安全で安心な家に住みたい!地震に強い家は何が違う?

いつどんな状況で起こるか予測できず、防ぐこともできない自然現象、それは地震。
地震は日常に支障を来す恐ろしいものですが、日本に住み続ける限り、発生する可能性を常に頭の隅に置いておかなければなりません。

日本は他国に比べ地震の発生率が高く、だからこそ建物の耐震性の高さは秀でています。
では耐震性の高い建物は、耐震性の低い建物に比べ何が優れているのでしょうか?
今回は、耐震性が高く地震に強い家の仕組みと、安心で安全に暮らすための住宅の選び方をご紹介いたします!

耐震強度の強い住宅の構造とは

そもそも住宅の構造は、使う材料によって「木造」「S造(鉄骨造り)」「RC造(鉄筋コンクリート造り)」の3種類に分けられます。「木造は地震に弱い」という通説もありますが、果たしてどの構造の住宅が最も地震に強いのでしょうか?

木造住宅は本当に地震に弱いの?

木造住宅というと何かと「地震に弱い」「倒壊しやすい」というイメージを持たれがちですが、実はそうでもないのです。
木造の家は、木本来の持つ「しなやかさ」で地震の揺れを逃がす力を持っています。その証拠として、大昔から建ってる神社やお寺などは、ほとんどが完全木造で作られたまま今もなお在り続けていますよね。

ではなぜ木造住宅には「倒壊しやすい」というイメージが持たれやすいのかというと、それは木の「老朽しやすさ」にあります。
木材は耐水性が低く、雨や湿気により脆くなりやすい素材です。水で弱った木材はシロアリなどの害虫の格好の餌となり、腐朽が更に進みやすくなってしまい、もろく腐朽してしまった木造住宅は、地震や台風などの刺激により倒壊しやすくなってしまうのです。

木造・S造・RC造の違い

それぞれ3つにどのような特徴の違いがあるかというと、先述の通り、それはそもそもの使う「素材」の違いにあるのです。
木造は、住宅の主要な部分に木材を使う構造のことを言い、木材はほかの素材に比べ軽量で加工・組立てがしやすいと言われています。
S造(鉄骨造り)は、加工した鉄鋼材をボルトで組み合わせ、柱や梁等に使用しています。工場で加工しているため製品が安定していて、耐久性に優れていると言われています。
一方RC造(鉄筋コンクリート造り)は、引っ張る力を持つ鉄筋と、強い圧縮力を持つコンクリートを組み合わせることで、強度と耐久性のある構造とされています。

どの構造にもメリットはあり、また工事のしやすさや費用などを含めれば、デメリットも存在します。地震への強さだけで言えばどの構造が最も優れているとは言えず、どの構造も素材の活かし方や、家を建てる工法によって耐震性能は変わると言えます。

家を建てる土地選びも大切!

地震に強い家を建てるためには、家を建てる土地を上手に選ぶことも大切です。
「ここに家を建てよう!」と決めた土地によって工法を見直す必要もありますし、まずはその土地の特徴についてしっかり理解しなくてはなりません。

造成・整地したての土地は危険!?

山地を開拓したり、田んぼなどの農地を住宅地として造成・整地したばかりの土地には、注意が必要です。その理由は、新しく造られた土地には、もともとあった地盤の上に土を盛る盛り土をされている可能性があり、もともとの地盤と追加した盛り土の固さに差が生まれ、土地の不同沈下が起きやすいため。
不同沈下とは建物が不揃いに沈下してしまう現象のことで、家全体ではなく、一方向に傾いてしまうような状態のことを言います。
不同沈下が起きてしまうと地震の際に家に伝わる揺れが異なるため、建物にヒビが入ったり、倒壊の危険性が高まることになってしまいます。

軟弱地盤を見分けることが重要

川や湖や沼など、水辺に近いところにある土地は泥や水を含んでいて、強度の低い軟弱地盤である可能性が高いです。
軟弱地盤においては揺れ幅の大きな地震で建物が倒壊しやすいという危険性があり、固い地盤まで杭を打って建物を支えたり、地盤自体を改良する工事を行う必要があります。

土地を購入する際に、あらかじめその土地が軟弱地盤であるかどうかの調査を行うことはできません。しかし、以下の項目に当てはまる土地の地盤は軟弱地盤である可能性が高いため、注意したほうがよいでしょう。

・造成されてから10年未満である
・整地されてから5年未満である
・近くに川、湖等の水辺がある
・付近の道路に亀裂・陥没等が見られる
・付近の建物の壁や塀に亀裂が見られる

必ずしも当てはまる土地の地盤が軟弱地盤であるわけではありませんが、複数に該当するような土地は軟弱地盤である可能性が高いと言えます。

家のつくりと形にこだわるべき!

家の素材や土地だけでなく、家の「つくり」や「形」によっても耐震性能は変わります。
できるだけ家づくりをシンプルにすることで、地震の被害を抑えることができるのです。

四角に近ければ近いほど耐震性は高い?

地震によって崩れやすい家の特徴のひとつとして、「地震による揺れが分散されない構造である」というものもあります。地震による揺れは分散されることで逃がすことができますが、1か所に集まってしまうとそこから倒壊が始まってしまう危険性が高まるのです。わかりやすくいえば、凹凸の多いデコボコした家よりも、真四角で凹凸の少ない家のほうが倒壊の危険性は低いということですね。
たとえば、2階よりも1階がせり出ている構造であったり、1階に柱建ての駐車場などがある建物は家全体に伝わる揺れの強さが異なるため、強い揺れに耐えられない部分が出てきてしまうのです。

床や屋根の強さにも注目!

柱や筋交い、耐力壁だけではなく、床や屋根を含めて耐震性の高い家は完成します。

壁に対し垂直な床は、地震から生じる曲げ・ねじれに耐えうる力や、横方向にかかる力や水平力を耐力壁まで伝えるという重要な役割があります。
床自体が変形したり割れたりしないよう、二重層の構造の床を使うのもいいでしょう。

また、屋根にも地震の際に揺れの重心位置を左右する重要な役割があります。
地震の際、家屋の揺れは重心の位置によって変わり、屋根自体が重いと重心位置が高くなってしまうため、家全体に伝わる揺れも不安定になってしまいます。また、実際の地震では、先端になればなるほど遠心力が大きくなり、屋根の重さの数倍以上の力が揺れに加わってしまうことになります。つまり、屋根が軽ければ軽いほど重心位置が下に下がるため、地震による揺れを軽減することができるのです。

まとめ

いかがでしたか?今回は、地震に強い家の特徴と選び方をご紹介しました。
地震に強く安心で安全な家を作るためには、土地の地盤・家のつくり・素材に注目することが重要です!
地震による被害の可能性は、この国に住む誰もに等しく存在します。「もしも」のときに備え、安心できる強い住宅を選びましょう。