解体工事には複数あり、家屋の解体工事以外にも、工場や倉庫、ビルといった構造の違いによって依頼する解体業者は変わってきます。
構造が違うということは、使用されている建材も違います。基本的には、木造、鉄骨、鉄筋コンクリート(RC)はよく聞きますが、工場やビル、倉庫のような建物では、コンデンサや安定器、変圧器など備えていることもあります。
今回は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む特別産業廃棄物が使用されている工場やビルの解体工事に関してお話します。
法人のPCB担当者様にとって、非常にお得な情報も含まれていますのでお楽しみを。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)って何?
PCBという言葉は馴染みのない方もいらっしゃるかと思います。
国から特別産業廃棄物に指定されているもので、廃棄物処理ができる業者も限られています。
PCBはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、ポリ塩化ビフェニル化合物の総称であり、その分子に保有する塩素の数やその位置の違いにより理論的に209種類の異性体が存在し、なかでも、コプラナーPCB(コプラナーとは、共平面状構造の意味)と呼ばれるものは毒性が極めて強くダイオキシン類として総称されるものの一つとされています。
引用:JESCO

PCBの性質として、熱に強く、沸点が高く溶けにくい物質で不燃性であり、絶縁性も兼ね備えている安定した物質ということもあり、電気機器や熱交換器などに使用されているそうです。
つまり、コンデンサや安定器、変圧器などに使われていることが容易に想像できます。
解体工事後、産業廃棄物として処理するのがとても大変であるため、業者を選ぶのも一苦労なのです。
年々高額になっていくPCB処理費用
PCB処分費用に関して大問題なのが、できるだけ早く処分することを国が求めていることと、PCBを処分できる法人の処分能力にも限界があるため、一定量しか処理できないということ。
極めつけは、国の発表で年々PCB処分費が高額になっていくと発表しています。
処理能力にも限界があるし、中間貯蔵施設においても限界があるためでしょう。
PCB特別措置法の改定
PCBを処分していくため、PCB特別措置法というのが制定されていますが、平成13年に施行された法律では、平成28年までに処分を完了するプランを立てていたようです。
しかし、PCBの処分が予定以上に遅れていることもあり、法改正がなされ、平成39年(2027年)3月31日には、国としてPCBの全処理が完了しなくてはなりません。
これは、ストックホルム条約において平成40年にはPCBの処分が完了していることを要求されているからです。
ストックホルム条約に関して詳しく知りたい方は、経済産業省のホームページをご覧ください。
また、環境省も詳しい資料が用意されています。
PCBの高額な処分費用を劇的に安くする裏技
工場やビルの解体工事を行う上で、しっかり向き合わなければいけないのが、PCBを含む特別産業廃棄物です。
「今、手元にあるPCB処理を高額な処分費でお願いするしかないのかなぁ…」と思っている法人様に朗報です。
PCBの処分費用ですが、もしかしたら50%以下に抑えられる可能性があるのをご存知ですか?
重さを基準に算出されるPCB処分費
CPB処分費用というのは、重さを基準に算出されるということをご存知ですか?
多くの処分業者は、PCBだけの重さだけでなく、容器などを含めた全体での重要で見積りを出しています。
良心的な解体業者は、全体的に重量比率が高い容器とPCBを分別して処理する賢い業者もいます。細かく分別をしてPCB含有機器の処分費用を少しでも安くできるように努力しています。
これは何もPCBなど特別産業廃棄物だけにいえるものではなく、他の廃棄物処理にも同じことがいえます。
解体工事でいうところの、分別解体と同じ要領で木やコンクリートなど、種類で分けそれぞれの産業廃棄物が安く処理できる処分場へ搬出していきます。工夫によって、解体費用を安くすることのできる解体業者に依頼したいですね。
環境省でも発表のある補助金を利用する
PCBの特別産業廃棄物処理は、国策でもあるため毎年補助金が出ています。
こちらは平成26年の『PCB廃棄物対策推進費補助金』は、環境省のホームページから見ることができます。
/blog/wp-content/uploads/2015/08/PCB2014.pdf
出典:環境省
廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課から発表されています。
別の資料として、環境省の行政事業レビューシートを見てみましょう。PCB処理における計画が確認できます。
※クリックするとエクセルファイルのダウンロードが始まります。
こちらのエクセルシートを見ると、平成39年まで「PCB廃棄物対策推進費補助金」が出るように考えられます。
しかし、補助金には限りがあります。
将来どれくらい組まれるかわからないため、出来る限り早い段階でPCBの廃棄物処理を行うのが得策でしょう。
PCB廃棄物対策推進費補助金は、各都道府県が窓口になっていることが多いので、まずお問い合わせしてください。
まとめ
ビルや工場の解体工事を行う際、悩まれることが多いのがPCBを始めとする特別産業廃棄物の処理です。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は処理できる業者も限られているばかりか、通常の廃棄物処理と比べて高額です。
しかし、高額になりがちなPCB処理費用を50%以下に抑えられる方法があります。
それは、分別解体を行うことです。重量比率の高い容器とPCBとを分けて処理することで、処分費用を安くすることができます。
また、ストックホルム条約で決められているPCBの処理は平成39年までに完了させなければなりません。それまでPCB廃棄物対策推進費補助金を使うことができます。
少しでも解体費用を安くできるように努力している企業に、ビルや工場、倉庫の解体工事をお願いしたいですね。
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