所有している空き家があれば、こまめなメンテナンスが必要です。でも、離れた場所に住んでいると管理がなかなか難しく、老朽化が進んでしまうことが多いかもしれません。そこで、大分県佐伯市では空き家解体の補助金で最大50万円(一部の離島は50万円以上)を出しています。資金面の負担を大幅に減らせますので、補助制度について確認しましょう。
もくじ
空き家解体の補助金の概要
はじめに、空き家解体の補助金の概要について説明します。補助の対象条件、補助金額の計算方法等について確認しましょう。
対象物件
次の条件すべてに当てはまる建物
- 佐伯市内にある木造建築物で、個人の所有(長屋・共同住宅・店舗は除く)
- 空き家の老朽度や隣接する土地等への危険度が、佐伯市の定める基準以上
- 同一敷地内に、本補助金の交付を受けた建築物がない
- 公共工事等による補助の対象となっていない
- 本補助金に似た補助等を受けていない
2番目の条件は、佐伯市の建物調査で測定されます。制度の利用を考えている段階では、屋根・壁・天井・柱・床等の老朽化が激しく、再利用もリフォームも難しい空き家を対象物件としてイメージしてください。
対象者
次の条件すべてに当てはまる方
- 対象物件の所有者、または相続人等(法人は除く)
- 市税を完納している
- 暴力団関係者ではない
- 対象物件を共有している親族等の同意がある(共有している場合。原則)
- 所有権以外の権利(借金の担保等)を持つ人の同意がある(他の権利関係者がいる場合)
- 対象物件について、法令等による措置命令を受けていない
- 虚偽の申請をしない
4番目の条件は、紛争等が生じた場合の誓約書(様式第1号)が出せるなら、同意がなくても問題ありません。
対象工事
次の条件すべてに当てはまる工事
- 建設業または解体業の許可等を受けた、佐伯市内の業者が行う
- 補助金の交付決定後に着手
- 対象物件の全部を解体撤去
最初の条件から、解体業者を選ぶ際は佐伯市内に限定する必要があります。
また、2番目の条件から、交付の決定通知が届く前に、解体業者との契約や着工をしてはいけません。
補助金額
・解体費用(解体・運搬・処分)×80%
・対象物件の延べ床面積(㎡)×国の標準額×80%
〇補助金額(次のうち、どちらか少ない額)
・補助対象経費×50%
・50万円(上限額。ただし、離島については大入島60万円、大島75万円、屋形島・深島90万円)
ちょっと分かりづらいかもしれませんので、補助金額=解体費用×40%以下(上限額:50万円)と考えてください。
ちなみに、家財道具・機械・車両・地下埋設物(浄化槽等)といったものの撤去費用は解体費用に含まれません。注意しましょう。
受付期間
2019年度(平成31/令和元年度)は4月22日(月)~8月30日(金)です。
ただし先着順で、予算の上限に達すると受付が打ち切られますので、早めに行動しましょう。(ちなみに、受付期間が終わっても追加で募集することがあるので、佐伯市役所への問い合わせや公式サイトの確認をしてみてください)
空き家解体の補助金の手続き方法
続いて、空き家解体の補助金の手続き方法について説明します。大まかな申請の流れについては、以下の通りです。
↓
☆交付の申請
↓
交付の決定通知
↓
☆解体工事
↓
☆実績報告
↓
補助金額の確定通知
↓
☆交付の請求
↓
補助金の交付
「☆」を付けた部分が、申請者側で何らか動く必要があるところです。上から順番に確認していきましょう。
事前準備
交付の申請前にやることとして、佐伯市への事前相談と建物調査の依頼、工事の見積書作成の依頼があります。
事前相談では、補助対象の条件や注意事項等を簡単に確認します。その後、佐伯市職員による建物調査で建物の危険度が測定され、対象物件に当たるかが判定されます。申し込みには以下の書類を佐伯市に提出しましょう。
・事前調査の申込書(様式第2号)
・登記事項証明書(未登記の場合は、固定資産課税台帳記載事項証明書)
・所有者等であることを証明する書類
・建物の位置図
また、必要に応じて代行届(様式第14号)も付けます(以降の手続き時も同様)。登記事項証明書については、登記所・法務局に確認してみてださい。
建物調査で対象物件と認められたら、調査の結果通知(認定の通知)が届きます。
工事の見積書については、解体業者に連絡して現地調査をお願いします。現地調査の結果をもとに見積書を作成してもらいますが、連絡から見積書入手までは大体2週間程度かかります。
ちなみに、解体業界は優良業者が少ないので、業者選定はあんしん解体業者認定協会にぜひお任せください。(悪徳業者によるトラブルが起こると、依頼者側の責任も問われるケースがあるので注意です)
交付の申請
事前準備が完了したら、交付の申請をしましょう。次の書類を佐伯市役所に出します。
・交付申請書(様式第4号)
・暴力団関係者でない旨の誓約書(様式第5号)
・市税の完納証明書
・工事の見積書(内訳付き)
・対象物件の平面図と床面積求積図
・現場写真
また、他の権利関係者がいる場合は、同意書・紛争が生じた場合の誓約書(様式第1号)等も用意しましょう。
交付の申請後に書類審査があり、その審査を通れば交付の決定通知(様式第6号)が発行されます。
解体工事
交付の決定通知が手に入ったら、解体業者と契約して着工をしてもらいましょう。(交付の決定通知が届く前に契約・着工すると補助が受けられません!!)
佐伯市役所へは、工事内容を変更する場合等に変更等の承認申請書(様式第8号)を出します。
また、工事の完了報告をする際に工事の開始前・途中・完了後の写真が必要です。解体業者に必ず撮影をお願いしておきましょう。
実績報告
解体工事が終わって代金の支払いが済んだら、工事の完了報告をしましょう。
・実績報告書(様式第11号)
・工事の請負契約書の写し
・工事の請求書または領収書の写し(解体業者が発行したもの)
・工事の開始前・途中・完了後の写真(工事前後と工事内容が分かるもの)
・建設リサイクル法の届出の写し(必要な場合のみ)
・産業廃棄物管理票(マニフェスト)E票の写し
解体業者から必要書類を受け取りましょう。
実績報告に対しても書類審査があり、問題がなければ補助金額の確定通知(様式第12号)が届きます。
交付の請求
補助金額の確定通知を受け取ったら、交付の請求ができます。次の書類を佐伯市役所に提出しましょう。
・交付請求書(様式第13号)
交付の請求書で指定した口座に補助金が振り込まれます。
以上で、空き家解体の補助金の手続きは終了です。
建築住宅課
——————————
所在地:〒876-8585 佐伯市中村南町1番1号
電話:0972-22-3574(建築住宅課)
また、書類データは以下からダウンロードできます。
事前調査の申込書(様式第2号)[PDF]
交付申請書(様式第4号)[PDF]
暴力団関係者でない旨の誓約書(様式第5号)[PDF]
変更等の承認申請書(様式第8号)[PDF]
実績報告書(様式第11号)[PDF]
交付請求書(様式第13号)[PDF]
代行届(様式第14号)[PDF]
佐伯市公式サイトの見方
ところで、空き家解体の補助金について調べようと考えたら、佐伯市公式サイトを確認する方が多いのではないでしょうか。ただ、公式サイトは情報量がかなり多いので、解体補助金の情報を探すのは意外と大変です。
そこで、最後に佐伯市公式サイトで解体補助金ついて調べる方法やページ内容についてお話しします。
解体補助金の情報を調べる方法
まず、Google等の検索サイトで「佐伯市」と入力して調べ、検索一覧から「佐伯市ホームページ」を選択します。
これで、佐伯市公式サイトのトップページに入れました。続けて、「暮らしの便利帳」⇒「(住宅・建築の)佐伯市老朽危険空き家除去促進事業」と選択してください。
すると、以下のページが表示されます。
引用元:佐伯市公式サイト
同じページ内に複数の制度が載っていますが、上の方法でページを開くと解体補助金に関する部分から表示されます。
解体補助金ページの情報内容
空き家解体の補助金(佐伯市老朽危険空き家除却促進事業が正式名称)が載っている部分には、対象条件や補助金額等のほか、補助金交付要綱があり、この要綱に制度内容が詳細に書いてあります。ただし条文形式で少々分かりにくいかもしれませんので、基本的にはこの記事の概要や手続き方法をご覧いただければと思います。
また、とても重要なのが申請の受付に関する最新情報です。補助対象の条件を満たしていても、申請の受付期間外なら当然補助は受けられません。制度を利用するときには、必ずチェックしましょう。
まとめ
今回は、大分県佐伯市の空き家解体の補助金についてお話ししました。空き家の処分はお金も手間もかかるので、決して楽ではありません。ただ、補助金制度をしっかり活用できれば、資金面ではとても助かります。
ぜひ、佐伯市に建物調査を依頼するところから始めてみましょう。
佐伯市公式サイト:佐伯市老朽危険空き家除却促進事業(暮らしの便利帳-住宅・建築)
解体工事にはお金と時間がかかります。しかし、正確な情報をもとに計画的に進められれば、補助金・助成金も使えて費用をかなり抑えられます。さらに、私たちあんしん解体業者認定協会では、信頼できる解体業者の紹介と正しい情報の発信等しています。迷ったら、ぜひお気軽にお問い合わせください。