解体工事だけに限らず、建築工事や様々な工事において現場の業者、大工さんとのコミュニケーションはとても大切です。業者と施主との意思疎通がしっかりととれていないと思わぬトラブルに繋がってしまうからです。
昔から習慣となっているの施主から業者への差し入れも、施主の心遣いや双方のコミュニケーションの一貫として古くから行われてきました。しかし、自宅から解体現場まで行くのに時間がかかる方や、仕事や育児で行く時間が限られている方もいらっしゃいますよね。
差し入れには毎日行かなければいけないのか、どういった品を持っていけば良いのか、そもそも差し入れは絶対にしなければいけないのか……工事をする機会なんてそんなに頻繁にあるわけでは無いので、わからない方も沢山いると思います。
今回はそんな工事中の差し入れに関する疑問にお答えします。
差し入れは絶対にしなきゃいけない?
古くからの習慣となっている差し入れの文化ですが、絶対にしなきゃいけない・してはいけないという決まりはありません。するしないは施主様ご自身の自由です。特に解体現場が自宅から遠い方や、時間を作るのが難しい方はわざわざ無理して差し入れを持っていく必要はありません。
昔はよく「差し入れをしないと雑な工事をされる」「欠陥住宅にされる」なんて言われていましたが、施主はお金を払って、業者は報酬を受け取って仕事をしているわけですから差し入れの有無で仕事の質が変わるということはありません。
最近は業者から「差し入れは不要です」「お気持ちだけで十分です」と事前に言ってくれる場合もあり、差し入れをしない方も増えています。しかし、「暑い中・寒い中作業してくれている業者に感謝の気持ちを伝えたい」と考える方もいらっしゃいますよね。
もともと差し入れとは、施主から業者への心遣いや感謝の気持ちを食べ物や飲み物といった形に表したものです。何か自分にできる事は無いかと考える方は差し入れという形を取りましょう。
差し入れをするため現場に足を運ぶことによって、工事がどのくらい進んでいるのか、不具合は無いかなどの作業状況を自分の目で確かめる事ができます。
さらに差し入れをダシに声をかけてコミュニケーションを取ることによって色々な話を聞くこともできます。例えば工事における注意点や、今までの失敗談といったレアなお話を教えてくれる場合もあり、工事の後の作業や次に工事をする時に役に立つ事でしょう。
何より、顔を合わせて言葉を交わすことによってお互いの人間性を知る事が出来ます。業者からすると施主の顔や人柄を把握する事で作業のモチベーションも上がります。
施主からしても業者から感謝の言葉を貰ったり作業している姿を生で見たりすることで現場の雰囲気を掴むことが出来て、自身も工事に関わっているという実感を持てます。
もちろん、最初から差し入れを持って行かないと決めている方や事情があって時間を作れない方もいらっしゃると思います。持って行かなくても全く問題ありません。コミュニケーションを取る場が減ってしまうことは、事前の打ち合わせや見積りを入念に行う事によって充分にカバーできます。
人気な差し入れ季節別
差し入れの品はどんなものをあげれば喜んでもらえるのか、業者に聞いてみても「気持ちだけで嬉しいです」「何でもありがたいです」と言ってくれる業者がほとんどです。でも、どうせ渡すならちゃんと喜んでもらえるものを渡したいと思いませんか?
業者や大工に人気な差し入れと注意点を季節ごとにまとめてみました!
飲み物
夏に人気『冷えたスポーツドリンク・お茶・水』
暑い中作業している業者にはさっぱりした冷たい飲み物が人気です。
しかし、持って行く時いくら冷やしていても暑い中置いておくとすぐにぬるくなってしまうのでクーラーボックスに保冷剤を入れて冷やしておくと親切です。缶でも問題ありませんが、ペットボトルだと余っても持って帰ってもらえるので回収の手間が省けます。
ポットに冷えたお茶を入れて置くのも、冷たさも保てて自由に飲めるので好評です。
冬に人気『温かいお茶、コーヒー』
ポットに入れて持って行って紙コップを配るでも、缶のやペットボトルを買っておくでも良いです。やはり寒い中、外で作業してくれている業者には温かい飲み物で身体を温めてもらいたいですね。
ポットにお湯を入れて、スティックタイプのコーヒーやティーバッグを複数置いておくのも色々選べるので人気があります。砂糖やミルクも忘れないようにしましょう。
しかし、いくら寒いと言っても身体を使って作業していると暑くなってしまうので、常温のお茶や水も用意しておくと完璧です。
その他
100%ジュースや炭酸飲料も人気が高いですが、人によって好き嫌いが別れるので様子を見て量を調節するか、直接好みを聞いてみると用意しやすいです。
たまに栄養ドリンクなどを持って行くのも好評です。疲れた身体にはビタミンが効きますから、休憩中や作業後に飲んでもらって疲れを取ってもらいたいですね。
週末には「持って帰って家で飲んで下さい」といってビールを差し入れするととても喜んで貰えます。アルコールが好きな人にはとても嬉しいサプライズとなるでしょう。
当然アルコールが苦手な人もいますのでソフトドリンクも持って行くと安心です。
食べ物
夏に人気『アイス』
やっぱり夏は冷たいアイスが人気です。暑くてお菓子が喉を通らない場合にもアイスなら食べやすいですしね。
しかし、溶けないようにクーラーボックスに入れるなりしないと食べる時間が無くて全部溶けてしまう事もあるので注意が必要です。
冬に人気『肉まん』
食べやすくて温かい肉まんは寒い冬は大人気ですが、冷めないうちに食べきらなきゃいけないというプレッシャーを与えてしまう可能性もあります。休憩時間や作業が終わった時間帯を狙って持って行くなどしましょう。
オールシーズン人気『クッキー・おせんべい・まんじゅう』
疲れると甘いモノやしょっぱいものが食べたくなるので差し入れの定番です。
若い人が多い現場ではクッキーの方が人気があった、年配の方が多い所は和菓子の減りが早かったなどありますので、人気だったものを次の差し入れ時には多めに持っていくといった工夫もできます。
お菓子類は個別包装されている商品にしましょう。食べやすく、余っても持って帰る事ができます。
昼食時には梅干しや漬物といったご飯のお供も人気です。
夏場は密閉された空間や野外での作業でかなり暑くなってしまい、差し入れが痛んでしまう可能性が高いのでアイスや飲み物だけで無く痛みやすいものはクーラーボックスに入れることを心掛けましょう。
食べ物以外
夏は飲み物を入れたクーラーボックスと一緒におしぼりを入れておくとさっぱり!気持ち良い!と好評です。
冬は温めたおしぼりやカイロを持って行くと凍えた手先や身体を温めてもらえます。
リンゴやミカンといったフルーツ類、又は生物類は食べにくく傷みやすいので控えた方が良いでしょう。
お菓子は基本的に、サクッと食べる事ができる軽いものが好まれます。ボロボロとこぼれやすかったり食べにくいもの、食べるのに時間がかかるものは避けたいです。
人数や好みも現場によってバラバラですので、事前に好みを聞いておくのも良いですし、そこまでしなくても、なんとなくの数を持って行って余ったら次回の差し入れに回しても大丈夫です。
タイミング・頻度
差し入れを行う方で、どのタイミングで持っていけば業者が手を付けやすいのか、又どのくらいの頻度で持っていくのがふさわしいのか分からないという方をよく目にします。
確かに、タイミングを間違えて作業の邪魔になってしまうのではないか、とか自分が考えている頻度じゃ多すぎたり少なすぎたりして変に思われるんじゃないか……と考えだすと不安になってきてしまいますよね。そんな方は以下の情報を参考にしてみて下さい!
タイミング
差し入れを行うには、以下ののどれかのタイミングを狙うとスムーズに渡すことができます。
- 作業開始前
- 10時と15時の休憩時間
- 作業終了後
作業開始前に持って行く場合は、業者が来たら「休憩中に召し上がって下さい」などと声をかけて置いておきましょう。
解体工事や他の工事現場の休憩時間はだいたい10時と15時からです。休憩中に持っていく場合はこの時間の5分前くらいに行けば丁度休憩時に配れるので業者も時間に余裕を持って手を付けることができます。
休憩中はあまり手をつけられない場合もあるようなので、そういった場合は作業が終わった後に個別包装のお菓子やペットボトルの飲み物等を「帰ってから召し上がって下さい」と渡すと、家に付いてからゆっくり食べられて家族にも配れるのでありがたいそうです。
上記の時間外でも、施主の時間がある時に持って行き「ここに置いときますね」といった声をかければ休憩時に食べてくれます。
頻度
差し入れを行う頻度ですが、毎日……ましてや一日に何度もする必要はありません。工事現場から家が遠い、時間に余裕が無いという場合は1,2週間に1度ケース買いした飲み物やお菓子をまとめて持っていけば十分です。
足を運びやすい距離にあって時間も取れるならば、3,4日に1度詰め合わせた品を持って行ってもいいですし、もはや工事現場が家の目の前でしょっちゅう顔を出せちゃいます!という場合には毎日少しずつ差し入れをするのも良いです。
無理して毎日差し入れをする必要は全く無いですし、強要されたりもしませんのでご自身が行ける時に行けば大丈夫です。
解体工事の差し入れについてのまとめ
差し入れをくれたからちゃんと作業する、差し入れをくれなかったから雑な工事をするなんて事はありません。相手もプロの業者なので、お金を払ったからにはちゃんと仕事をこなしてくれます。
それでもやっぱり、「数々の思い入れが詰まった家を撤去してもらうのだから、業者が気持ちよく作業できる環境を作りたい」と考える方はご自身が無理をしない程度で差し入れを考えてみてください。
反対に距離的に簡単に足を運べない方や、仕事や育児で時間を作れない方、しないと決めている方は打ち合わせを入念に行い追加費用発生などのトラブルを避けましょう。
差し入れは施主様が無理をしないことが大前提です。金銭的にも時間的にも無理をしない範囲で行って業者も施主様ご自身も気持ちのいい工事にしたいですね。
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