古家付き土地を売却する方法とは?

古家が建ったままの土地を売却するには、「そのまま古家付きで売却する」方法と、「古家をリフォームして売却する」方法があります。
あるいは、「古家を解体して売却する」方法もあります。

売却方法を選択する際には、予め売却の流れや、それぞれのメリット・デメリットを把握しておくことが重要です。
今回の記事では、古家が建っている土地の売却をお考えの方に向けて、知っておくべき売却の基本知識を詳しくご紹介していきます。

何から始める?土地を売却する流れ

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土地の売却に慣れている方は少なく、売却を考えている方の中には、どのような手続きを踏んだらいいのか、イメージしづらい方も多いと思います。
そこで、まずは土地を売却する時の大まかな流れを知り、何から取り掛かったらいいのか把握していきましょう。

土地の売却で一般的なのは、不動産会社に仲介してもらって、土地の買い主を見つける方法です。
しかし、実は不動産会社または個人に直接売却する方法もあります。

早速それぞれについて詳しく見ていきましょう。

売却方法

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不動産会社の仲介

不動産会社に仲介を依頼すると、不動産会社が物件情報を広告や情報サイトに掲載し、購入希望者を探してくれます。
購入を検討している人が見つかれば、不動産会社の人が売り主との間に入って契約条件に関する細かな調整もしてくれますし、最後の引き渡しが終わるまでサポートしてくれます。

仲介で売却するメリットは、プロが最初から最後まで売り主の要望も聞きながらサポートしてくれるため、安心して売却できる点です。
もう1つのメリットは、買取よりも高い価格で売却ができるという点です。後ほどご説明しますが、仲介ではなく買取の場合には、相場の5~7割程度の価格でしか買い取って貰えません。しかし仲介だと広く購入者を募り、高い価格で購入してくれる人を探すので、不動産市場の相場価格で売却できる場合が多いです。

デメリットは、購入者が現れるまで売却できない点です。つまり土地が売れるまでに時間がかかってしまいます。目安として3ヶ月程度は見ておいた方がいいでしょう。

仲介での売却は、多少時間がかかってもいいから高く売りたい人にオススメの方法です。

不動産会社の買取

不動産会社が直接買い取ってくれる方法です。
不動産会社がいったん買い取り、さらに最終的な購入者を探します。

メリットとしては、直接の売却なので、仲介手数料が発生しないという点が挙げられます。
また、仲介と違って不動産会社がすぐに買い取ってくれるため、短期間で売却できるというメリットもあります。

一方、買取価格は仲介で売りに出すより低くなるケースが多いというデメリットもあります。
不動産会社は仕入れた物件を売りに出せる状態にするために、リフォームしたり造成したりする必要があります。そのため不動産会社は、工事にかかるコストを差し引いた金額で、売り主から物件を買い取らなければならないため、どうしても本来の市場価格より低くなってしまうのです。できるだけ安く土地を仕入れて、高い価格で売ることが目的です。

買取は、多少売却価格が安くなってもいいから、すぐに売却したい方にオススメです。
また、物件の築年数が古い、立地が悪いなど物件の条件があまりよくない場合、仲介だと購入者が見つかるまでにかなりの時間を要してしまう可能性があるため、買取がオススメです。

個人間での買取

不動産会社を挟まずに個人同士で交渉をして契約を結ぶ方も中にはいます。
個人売買も、不動産会社へ直接売却するのと同様、仲介手数料が掛からないというメリットがあります。

一方、自分で契約書類を作成し、大きな金銭の取引を個人で行うため、法的な知識が必要となります。売り手と買い手の知識・情報の差が大きければ、相場より安い値段や不利な条件での契約となることもあり得ますので、注意しなければなりません。安全面での不安やトラブルが起こりやすいというデメリットがあります。
不動産の知識があり、かつ、高い価格で買い取ってくれる人が身近にいるならば、選択してもいいかもしれませんが、そうでなければあまりオススメできません。

仲介か買取、どちらがいい?

どちらの売却方法を選ぶべきかは、売却までの期間・金額・安全面等の中で、何を重視するかによって変わります。

現状では、不動産会社の仲介による売却方法を選択する方が多数派を占めています。
やはり、仲介で2,000万円で売却できるような物件でも、買取では5~7割、つまり1,000~1,400万円程度になると考えたら、多少時間がかかっても高く売りたいと考える方が多いようです。

まとめると、
とにかく早く売却したい、あるいは仲介手数料を払いたくないという方は、直接買取を。
多少の時間と手数料がかかってもいいから相場価格で売却したいという方は、仲介を選びましょう。

次の章からは、不動産会社に仲介を依頼して売却する際の流れについて説明します。

相場を知る

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次に、ご自身の土地がどの位で売れるのか、相場を知りましょう。相場の基準は、国土交通省が不動産の取引価格を公開していますので、参考にしてみてください。

国土交通省:土地総合情報システム

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  1. ①はアンケートの結果等を基に、実際の取引価格が検索できるページです。②は都道府県・市町村の基準値の価格を検索できるページです。
  2. ②の不動産取引価格情報検索をクリックして地域を選択すると、選択した地域の取引総額・面積や坪単価を見ることが出来ます。

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②の地価公示都道府県地価調査をクリックして地域を選択すると、選択した地域の地価情報を見ることが出来ます。

上記のサイトなどを参考にして、売却予定の土地の相場を知りましょう。相場を知ると共に、仲介を利用する際にかかる仲介手数料・税金がどのくらいかかるかも計算に入れることがポイントです。
残念ながら、不動産会社の中には詐欺を働く会社もあります。相場に見合わない安い価格で売却させ、その後高額で転売するケースなどが挙げられます。
かなり高額なお金が動きますから、全て不動産屋さんにお任せするのではなく、極端に安い、あるいは高い金額を提示してくる相手は疑えるように、事前に相場を把握しておきましょう。

土地の価格査定

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不動産会社を選ぶときは、不動産会社に土地の価値を調べてもらう価格査定を依頼します。土地の売却ではどの会社に依頼するかが重要なので、複数の会社に査定を依頼することをお勧めします。

査定はインターネットから申し込める簡易査定と、実際に土地を見に来る訪問査定があります。インターネットでの簡易査定では書類がいらないことが多いですが、訪問査定の場合には以下のような書類を求められるので準備が必要です。依頼する会社によって書類も異なりますが、参考にして下さい。

  • 登記簿謄本(最新のもの
  • 身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票
  • 固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書

不動産会社の決定

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査定の金額や根拠・担当者の対応などを基に、複数の不動産会社から信頼できる会社を選び、不動産会社と仲介をお願いするための媒介契約を結びます。

媒介契約には、一般・専任・専属専任媒介契約の3種類があります。

①一般媒介契約:複数社に営業を依頼することが出来て、自分でも土地の取引をすることが出来る契約
②専任媒介契約:自分で取引することは出来るが、重複して他の会社に依頼することが出来ない契約
③専属専任媒介契約:営業をすべて依頼して、自分で取引することや他の不動産会社と契約することは出来ない契約

土地の売り出しと交渉

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媒介契約を結んだ不動産会社と、査定価格を基準にして土地をどの位の価格で売り出すかを決めます。売り出しの価格が決定したあと、不動産会社によってサイトへの掲載や広告が行われます。

専任媒介契約か専属専任媒介契約を交わした場合は、レインズというシステムに不動産会社が登録する義務があります。レインズとは国土交通省が企画した、不動産流通標準情報システムです。

不動産売買で利用する「レインズ」って何?知っておきたいメリット・デメリット

レインズに登録している不動産会社によって、売却予定の不動産がレインズに登録され、購入希望者が不動産を通じてレインズで不動産を探すというシステムです。

契約の方法に沿った土地の売り出しが行われ、購入希望者が現れたのちに交渉が行われます。売り出し価格と購入価格の希望に差がある場合は不動産会社を通じて値段や時期の交渉となります。

売買契約と引き渡し

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購入希望者と値段や時期の交渉が成立したら売買契約を結びます。売買契約を結ぶ際に、価格の10%~20%程度の手付金が支払われます。また売買契約が結ばれると、売主が不動産会社へ仲介手数料を支払います。

契約を結んだ後は通常2週間~3週間の内に決済手続きが行われ、土地の引き渡しとなります。ただし決済の期間は購入者によっても異なるので、注意が必要です。

決済手続きが終了して、引き渡しというのが全体の大まかな流れです。
次に、実際に売却する際の方法3つについて、それぞれ見ていきましょう。

古家付きで売却する!メリット・デメリットとは?

古家付きで売ることを選択する前に、まずはメリットとデメリットの両面を把握しましょう。
その上で専門家(仲介を担当する不動産会社など)とも相談し、ご自身にとって1番良い手段であるかどうかよく検討してみてください。

メリット

古家付きで売却するメリットは、解体費用がかからない売却できなかった場合も固定資産税の特例を受けられるという点です。

解体費用がかからない

建物を解体するとなったら、構造・立地・廃棄物の量などによって差はあれど、大きな金額がかかるのは間違いありません。しかし、建物を解体せずにそのまま売却できれば、高額な解体費用も手間もかかりません。
建物が古いと、買い手が見つからないのではないかと心配される方もいるかもしれませんが、昨今は古民家の需要も少なからずあるので、住みたいという方が見つかる可能性もあります。

固定資産税が上がらない

実は、土地に建物が建っている状態だと、土地にかかる固定資産税が6分の1に軽減される特例が適用されています。
建物を取り壊してしまえば、特例措置は受けられなくなるため、土地にかかる固定資産税は通常の税率に戻ってしまいますが、建物が建ったままであれば固定資産税が変わることはありません。
もし売却できなかった場合でも、古家を壊していなければ固定資産税の特例を受けたままでいる事が出来ます。

デメリット

古家付きで売却するデメリットは、瑕疵担保責任がある建物の条件によっては売却価格が安くなることです。

瑕疵担保責任がある

瑕疵(かし)担保責任とは、売却した物件に隠された欠陥(シロアリが住みついている、設備の故障があるなど)が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。瑕疵に気づいてから1年以内等、定められた期間内に瑕疵が見つかった場合、修理などの責任が課せられます。
しかし買主との交渉によっては、瑕疵担保責任を免責することも可能です。瑕疵担保責任を負うかどうかに関しては、売主と買主との協議によって決めることが出来ます。

売却価格が安くなる

古民家に住みたいという需要はありますが、日本ではまだまだ新築需要が高いのが現状です。そのため築年数が古い建物の場合は、条件にもよりますが古家付きの土地より更地の方が売却しやすく、高い値段がつけられる傾向にあります。
買い手が新築を希望されてた場合は解体費用を負担しなければならないので、買い手は解体費用を考慮した売却価格を望むため、売却価格が安くなってしまいます。

古家付きでの売却は、こんな人にオススメです

古家付きでの売却のメリットとデメリットをご紹介しました。
まとめると、古家付きでの売却は以下のような方にオススメです。

  • 早く売却を進めたい
  • 立地条件がいい
  • 家の状態がいい

建物を解体せず、すぐに売却を進めたい方や、古家付き土地の立地条件がいい場合、また、古家の状態が良い場合には、買い手が見つかりやすいです。
解体の費用も手間もかからずに売却できれば1番良いと思いますので、ぜひ検討してみてください。

リフォーム・リノベーションして売却する!メリット・デメリット

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古家を解体して更地にするのではなく、今ある建物をリフォーム・リノベーションしてから売却するのも手段の1つです。
リフォーム・リノベーションしてから売却するので、解体して新築にしたい買い手ではなく、中古物件に住みたい買い手がターゲットです。

メリット

古家付きで売却するのと同様、解体費用がかからない・売却できなかった場合も固定資産税の特例を受けられるというメリットがあります。

また、中古物件の購入を希望する買い手が見つかった場合、リフォームやリノベーションによって綺麗になった建物を見た方が印象も良く、実際に住むイメージも湧きやすくなります。

デメリット

リフォーム費用が発生すること、そしてリフォームやリノベーションをした分価値が上がり、売却価格がどうしても高くなってしまう分、リフォームやリノベーションに費用がかかっているのに買い手が付きづらいというデメリットがあります。

壁紙だけなど簡単なリフォームだと費用は抑えられますが、水回りや間取りといった本格的なリノベーションを行った場合は費用が高額になります。

高額なリノベーション費用がかかったからといって、必ずかけた費用に見合った売却価格になる保証はありません。むしろリノベーションにかかった分の費用を上乗せした売却価格を提示することで、簡単に買い手が見つからない可能性も考えられます。

買い手のニーズが分からないため、大掛かりなリノベーションは損をする確率の方が高いと考えた方が賢明です。
実際のところ、売却の場合、リノベーションはしない方が得だという考え方が多数派です。
もし行う場合は、物件の見た目の印象が変わり、且つ少額でできるリフォームを行う場合が多いです。

リフォーム・リノベーション後の売却は、こんな人にオススメです

  • 少し見栄えをよくすれば売れそう
  • 安くリフォームできる手段を持っている

解体ほどではありませんが、リフォーム・リノベーションも決して安い金額ではありません。
少し見栄えを整えれば買い手が付きそうであったり、リフォーム・リノベーションを良心的な費用で依頼できそうな会社のツテがあったりする場合は、リフォーム・リノベーションをしてから売却するのも手かもしれません。
また、自治体によっては家屋のリフォーム・リノベーションに対して補助金制度を設けていますので、利用するのも1つの手です。

解体して売却する!メリット・デメリット

古家付きで土地を売却するのではなく、売り手が解体工事して更地にした状態で売却する場合は、どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。

メリット

解体して更地にすると、土地が売れやすくなる瑕疵担保責任が発生しないというメリットがあります。

土地が売れやすくなる

条件によっても変わりますが、古民家等の需要が増えているとはいえ日本は新築需要が高いため、築年数の古い建物がある土地より更地の方が売れやすい傾向にあります。
更地の場合、買手のリフォーム費用や、建て替えの際の解体の手間・工事費用を全て省けるため、早く高く売れる可能性が高くなります。

瑕疵担保責任が発生しない

建物を解体しているため、売却後に欠陥が発見されてトラブルになる心配がありません。引き渡したあと期間内に瑕疵が発見さて、損害の請求をされる不安から解消されます。
また、現在では空き家対策特別措置法の施行によって、危険性や周囲への影響が高い空き家と判断された場合は、行政による指導が入り最終的な命令に従わなかった場合は強制的な建物の解体が行われます。
段階を踏むので急に強制解体にはなりませんが、人が住んでいない建物は定期的な修復・管理を行わないと、周囲の人や物に被害を及ぼす可能性があります。更地にした場合は、家の管理にかかる費用や手間がかからず・周囲に与える被害の可能性を取り除くことができます。

デメリット

解体する場合のデメリットは、解体費用の負担と固定資産税の増加です。

解体費用の負担

建物の構造や立地によって大きく異なりますが、解体には大きな費用が必要になります。解体をして更地にしても必ず売れると保証はなく、売却する前に大きな費用を捻出しなければなりません。
ただし、空き家の増加が社会問題となっている等を背景に、自治体によっては解体工事に補助制度が設けられています。地域によって補助の有無や内容は異なるので、解体工事をご検討の場合は自治体のホームページ等で補助を調べてみましょう。

固定資産税の増加

もし土地を売却する為に解体工事をしたのに売却できなかった場合は、解体費用が掛かった上に固定資産税が上がってしまうというリスクを抱えています。固定資産税は最大で6倍になるので、更地にするのを迷う大きな要因です。
土地の固定資産税は1月1日の状況によって金額が決まります。そのため更地にして売却する場合には、時期に考慮して解体するように注意が必要です。

更地にした後の売却は、こんな人にオススメです

解体工事をして更地にしてからの売却は、以下のような方にオススメです。

  • 家の痛みが激しく、状態がよくない
  • 立地がよくない
  • 駐車場での活用を検討している

古家の築年数が結構経っていて、劣化が激しい場合や、立地があまりよくない場合には、更地にした方が買い手はつきやすいです。
また、解体したあとに売却せず、駐車場にするいう手段もあります。解体工事には確かに費用がかかりますが、その後でうまく活用し、収入を得ることも可能です。

売却方法を選ぶときの注意点

それぞれのメリットとデメリットをご紹介しましたが、物件の条件によって事前に注意しなければならないことがあります。売却方法を選ぶ際に、必ず知っておきたい知識とはどのようなものでしょうか。

再建築不可物件

再建築不可物件とは、建築基準法の接道義務を果たしていない物件のことです。簡単に言うと、現在建物が建っていても解体工事して更地にした後は、新しく家を建てられない可能性の高い物件のことです。
再建築不可物件に多いのは建築基準法で定められている、「幅4m以上の道路に敷地が2m以上接地していなければならない」という接道義務を満たしていないケースです。接道義務を果たしていないという理由以外にも、物理的・人的な要素によって建て替えが出来ないケースもあります。

その為、解体して更地にし、通常通りに売却しようと思っても、買い手がつかなかったり、売却価格が安くなったりします。

接道は役所で確認をお願いすることが可能なので、不安であれば事前に調べてもらいましょう。再建築不可物件といっても、全ての物件が建て替え出来ないという訳ではありません。再建築不可の理由によっては、申請をすることで可能になる場合もあります。
もしも再建築不可の物件であった場合には、その理由を役所の方に調べてもらうと共に、申請等によって解消出来ないか、建築家等のプロに相談しましょう。

まとめ

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今回の記事では、古家付き土地の売却方法や、流れについてご説明してきました。
売却する際において、不動産会社に仲介を依頼するか・直接売却するか、どの不動産会社に依頼するか、古家付きのまま売却するか・解体するかは、いずれも重要な選択です。
建物の状態・立地などの条件により売却価格や売却までの期間等の総合的な結果は変わってきますので、ご自身でもしっかり知識を身に付けると共に、信頼できるプロに相談し、ご自身に1番合った手段を選べるようにしましょう。

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