所有している空き家の管理はできていますか? 自宅から遠くにある空き家は、状態をチェックするだけでも大変です。しばらく手入れしていない場合、老朽化によって再利用は難しいかもしれません。そこで、栃木県鹿沼市では空き家解体の補助金を最大50万円まで出しています。解体工事をする場合は、ぜひ補助金を活用しましょう。
もくじ
空き家解体の補助金の制度概要
最初に、空き家解体の補助金の制度概要(補助の対象条件、補助金額等)について整理します。
対象物件
次の条件すべてに当てはまる建物
- 鹿沼市内にあり1年以上空き家状態
- 鹿沼市によって「不良住宅」または「特定空家等」と認定された空き家
- 申請時に所有権以外の権利(借金の担保等)が設定されていない(ただし、権利者から同意を得られている場合は可)
- 空家等対策の特別措置法による命令または措置を受けた特定空家等ではない
- 公共事業等の補償対象となっていない
- わざと破損させて不良住宅または特定空家等となったものではない
- 不動産関連の業者が利益を目的として所有するものではない
不良住宅と特定空家等については、屋根・外壁・柱等の老朽化が激しく、再利用ができない空き家をイメージしてください。
具体的には、以下の通りです。
また特定空家等には段階があり、簡単にまとめると特定空家等に指定⇒助言・指導⇒勧告⇒命令⇒行政代執行等の措置の順に事態が重くなります。
指定や助言・指導の段階までに解体撤去等の必要な行動ができれば、ペナルティ(罰)はありません。
対象者
次の条件のどれかに当てはまる方(ただし、鹿沼市の市税に滞納がないこと)
- 空き家の所有者(登記事項証明書や固定資産課税台帳に所有者として記録されている方またはその相続人)
- 空き家がある土地の所有者(登記事項証明書や固定資産台帳に所有者として記録されている方またはその相続人)
- 上記1、2の3親等以内の親族や後見人
条件3の3親等以内とは、配偶者側も含めた両親・祖父母・曾祖父母・子供・孫・曾孫・兄弟姉妹・甥姪・おじおば等のことです。
また、各申請者が同意を得るべき方については以下の通りです。
対象工事
次の条件すべてに当てはまる工事
- 鹿沼市内の業者が請け負う
- 建設業の許可または解体工事業の登録と受けた業者が請け負う
- 交付決定前に工事の請負契約を結んでいない
- 暴力団員等(密接な関係者含む)ではない
- 建物の全部を解体して更地にする
条件1にある通り、補助を受けたい場合は鹿沼市内の解体業者に依頼する必要があります。
補助金額
補助対象経費には消費税も含まれます。
ちなみにブロック塀や樹木の撤去等に関しては、不良住宅と特定空家等とでは補助対象が異なります。詳しくは、鹿沼市役所に聞いてみてください。
受付期間
2019年度(平成31/令和元年度)は4月1日~12月27日です。
ただし先着順で、予算の上限に達すると受付が打ち切られますので、早めに行動しましょう。(ちなみに、受付が終わっても再募集することがあるので、市役所への問い合わせや公式サイトの確認をしてみてください)
空き家解体の補助金の手続き方法
次に、空き家解体の補助金の手続き方法(手続きの流れ、用意するべきもの等)についてまとめます。
↓
☆交付申請
↓
交付の決定通知
↓
☆解体工事
↓
☆実績報告
↓
検査結果等の通知書
↓
☆交付請求
↓
補助金の交付
「☆」を付けた部分が、申請者側で手続きが必要なところです。上から順番に見ていきましょう。
事前準備
まず、鹿沼市へ事前相談と不良住宅の判定依頼、解体業者へ工事見積書の作成依頼をしてください。
事前相談では、自身が補助の対象となる見込みの有無や手続き上の注意点等を確認します。疑問点・不明点についても、この時点でできる限り解決しておくのがベストです。
事前相談を終えたら不良住宅の判定依頼をします。以下の書類を鹿沼市役所(建築課 空き家対策係)に提出してください。
・不良住宅等の判定申請書(様式第1号)
・位置図
・現状が分かる写真(外観と建物内部)
申請をすると現地調査が行われ、補助対象である不良住宅または特定空家等に該当するかが判定されます。
また工事見積書に関しては、解体業者に作成をお願いする必要があります。
ただし、解体業界は悪徳業者(不法投棄・手抜き工事・不当な追加請求等の不正を働く業者)が多いのが現状です。
そこで、あんしん解体業者認定協会では、無料サービスとして実績のある優良業者の3社紹介を行っています。3社の比較により、適正範囲内で価格を抑えつつ高品質な解体工事ができるようにサポートしていますので、ぜひご連絡ください。
交付申請
事前準備が済み次第、交付申請をしましょう。以下の書類を鹿沼市役所に出してください。
・交付申請書(様式第3号)
・建物の登記事項証明書(未登記の場合は、固定資産税の課税明細書の写しまたは名寄帳の写し)
・建物の位置と現状が確認できる写真
・工事見積書の写し(内訳明細付き)
・建設業の許可証または解体工事業の登録証の写し等
・鹿沼市の市税完納証明書
・同意書(必要な場合)
・戸籍謄本等(申請者が相続人、親族等である場合)
同意書が必要かどうかに関しては、この記事の制度概要の対象者をご覧ください。
交付申請をすると、書類審査等を経て交付の決定通知書が発行されます。
解体工事
交付の決定通知書が届いたら、解体業者と契約を結んで着工してもらいます。(順序を守らない場合、補助を受けることはできません)
また、工事の開始と同時に次の書類を提出してください。
・着手届(様式第9号)
また、工事内容に大きな変更を加えたい場合は、変更等の承認申請書(様式第6号)を出す必要があります。
ちなみに、実績報告をするときに工事後の土地の状況が分かる写真を求められますが、解体業者にはついでに全工程の写真を撮っておいてもらうと、トラブルへの備えにもなるので安心です。
実績報告
解体工事が完了したら、実績報告を鹿沼市役所にします。以下の書類を出してください。
・実績報告書(様式第10号)
・領収書等(補助対象経費の額が分かる書類)
・解体後の土地の状況が分かる写真
実績報告をすると、書類審査や現地検査等が行われた後、検査結果等の通知書が発行されます。
交付請求
検査結果等の通知書を受け取ったら、15日以内に交付請求する必要があります。次の書類を提出しましょう。
・交付請求書(様式第12号)
この交付請求書で指定した口座に対して、補助金が振り込まれます。
空き家解体の補助金については以上です。
何か分からない点があれば、鹿沼市役所に問い合わせましょう。
都市建設部 建築課 空き家対策係
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所在地:〒322-8601 栃木県鹿沼市今宮町1688-1(新館4階)
電話:0289-63-2243
FAX:0289-63-2274
メール:kenchiku@city.kanuma.lg.jp
空き家解体の補助金に関する情報取得
最後に、空き家解体の補助金に関する情報取得について説明します。
補助金のことを調べたいと思ったら、まず鹿沼市公式ホームページのチェックは欠かせません。ですが、自治体のサイトは情報量が多いので、目的の情報を探すのは意外と大変です。
そこで、空き家解体の補助金ページの行き方と内容についてお話しします。
空き家解体の補助金ページへの行き方
まず、Google等の大手検索サイトを使って鹿沼市を調べ、一覧から鹿沼市公式ホームページを選択します。
これで鹿沼市公式ホームページに入れました。そのまま続けて、「くらし・手続き」⇒「住まい・ペット」⇒(住まい)「鹿沼市空家解体補助金」と選択してください。
すると次のページが表示されます。
引用元:鹿沼市公式ホームページ
この「鹿沼市空家解体補助金」というページに、空き家解体の補助金に関する情報が書かれています。
空き家解体の補助金ページの内容
空き家解体の補助金(鹿沼市空家解体補助金)ページには、制度概要や補助金額、申請期間や募集件数といった情報のほか、Q&Aや各種様式(申請書類データ)のダウンロードができるようになっています。
Q&Aは、実際に手続きを進めるうえで生じる様々な疑問と、その答えをまとめたものです。一度は必ず目を通しておきましょう。
また各種様式(申請書類データ)は、記入が必要な書類をご自宅で作成するのに役立ちます。鹿沼市役所に向かう前に、あらかじめ書類を作っておくことができるので、ぜひ活用しましょう。
その他、受付に関する最新情報等、重要なお知らせが載る可能性があるので、申請の際は必ず鹿沼市公式ホームページをチェックしましょう。
まとめ
今回は、栃木県鹿沼市の空き家解体の補助金についてまとめました。
最近は人件費や解体ゴミの処分費が上がっているため、解体費用も年々増加しています。ですから、空き家は補助金が使える今のうちに解体撤去することを検討するべきでしょう。
まずは、鹿沼市へ事前相談と不良住宅の判定依頼をするところから始めてください。
鹿沼市公式ホームページ:鹿沼市空家解体補助金
解体工事にはお金と時間がかかります。しかし、正確な情報をもとに計画的に進められれば、補助金・助成金も使えて費用をかなり抑えられます。さらに、私たちあんしん解体業者認定協会では、信頼できる解体業者の紹介と正しい情報の発信等しています。迷ったら、ぜひお気軽にお問い合わせください。