東京都杉並区で使える、解体や建て替えの助成制度は5つ。たとえば、方南一丁目地区等にある老朽化した建物の解体に対して、最大150万円を助成する制度などがあります。
それぞれ、建物の種類や対象地域によって使える助成制度がありますので、ぜひ制度内容をご確認ください。各制度内容について、本記事で解説いたします。
東京都杉並区で利用できる老朽化した建物の除却、建て替えに対する助成制度
杉並区では不燃化特区区域(杉並第六小学校周辺地区、方南一丁目地区)にある建物を対象に、「老朽建築物除却等助成金」と「建替え促進助成金」を実施しています。
支給金額と申請期限
建物の除却を行う「老朽建築物除却等助成金」を利用した場合、実際の工事費と助成限度額の150万円のうち、いずれか低い額が支給されます。
また、建物を除却した土地に新築する「建替え促進助成金」を利用した場合、100万円を限度に地上1階~3階の延面積合計により区が定める額が支給されます。
申請期限は、不燃化特区区域に指定されている期間の令和8年3月31日です。指定期間中のみしか申請できませんので、ご注意ください。
申請の条件
申請の条件は、「老朽建築物除却等助成金」と「建替え促進助成金」で一部異なります。
老朽建築物除却等助成金の条件
- 対象の建物は不燃化特区区域にあること
- 対象の建物は、助成金申請時に耐用年限の2/3が経過していること
※耐用年限は木造の場合「築15年以上」、木造モルタル造の場合「築14年以上」、レンガ・ブロック造の場合「築25年以上」、鉄骨造の場合「築23年以上」、RC・SRC造の場合「築32年以上」です。 - 対象となる建物の敷地が優先整備路線に接する場合、道路拡幅整備(道路の幅を広くすること)に寄与(貢献)すること
- 申請者は対象となる建物の所有者等であること
建替え促進助成金の条件
- 申請者は「老朽建築物除却等助成金」を利用し対象の建物を除却後に、建て替えを行うこと
- 新築する建物の敷地が優先整備路線に接する場合、道路拡幅整備(道路の幅を広くすること)に寄与(貢献)すること
- 新築する建物は周辺環境に配慮していること
- 新築する建物は建築基準法に規定する「耐火・準耐火建築物」または「耐火・準耐火建築物と同等以上」の延焼防止性能があること
- 新築する建物は一戸建ての住宅、共同住宅、長屋、店舗等併用住宅等(仮設建築物、高架の工作物に設ける建築物等は除く)であること
- 申請者は狭あい道路(道幅4メートル未満の道路)の拡幅整備に伴う電柱の移設に協力すること
「老朽建築物除却等助成金」と「建替え促進助成金」のお問い合わせ先は、杉並区役所の不燃化推進係です。
【お問い合わせ先】杉並区役所 都市整備部 市街地整備課 不燃化推進係
【住所】〒166-8570 杉並区阿佐谷南1-15-1(西棟3階)
【電話番号】03-3312-2111(内線3365)
【ホームページURL】https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/machi/mokuzou/1005073.html
東京都杉並区で利用できる空き家の除却に対する助成制度
杉並区の「老朽危険空家除却費用の助成制度」では、不燃化特区区域(杉並第六小学校周辺地区、方南一丁目地区)を除く、区内全域において、特定空家等または特定空家等に準じる建築物の除却にかかる費用を一部支給しています。
特定空き家とは?知っておきたい認定条件と対策支給金額と申請期限
助成金の交付額は除却にかかる費用の80%で、上限は150万円です。なお、1,000円未満の端数は切り捨てとします。
受付開始日や申請期限は定められていません。
しかし予算に限りがあるおそれもありますので、交付をご希望の方は事前に杉並区役所に確認しておきましょう。
申請の条件
申請を行うには、定められている条件をすべて満たしている必要があります。
- 対象の空家は特定空家等または特定空家等に準じる建築物であること
- 対象の空家が共同住宅・長屋の場合は全住戸が空室であること
- 対象の空家は空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく「措置」を命じられていないこと
- 申請者は個人の所有者であること(法人は不可)
※相続等で複数の所有者がいる場合は、全ての所有者から除却の同意を得た代表者であること - 申請者は助成金交付申請時に住民税を滞納していないこと
- 申請者は暴力団員または暴力団または暴力団員と密接な関係がないこと
- 申請者は工事の着手前に助成金の交付申請をすること(工事着手後の申請不可。)
- 申請者は不動産販売・賃貸のために除却しないこと
- 申請者は過去に国や地方公共団体から同様の助成を受けていないこと
杉並区の「老朽危険空家除却費用の助成制度」に関するお問い合わせ先は、杉並区役所の空家対策係です。
【お問い合わせ先】杉並区役所 都市整備部住宅課空家対策係
【住所】〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
【電話番号】03-3312-2111
【ホームページURL】https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/akiya/1028839.html
東京都杉並区で利用できる木造住宅等の除却に対する助成制度
杉並区の「木造住宅等の除却に関する助成制度」では、不燃化特区区域を除く木造住宅密集地域にある木造住宅を対象に、除却にかかる費用を一部支給しています。
本助成金は、次の木造住宅密集地域に建てられた住宅を対象にしています。
・阿佐谷南1・2丁目
・阿佐谷北1〜6丁目
・高円寺南3丁目(2・4丁目は一部)
・高円寺北2〜4丁目
・天沼1丁目の一部
・本天沼1・2丁目の一部
引用:除却助成対象地域図
支給金額と申請期限
支給金額は150万円または除却にかかる費用の1/2のうち、どちらか低い額です。
令和4年度の申請期間は、4月1日~12月23日。年度内に工事を完了させ、令和5年3月24日までに区へ工事の完了実績報告をしてください。なお、令和5年度の申請開始日は4月1日からの予定です。
申請の条件
申請を行うためには、定められている条件をすべて満たしている必要があります。
- 対象の住宅は昭和56年5月以前に建築された木造住宅であること
- 対象の住宅は不燃化特区地域を除く木造住宅密集地域にあること
- 対象の住宅は耐震診断の結果Iw値(上部構造評点)が1.0未満であること
- 申請者は対象となる住宅の所有者であること
- 申請者は本制度以外の助成金を受けていないこと
- 対象となる住宅の所有者は大企業でないこと
- 対象となる住宅の所有者は住民税を滞納していないこと
杉並区の「木造住宅等の除却に関する助成制度」のお問い合わせ先は、杉並区役所の耐震改修担当です。
【お問い合わせ先】杉並区役所 都市整備部 市街地整備課 耐震改修担当
【住所】〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1(区役所西棟3階)
【電話番号】03-3312-2111
【ホームページURL】https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/taishin/1027987.html
東京都杉並区で利用できる特定緊急輸送道路沿道にある建物の除却・建て替え等に対する助成制度
杉並区の「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に関する助成制度」では、特定緊急輸送道路の沿道にある建物を対象に、耐震化のための費用を一部支援しています。
大規模災害が発生した際に救急救命・消火活動・物資輸送などに使用する道路のことです。災害からの復旧、復興に重要な道路となるため、特定緊急輸送道路沿いにある建物には耐震診断が義務化されています。
以下は、杉並区内で特定緊急輸送道路に指定されている路線です。
・新青梅街道
・青梅街道
・井の頭通り
・甲州街道
・環状七号線
・環状八号線
・首都高速四号線
なお、耐震化の支援対象となるのは「補強設計」「耐震改修」「除却・建替え」「耐震化準備事業(工事を2回に分けて、段階的に耐震性を向上させる事業)」です。本章では、そのうちの「除却・建替え」について解説します。
支給金額と申請期限
「除却・建替え」の支給金額は、「実際の工事で必要な費用」または「取り壊す建物の延べ面積×㎡単位」のうち、いずれか低い額×11/30(5,000㎡を超える部分は11/60)で求めます。なお、㎡単位に当てはめる額は建物の種類により変動します。
㎡単位には建物が住宅なら3万4,100円を、マンションなら5万200円を、住宅とマンション以外なら5万1,200円を入れて計算してください。
申請期間は毎年4月1日~10月31日です。10月31日が土日の場合は、前金曜日が期限となりますのでご注意ください。また、令和6年3月までに工事の契約をし、令和7年3月までに完了することが条件です。
なお、状況により期限を過ぎても申請できる場合があります。
申請の条件
次の条件をすべて満たすと、申請できます。
- 対象となる建物の敷地が特定緊急輸送道路に接していること
- 対象の建物は昭和56年6月1日施工の耐震基準改正前に建築されていること
- 対象の建物の高さは、道路幅の約1/2以上であること(建物がある道路の中心から斜め45度の直線を引いた際に、約1/2以上あれば該当します。)
- 対象の建物は杉並区の助成を受けた精密診断(建築士が行う耐震診断の一種)で耐震性の不足が明らかであったこと
- 対象の建物が建築基準法をはじめとした法令に抵触していた場合、事前に相談していること
- 申請者は対象の建物の所有者であること
「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に関する助成制度」のお問い合わせ先は、杉並区役所の耐震改修担当です。
【お問い合わせ先】杉並区役所 都市整備部 市街地整備課 耐震改修担当
【住所】〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1(区役所西棟3階)
【電話番号】03-3312-2111
【ホームページURL】https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/taishin/1004995.html
助成金を申請したい方は解体無料見積ガイドへ
当協会(一般社団法人あんしん解体業者認定協会)が運営する『解体無料見積ガイド』では、解体を行う方へ立地条件やご希望を考慮し、最適な業者を無料でご紹介しています。
ご紹介の際には、助成金の申請についてもアドバイスいたしますので、解体のご予定がある方は、ぜひ当協会までご相談ください。
ご相談いただいた方には、地域専任スタッフが専属でご対応いたします。
ブロック塀等の撤去等に対する助成制度
杉並区が行う「ブロック塀等安全対策支援」では、区が危険と判断したブロック塀等の撤去と撤去後に行う軽量フェンス等の設置に必要な費用を一部支給しています。
撤去する場合の支給金額は最大50万円。内訳は「実際の工事で必要だった費用×2/3」と「ブロック塀等の長さ×1メートル当たり2万3,000円」で計算した額の、いずれか低い額です。撤去後に軽量フェンス等を設置する場合も上限は50万円です。撤去の支給金額と合算しますので、ご注意ください。
ただし、ブロック塀等が接する道路が通学路及び避難路の場合、撤去と新設工事の支給金額は最大100万円に変わります。また、ブロック塀等と一体となった高さ60センチメートル超え、2メートル以下の土留めを撤去、もしくは造り替える工事を行う際は、「ブロック塀等の長さ×1メートル当たり2万3,000円」を「1メートル当たり3万4,000円」に読み替え、「50万円」を「75万円」に読み替え、「100万円」を「150万円」に読み替えてください。
なお、申請には条件があります。申請を検討される方は、下記の条件すべてに該当しているかご確認ください。
- 対象のブロック塀等は道路の幅4メートル以上の建築基準法及び道路法上の道路に面していること
- 対象のブロック塀等はコンクリートブロック塀、石積塀、万年塀等(塀に付随する門柱・門扉、土留めのみは含まない)であること
- 対象のブロック塀等は道路面からブロック塀等の頂部までを計測した高さが80センチメートル以上あること
- 対象のブロック塀等は下記の別表第1の基準のいずれかを満たしていないこと
- 工事では基礎を含むブロック塀等を全部撤去すること(※安全性が確認できた場合に限り、80cm未満の高さを残して撤去可能。門柱のみの撤去は不可。)
- 撤去後に軽量フェンス等を新設する場合、「撤去したブロック塀等の範囲内で設置」し「道路の中心からの高さを2メートル以下で新設」し「軽量フェンス等の腰壁として設置されるコンクリート(ブロック含む)については、道路の中心からの高さが80センチメートル未満で新設」すること
- 工事は土地または建物の売買や新築が目的でないこと
- 工事では造成工事や建物の解体、建て替えに伴ってブロック塀等の撤去をしないこと
- 申請者は、これから撤去及び新設工事の契約を結ぶこと
- 対象のブロック塀等は申請時点で既に撤去等されていないこと
- 対象のブロック塀等は同じ敷地内で本制度や類似した制度における、助成金の交付を受けていないこと
- 申請者は杉並区内で対象のブロック塀等を所有または管理していること
- 申請者は住民税を滞納していないこと(企業の場合は、法人住民税を滞納していないこと)
東京都杉並区で業者をお探しなら解体無料見積ガイドへ
本記事では、東京都杉並区で利用できる解体や建て替えに関する助成制度について解説しました。杉並区には利用できる助成制度が多数あるため、建物の解体や建て替えをお考えの方は、ぜひ利用してみてください。
また、業者探しや助成金の申請でお困りごとがある方は、当協会の運営している『解体無料見積ガイド』へご相談ください。
ご相談いただい方には、アドバイスはもちろん、地域専任スタッフが建物の状況などをお伺いしたうえで、最適な業者を最大6社ご紹介します。見積りを比較することで、相対的に条件のいい業者を選んで工事を依頼できるようになりますので、ぜひご活用ください。