に伺うと、C社の担当者さんは対応に慣れている様子で、現地調査や見積りの提出もスムーズだったと話してくれました。

設備の解体工事の流れ

設備の解体は、通常の建物の解体に比べて取り扱いがある業者さんが限られるので、スケジュールには余裕を持って取り組みましょう。

問い合わせ

設備の解体が決まったら、まず業者さんを探して問い合わせをします。

なお、当協会が運営する「解体無料見積ガイド」では、お問合せの内容に応じて業者さんをご紹介しているので業者さんの選定がスムーズに進められます。ぜひご利用ください。

打ち合わせ

続いて、現地調査により作業手順の確認や必要な工程の把握を行います。見積りに食い違いが発生しないよう施工範囲は事前にしっかりと伝えておきましょう。

見積り

現地調査をもとに業者さんが作成してくれた見積書を比較します。項目に漏れがないかしっかりとチェックして依頼する業者さんを決めましょう。

通常、建物の解体であれば見積書が届くまでの目安は1週間前後ですが、現場によって見積りが難しい場合は時間を要する可能性があります。

撤去工事

業者さんが決まったらいよいよ設備の解体を行います。油や薬品を使っている設備の場合は、洗浄などの工程もしっかりお願いしておきましょう。

また、トラブルを未然に防ぐためにも、必要な場所であれば挨拶回りなどは事前に済ませておきましょう。

工事後の証明書や手続き

工事が完了したら滅失登記などの届け出を行います。また、同じ敷地内に新たな設備を建てる場合は、地盤や土壌の調査が必要になるケースがあるので事前に確認しておきましょう。

まとめ

設備の解体や撤去は通常の工事に比べると注意すべき点が多く、費用も割高になる恐れがあります。業者さんの選定にも時間が掛かる場合があるので、くれぐれも余裕を持って進めましょう。

なお、お近くの業者探しでお困りの方は、当協会が運営する「解体無料見積ガイド」をご利用ください。

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