親子で抱える二世帯住宅の悩み。「リノベーション」で不満もすっきり!

リノベーションという施工方法をご存知ですか?

近年、土地の高騰・建築材料高騰といった背景から、消費者からすれば程遠い販売価格で住宅が供給されています。既存の住宅を改修し、住宅を生まれ変わらせるリノベーションは、環境保護の観点から見ても良好であり、注目を集めています。

リノベーションを考えるきっかけとして、二世帯住宅を検討するケースが増えてきています。二世帯で暮らし始めるとなると、家族間のトラブルも起こりかねません。せっかく二世帯暮らしを始めたのに、それが原因で親子関係が悪化してしまうのは避けたいところです。

そこで、リノベーション改修の利点と二世帯生活で起こりうるメリット・デメリットをまとめてみました。

二世帯住宅に改築するメリット・デメリットとは?

親子で同居を検討する場合、良いことばかりではありません。当然トラブルも発生します。

ここで感情的になり、お互いの主張ばかりをしていては話し合いは平行線のままです。

どうしても、解決案が導きだせない場合は第三者に相談に乗ってもらうなどして、中立的な意見を聞いてみましょう。

生活音やプライバシーにまつわるトラブル

トラブルとしてもっとも多いのは、プライバシー騒音の問題です。親世帯と子世帯は生活時間帯が異なる場合が多いため、互いの生活音が苦痛に感じるケースも多いようです。

上層階に住む世帯の足音がうるさい

上下階で分ける二世帯住宅の場合、親世帯が下に、子世帯が上に住むことが多いと言われています。上階からの足音や生活音は意外とストレスになるので、スリッパや椅子の引きずり音などは防音床材を使うことである程度抑え、軽減に努めましょう。

二世帯の寝室が近すぎてプライバシーがない

寝室は特にプライバシーを大切にしたい場所です。寝室を同じフロアにまとめてしまうと、ストレスが溜まってしまいます。できれば世帯ごとに階を分けて寝室を設ける方が得策といえるでしょう。

設備を供用することによるストレス

完全同居型や部分共用型の場合、水回りなどの設備を二世帯共用にすることがあります。家族の人数が多い場合はひとつだけですと不便ですし、どちらが掃除するべきかといった取り決めもトラブルのもとになります。

風呂やトイレなどの設備が同一でストレス

トイレやお風呂がひとつしかないと、朝の慌ただしい時間や来客の際に待ち時間が発生してしまい、何かと不便です。また、掃除などの分担も最初に明確に決めておかないと、お互いのフラストレーションが溜まってしまいます。予算があるならば、世帯ごとに設置を検討したいところです。

キッチンが一緒で冷蔵庫の容量が限界に!

二世帯住宅ではLDKを共用しているケースも多いようです。しかしながら、それぞれの家族の人数が多い場合は冷蔵庫のキャパシティにも限界が生じてきます。リビングは共用でもキッチンだけは別々にしたほうがいいでしょう。特に、ふたつの世帯で食の嗜好や食事する時間帯が明確に異なるようであれば、キッチンは分かれていたほうが使い勝手が良いものです。

工事費用や生活費など、費用負担にまつわるトラブル

費用面もトラブルの火種になりやすいポイントです。工事費用の負担の割合だけでなく、住み始めてからの生活費の分担についても、あらかじめ考えておかないと揉める可能性があります。

リフォームに掛かる費用の分担があいまい

両世帯で折半するのか、どちらかが多めに払うのか?リフォーム費用にまつわるトラブルも多くみられます。お金の問題は後を引くため、どのように分担するかはきっちり話し合い、早めに明確に決めておきたいところです。どちらがどの程度支払うのかによって、税金も変わってきます。

ガスや電気のメーターが同一で、使用量があいまい

二世帯のメーターが同一だと、電気やガスをどちらがどの程度使ったかが不明瞭になります。明らかに子世帯のほうが多く使っているのに光熱費の支払いは折半…などと、不満を抱く火種にもなりかねません。メーターを別々につけられるようなら、その方がお互いのためになるはずです。

プランニングにまつわるトラブル

間取りや設計のプランニングの詰めが甘いと、住み始めてからいろいろな不満が生じてくるようです。工事着工前には互いの希望をとことんまで詰めて、優先順位を明確にしておくことが重要です。

バリアフリーか否か

子世帯ではあまり必要とされない、バリアフリーのための工事。子世帯の力関係が強いとバリアフリー云々は後回しにされがちですが、親世帯に対して配慮のない設計をしたために大ケガへとつながってしまうこともあります。せめて親世帯が暮らす階やスペースだけでもバリアフリー仕様にするなど、十分に配慮したいところです。

接客スペースがない

リビングがひとつしか作れないという場合、各世帯の来客があったときに不便です。家族が暮らすリビングは共用でも構いませんが、狭くてもいいので玄関脇に接客スペースを作っておくと、急な来客にも慌てずに済みます。

いかがでしたでしょうか?

やや大げさに感じられるかもしれませんが、こうしたトラブルは実際に起こりえます。これから長くひとつ屋根の下で暮らしていく家族関係がぎくしゃくしてしまわないためにも、プランニングの段階からお互いの主張を明確にしておく必要があるでしょう。

二世帯住宅の大きさや建築費はどれくらい?

「二世帯住宅」は大きく分けて3タイプあります。設備も空間もみんなで一緒に使う完全同居、世帯ごとのプライベートな空間を確保しつつ玄関など一部を共用する一部共用、玄関も空間もすべて分ける完全分離です。

また、二世帯住宅の建築費はどれくらいの大きさの家屋にするのか、タイプによっても違ってきます。

延床面積と建築費の平均

親や子との同居ではなく、単世帯で建てた家の平均延床面積は43坪(141.9㎡)となっています。

それに比べ、親世帯と子世帯が同居する二世帯住宅の場合は57坪(188.1㎡)となっており、二世帯住宅は約1.3倍の広さです。

平均建築費を比べてみると、単世帯は2,625万円が平均。二世帯住宅は約1.4倍の3566万円です。

二世帯住宅で建築費が高くなるのはどのタイプ?

では、「完全同居」「一部共用」「完全分離」のタイプ別の特徴を見ていきましょう。

「完全分離」

平均建築費が3つのタイプのなかで最も高くなるのが完全分離タイプです。完全同居タイプと比較すると、金額面で約800万円という大きな差になります。

2軒の住宅を一体にした施工になるため、玄関も水まわり設備もそれぞれの世帯に設置され、コストが高くなってしまうのです。

「一部共用」

一部共用タイプは、玄関が1つだったり、水まわり設備を共用したりしている分、すべてが2軒分の完全分離タイプに比べれば平均建築費は低くなります。

では、どこを共用しているのでしょうか?

同居世帯と共用している部分

・玄関
1カ所にすることで内部での行き来がしやすくなり、居住スペースも広くすることができます。

・浴室
システムバスの場合、数十万円から数百万円と価格の幅が広く、2つ設置すると設備費用が2倍になってしまいます。ランニングコストも多くかかるため、コストの面から共用を選ぶ人が多いと考えられます。

それ以外には3割以上の二世帯住宅が、キッチンダイニングリビングなどを共用しています。納戸やベランダは共用率が低くく、浴室を共用していても、世帯ごとの住空間にトイレと洗面所だけ設けている二世帯住宅は多く見られます。

押さえておくべき点は「LDK」の共用が少ないという結果が出ており、居住スペースに分かれて独立性を確保しているが、コスト面において浴槽などは共用する、という一部共用タイプの二世帯住宅のライフスタイル像が見えてきます。

「完全同居」

完全同居タイプの場合、個室や収納スペースは多くなりますが、キッチンや浴室などの設備も、玄関や「LDK」などすべての空間が共用スペースです。

基本的には単世帯の住宅と仕様は大きく変わりません。それでも建築費用平均は単世帯よりも上回っています。

それは、床面積が大きいこと、部屋数が多いためドアや窓の数が多いこと、シャワーブース・トイレなど、個々に専用で使用する設備を取り付けることで、コストが増えることが考えられます。

タイプ別の平均建築費は「完全分離」「一部共用」「完全同居」の順に高く、住空間の独立性が高くなるほどコストがかかることが分かります。

「本当は一部共用や完全分離にしたいけれど、予算を考えて完全同居」という場合、コストを下げる工夫で、一部共用や完全分離を希望する実現することができるかもしれません。

例えば、価格が高い浴室やキッチンは共用にするなど設備のコストを下げたり、全体的に床面積を小さくしたり、各世帯のスペース内の間仕切りを少なくして材料費を抑えたりするなどです。

また、外観や屋根の形をできるだけシンプルにすることでも建築コストは抑えられます。予算内で、希望のタイプが実現できる工夫はないか、建築会社や建築士に相談をして理想の近い二世帯住宅を完成させましょう!

二世帯住宅のメリット!相続税対策としても有効?

2015年1月1日から、相続税の基礎控除額が縮小されました。そのため、これまでは相続税の課税対象にならなかった人も、課税される可能性が出てきました。

相続税の課税対象として多いのは土地です。土地にかかる相続税を抑えることができれば、相続税の節税につながります。実はその対策として、二世帯住宅が土地の相続税の節税に有効なのです。

親と同居している二世帯住宅の場合、土地の評価額が80%も減額されます。実家を建て替えるための「土地」と「二世帯住宅」の基礎知識を紹介してきましたが、自分たちの場合はどんな家が実現可能か、詳しくは住宅メーカーや工務店に相談してみよう。

家を解体するならリノベーションという選択肢

リノベーションとは、既存の建物に大規模な工事を行うことで、性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすることを言います。

英語でrenovationは「革新・刷新・修復」を意味し、リフォームがマイナスの状態のものをゼロの状態に戻すための機能の回復という意味合いに対して、リノベーションはプラスαで新たな機能や価値を向上させることを意味します。

よりデザイン性の高いものに改良したり、住環境を現代的なスタイルに合わせて間取りや内外装などを変更したりすることなどが含まれます。

こんな場合はリノベーションを考えてもいいかもしれない

リノベーションを検討するきっかけとして、二世帯住宅を建てるタイミングだけではありません。それ以外にも現在の住まいをより良いものにしたいと考えるきっかけはあるものです。

「この家もそろそろ築30年。そろそろ建て替えを考えてみるか」
「古い実家を相続したけど自分には不要だし、解体して売ってしまおうか…」
「古い空き家をそのままにしておくと、防犯上不安…」

そんな時、住人の選択肢は本当に壊すだけなのでしょうか?

リノベーションのメリットは?

①愛着のある建物を残しつつ内外装とも新築同様キレイに生まれ変わる。
②解体+新築(建て替え)の費用より安価。
③解体+新築より工期が短く仮住まいや引越しが不要となる。
④仮住まいや引っ越しとなっても短期間で安く済む。
⑤現行の法規に左右されず、現在の建坪を維持できる。
⑥各種税金が軽減できる。
(不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税)
⑦建て替えと比べて、解体にかかる費用まですべてリノベーションにまわすことができる。
⑧RC造等、建物が堅牢なほど「壊す費用が上がる」ため、リノベーションのメリットが大。
⑨遠方のため使用、居住していなくても、手放すつもりはない場合は賃貸物件にできる。

注意したい「一式」の内訳

工事を行う際に、業者から渡される見積もり金額欄に「一式」としか記述されていない場合は注意が必要です。

小規模の工事では、「打ち合わせ」・「見積り」を簡素化する場合に「一式」と記述されることが多いです。

しかし、中規模大規模の工事や、設備や建材に特定の商品を採用する際に「一式」と記述されている場合や、数量や単価を明らかにできるにも関わらず「一式」と記述されている場合には気をつけるべきです。

なぜなら、悪徳業者であれば、極力、内訳を表記せず説明をすることは避けて、相場からかけ離れた安い金額を提示することがあるためです。そのため、「一式」と記述されていた場合には、必ず工事箇所や仕上げ材、工法などの説明を求め、書面にしてもらうことを依頼することをおすすめします。

その後で、あいまいであったり納得ができないようであれば、施工箇所や工事の範囲、追加工事などで後々もめごとになる可能性もありますので、そのような業者は避けたほうがよいでしょう。

まとめ

日本では、新築の家を持つことがステータスとされる概念が長い間根付いてきました。

しかし近年、土地の高騰・建築材料高騰といった背景から、高価格の設定で住宅が販売されるようになりました。これまでの住宅改修は、大量の廃材が生まれ、大量の材料が必要とされてきたことから、「費用」「時間」の観点からも既存の在り方に変わる施工方法が模索されてきたのです。

住み慣れた住宅を改修し、住宅を生まれ変わらせるリノベーションは、環境保護の観点から見ても良好です。

「二世帯住宅」というこれからも増加が予想される生活スタイルにおいて、ますます需要が見込まれるのがリノベーション住宅なのです。

ご不明な点は「あんしん解体業者認定協会」へ