一軒家の解体費用相場は「一軒家」といっても、建物の構造にはさまざまなものがあります。経年劣化という言葉があり、建物も長く生活すればするほど劣化していきます。20年・30年と経過した一軒家は老朽化し、安全面で危険性がおよびます。
「建物も古くなってきたし、そろそろ建て替えどきかな…」と感じたときが、一軒家の解体を考えるべきなのかもしれません。敷地内には庭やブロック塀、樹木など解体費用に関わる項目がいくつもあります。
安く解体工事を済ませる方法はもちろん、建て替えのポイントについても見ていきましょう。
一軒家の解体費用と相場を把握しておこう
一般的に坪単価とは1坪当たりの建築費を指しますが、解体工事でも主な費用は坪単価で算出します。1坪はおよそ3.3平方メートルです。家の構造ごと(木造・鉄骨・RC)にかかる坪単価は変わってきますので、あくまでも目安の費用だと考えてください。
【一軒家の解体の費用相場(全国平均)】
- 木造の場合(1坪当たり)20,000円~30,000円
- 鉄筋コンクリートの場合(1坪当たり)40,000円~50,000円
例えば、延床面積が40坪の家で解体工事費が1坪辺り20,000円のケースでは、40坪×20,000円=80万円という計算になり、1坪辺り30,000円の場合と比較すると40万円の差になります!
付帯工事の内訳
解体工事費用の内訳は以下の金額を目安に参考してください。
【解体にかかる費用の内訳】 | |
解体工事(全体) | 20,000円~50,000円/坪 |
防音、防塵のための仮設工 | 500円~1000円/㎡ |
台所やトイレ、ガラスなどの 生活空間の内装解 |
5,000円~10,000円/坪 |
瓦屋根の解体、撤去作業 | 1,000円~2,000円/㎡ |
重機での解体作業費B15 | 3,000円~5,000円/坪 |
人件費 | 15,000円前後/人 |
廃棄物処理 | 5,000円~20,000円/㎥ |
樹木撤去 | 5,000円~20,000円/㎥ |
ブロック塀 | 2,000円/㎡ |
門や車庫、物置などの付帯物1個に付き | 20,000円程度から個別の金額 |
重機運搬費 | 40,000円程度 |
重要なのは解体工事にかかる費用に対して、樹木撤去やブロック塀撤去などの工事費も上乗せされる点です。そのため、あらかじめ解体工事費用についての内訳を細かく調べておくことが大切です。
坪単価は一定ではない理由
坪単価は解体工事の「見積もり」で最初に提示された金額で決まるとは限りません。解体中に地中埋設物が見つかったり、さらなる重機の搬入が必要になると費用はかさみます。
工事の坪単価は解体工事がシンプルになるほど安くなります。見積もりで算出された金額のまま解体状況を把握せずにいると、いつの間にか予算を上回っていたということも起こりかねません。
また、依頼する解体業者のエリアによっても坪単価は変わってきます。重機が搬入出来ないような狭い土地や作業員の少ない解体業者に依頼すると解体費用が高くなります。
解体費用が通常より高くなるケース
- 鉄筋コンクリート造や鉄骨造で通常想定されるより大きな基礎がつくられていた
- アスベストなど処分が難しい=お金がかかる建材が含まれている
- 道路が狭くて重機が入れない
基礎の構造で追加費用が発生
基礎の構造にはベタ基礎と布基礎があります。一般的に使われているのは「布基礎」ですが、「ベタ基礎」が使われていた場合、基礎を壊すためのハツリ作業(ノミをハンマーで叩くなどしてコンクリートを削る作業)が発生するため、割増になります。さらに、コンクリート片等の処分費も追加でかかるので、思いがけない出費となってしまいます。
しかし、基礎の構造は実際に解体工事に着手してみないと分からない場合がほとんどです。解体業者によっては床板の一部を剥がすなどして、基礎の構造を確認してもらえる場合もあるので、測量のタイミングで解体業者に確認しましょう。
建築物(家屋)の一番下にすえられたもので、建築物の全重量を支えるもの
アスベストがスレート瓦にも使われていた
解体工事において、有害な建材が使用されているケースは費用がかさみます。断熱性・遮音性などに対応できる建材として重宝されていたアスベストは、いまや有害な建材の代表として挙げられます。
もし、アスベストが含まれていた場合は、使用レベルに応じて除去作業を行う義務が課せられています。アスベストが建物に含まれているかどうかの判断は、測量に来た解体業者で判明するケースがあります。しかし、屋根裏など目視で確認できないスペースでは見過ごされてしまう可能性があり、建材の有無を正確に判定するためには専門業者に調査を依頼しましょう。
重機で壊せず、時間も手間もかかってしまった
敷地に入る道路が狭いなど、場合によっては解体用の重機が入れない場合があります。その場合、職人による手作業での解体作業しか解体方法がありません。
手作業での解体工事は工期も長くなり、当然、解体費は割増しになってしまいます。ただし、解体業者によっては小型の重機を使い、作業費を抑えてくれるケースもあります。事前の見積もりを取る時点で、詳しい工程を解体業者に確認してもらいましょう。
「10日間で終了」は間違い?解体工事の期間とは
業者選定までの時間が意外とかかる!
解体工事にかかる時間は、10日から2週間となっていますが、建物に使われている材料や大きさ、構造によって異なりますので、情報をこまめに把握しておきましょう。一軒家の解体にかかる期間や日数を、一律に「一ヶ月です」と言い切ることもできなので、業者が提示する日数にはその根拠をどんどん聞いてみましょう!
これよりも大きかったり、処理に手間がかかる構造や建築材料を使っていると時間がかかることになります。
建て替えを前提とした場合の注意事項
「今まで建ってたんだから大丈夫だろう?」と思われる気持ちはわかりますが、残念ながらそうではありません。現在、地盤調査は事実上義務付けられていて建て替えでも必ず行わなければいけません。
ひと手間でこれだけ変わる!一軒家の解体を安くする方法
最低3社から相見積もりをとる
解体費用は家屋の構造以外に、依頼する解体業者によっても変化します。同じ家屋を解体しても40万円以上の差が出るケースもあるのです!
見積書の書き方には法的規則がないため、業者ごとの見積もりをしっかり比較して決めるのが大切です。なお、解体業者へ見積もり依頼は一括見積もりサイトがおすすめです。なお、当協会が運営する解体無料見積ガイドは厳しい審査基準をクリアした解体業者の中からお近くの3社を無料で紹介できます。ぜひ、ご活用下さい!
特殊工事でない限り、遠方の業者を頼むメリットは全くありません。やはり、何かあったときにすぐ対応してもらえる近場の業者に頼むほうがはるかにメリットが高いのです。
さて、実際に解体業者を探す場合には以下のような方法で探す事になります。
- インターネットの解体業者検索サイト等で調べる
- インターネットで自力で検索する(解体+工事+地域名、等のキーワードで検索します)
- 電車や駅の広告等
- 街を歩いている中で見かける解体業者の看板や広告
解体工事はハウスメーカーを経由させない
解体費用を自分で探すのは手間がかかりますが、業者による解体費用の差額は魅力的です。解体業者の選定は慣れない作業ですが、しっかりとしたサポートを受ければ、必ず良い業者を見つけることができます。
家財道具を自分で処分する
解体業者との予定が合えば、曜日や時間帯を問わず自宅まで回収に来てくれます。利便性が高いとは言え、中には無許可・無登録などの業者も多数存在します。万が一そのような業者に回収を依頼してしまうと高額な費用を請求されたり、不法投棄される恐れがあります。
特に不法投棄に関しては、依頼した側も法的責任を問われることになりますので、十分な注意が必要です。

まとめ
一軒家の場合、建物の構造で解体費用が変わります。一般的には一軒家の解体費用は鉄筋コンクリートのほうが高くなります。理由は木造と鉄筋コンクリートでは造りの家屋の強度が違うからです。これは解体時に出る産業廃棄物にも影響するので、撤去費用で差が出ることになります。
まずは現在お住まいの一軒家がどのような構造になっているのか把握し、解体業者に費用の見積もりを出してもらいましょう。さらに、解体工事の見積もりは必ず複数の業者に依頼して下さい。相見積もりこそ、解体費用を抑える上で最も効果的な方法です。