【4/1より実施】石綿の事前調査報告に伴う電子システムの利用方法

2022年4月から実施される、石綿(アスベスト)の事前調査報告にともない、行政の電子申請システムが導入されることになりました。
この記事では、対象になる工事や調査から報告までの流れ、申請システムの利用方法などを分かりやすく解説していきます。

石綿事前調査報告が義務化になった背景

石綿は人体に様々なリスクがあることから、2006年に使用が全面的に禁止されました。ところが、石綿は体内での潜伏期間が長く、症状が出るまでに10年から50年と長い年月が掛かります。そのため、最近になって疾患が発見され問題になっているケースもあり、既存の建物に残された石綿の処分に関してより慎重な対応が求められています。

建設アスベスト訴訟
建設業務に従事していた労働者とそのご遺族らが、国に対して損害賠償を請求した「建設アスベスト訴訟」では、令和3年(2021年)5月17日最高裁によりに国敗訴の判決が言い渡され、現在は和解が成立しています。
参考 建設アスベスト訴訟に係るこれまでの経緯|厚生労働省

くれぐれも石綿の危険性を十分に認識したうえで調査を行い、漏れなく報告をするように務めましょう

石綿事前調査報告の対象となる工事

下記のいずれかに該当する工事は、石綿の有無に関わらず漏れなく報告の対象になります。

  1. 解体部分の床面積が80㎡以上の建築物の解体工事
  2. 請負⾦額が税込100万円以上の建築物の改修工事
  3. 請負金額が税込100万円以上の工作物の解体または改修工事

※工作物…反応槽、加熱炉、ボイラー、圧⼒容器、配管設備(建築物に設ける給⽔・排⽔・換気・暖房・冷房・排煙設備等を除く)、焼却設備、煙突(建築物に設ける排煙設備等を除く)、貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)、発電設備(太陽光発電設備・⾵⼒発電設備を除く)、変電設備、配電設備、送電設備(ケーブルを含む)、トンネルの天井板、プラットホームの上家、鉄道の駅の地下式構造部分の壁・天井板、遮⾳壁、軽量盛⼟保護パネル

引用:石綿事前調査結果報告システムについて|厚生労働省

【例】
延床面積が25坪を超える戸建て住宅の全部を解体するケース
報告の対象。延床面積が80㎡を超えるため報告の対象になります。(1坪=約3.3㎡)

石綿事前調査の詳細

工事が報告の対象だった場合、まずは「事前調査」を行いましょう。
なお、事前調査は以下のいずれかに該当してる資格者等に依頼する必要があります。

  1. 特定建築物石綿含有建材調査者
  2. 一般建築物石綿含有建材調査者
  3. 一戸建て等石綿含有建材調査者
  4. 令和5年9月30日以前に(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点においても引き続き登録されている者

なお、アパートやマンションなどの集合住宅で、「共用部等」がある場合は、「一般建築物石綿含有建材調査者」もしくは、「特定建築物石綿含有建材調査者」を取得している資格者等に調査を依頼する必要があります。

石綿の事前調査に伴う資格取得のご案内

認可を受けた登録機関が実施する講習を受講し修了すると、事前調査を実施する資格が取得できます。

種別 講習内容
1.特定建築物石綿含有建材調査者 講義(11時間)、実地研修、筆記試験、口述試験
2.一般建築物石綿含有建材調査者 講義(11時間)、筆記試験
3.一戸建て等石綿含有建材調査者 講義(7時間)、筆記試験

自社で事前調査が実施できると、調査から報告までをスムーズに進めることができます。講習のスケジュール等をご確認のうえ検討してみてください。

事前調査は設計図書等と現地調査の両方から行う必要があり、事前調査だけで石綿を含有しているかどうか判断がつかない場合は専門の調査機関へ詳しい分析を依頼するか、石綿を含んでいるとみなして報告をする必要があります。

分析調査の費用について

分析調査の費用相場は約3~5万円前後です。自治体の中には石綿の分析調査を対象にした補助金制度を設けているところもあります。

【例】足立区「吹付アスベスト分析調査助成制度」
参考 アスベスト対策Q&A - 国土交通省アスベスト対策Q&A - 国土交通省

電子申請システムによる報告の方法

事前調査の結果は、厚生労働省が管轄するWebページ「石綿事前調査結果報告システム」から申請します。(システムの運用開始は令和4年3月中を予定)

ユーザーテストのお知らせ
石綿事前調査結果報告システムの利用者を対象に、同システムの事前ユーザーテストが始まります。利用制限はなく、どなたでも参加できます。

【実施期間】令和4年1月18日~令和4年2月18日

利用アカウントの取得

また、申請システムを利用するには「gBizID」の登録が必要になります。「gBizID」とは、行政サービスを利用する際に必要な事業者向けの認証アカウントです。

「gBizID」は1つのアカウントで様々な行政サービスが利用できます。なお、石綿の事前調査報告で利用するのは「石綿事前調査結果報告システム」のみです。

「gBizID」の登録手順

1.「gBizID」の公式ページに移動します。

「gBizID」の登録手順

2.画面上部のメニューから「gBizIDエントリー作成」をクリックします。

「gBizID」の登録手順

3.「gBizIDエントリー(メールアドレス)登録」の画面に移動したら、「アカウントID(メールアドレス)」の右欄に登録するメールアドレスを入力して「登録」をクリックします。

「gBizID」の登録手順
「gBizID」の登録手順

メールアドレスの登録完了画面

4.「gBizIDエントリー(メールアドレス)登録完了」の画面が確認できたら、入力したアドレスに届いた、メール内に記載されているURLをクリックしてgBizIDの情報登録画面に移動します。

「gBizID」の登録手順
「gBizID」の登録手順

gBizIDの詳細情報入力の画面

法人番号の取得

入力項目にある「法人番号」が分からない場合は、「国税庁法人番号公表サイト」から確認できます。

「gBizID」の登録手順

法人番号の入力箇所

法人番号を取得する場合は「国税庁法人番号公表サイト」のトップ画面から、「商号又は名称」「所在地」を入力して「検索」をクリックします。

「gBizID」の登録手順

検索結果が表示されたら、法人番号を取得してgBizIDの情報登録画面に戻ります。

「gBizID」の登録手順

法人番号の検索結果画面

7.取得した法人番号を入力して右横の「法人情報取得」をクリックします。

「gBizID」の登録手順

8.その他の必要な項目を入力したら「規約に同意する」にチェックを入れ、パスワードを設定して「登録」をクリックします。

「gBizID」の登録手順

入力画面の下部画面

9.「gBizIDエントリーアカウント新規登録 確認」の画面に移動したら、内容に間違いかないか確認して「OK」をクリックします。

「gBizID」の登録手順

gBizIDエントリーアカウント新規登録 確認」の下部画面

10.「gBizIDエントリーアカウント新規登録 完了」の画面に移動したら登録完了です

「gBizID」の登録手順

登録情報の確認

1.ログイン画面より、「アカウントID(メールアドレス)」と「パスワード」を入力して「ログイン」をクリックし、マイページ画面に移動します。

「gBizID」の登録手順
2.マイページからは入力した詳細情報をいつでも確認することができます。
「gBizID」の登録手順
参考 GビズID | GビズIDで利用できる行政サービス一覧GビズID | GビズIDで利用できる行政サービス一覧

まとめ

この記事では令和4年4月1から実施される「石綿事前調査報告システム」に伴う申請の流れについてご紹介しました。
細かい部分もありましたが、運用が開始するまでにはしっかりポイントをおさえて、正しい手順で報告ができるようにしておきたいですね。
余裕がある方は、利用アカウントである「gBizID」を取得して、来年1月18日からスタートするユーザーテストに備えておきましょう。

ユーザーテストのお知らせ
石綿事前調査結果報告システムの利用者を対象に、同システムの事前ユーザーテストが始まります。利用制限はなく、どなたでも参加できます。

【実施期間】令和4年1月18日~令和4年2月18日