井戸の埋め戻しに必要な費用

井戸から龍が出ているイラスト

古い住宅にある井戸や、解体工事中に地中から見つかった古井戸は、簡単に埋め戻しができません。なぜなら、適切な工事に加え、お祓いを行う必要があるからです。そのため、井戸の埋め戻しには様々な費用がかかります。

そこで、今回は井戸の埋め戻し費用について、井戸にまつわる信仰とともに説明します。

井戸の埋め戻しにかかる費用を確認しよう

井戸の埋め戻しとは、古井戸を埋めて更地にする作業を指します。ただし、埋め戻しといっても、単に砂などで井戸を埋めるわけではありません。

井戸を埋めるための費用相場は?

井戸の埋め戻しにかかる費用は、パターンによって大きく異なります。大まかには、井戸の埋め戻しのみ行う場合と家屋撤去工事に伴って井戸を埋める場合の2パターンです。加えて、お祓いを依頼する場合は費用がプラスされます。

井戸の埋め戻しのみ行う場合

井戸の埋め戻しにかかる費用は、目安で10万円程度です。

業者さんや工事現場によって異なりますが、井戸の埋め戻しにはコンクリートから作られた再生砕石や再生砂などを使用します。1立法メートル当たりの価格は、砕石が約1,500~2,000円、再生砂が約2,000~2,500円くらいです。

ですから、井戸が円筒形で、直径が1m(半径0.5m)、深さが8mだとした場合、埋め戻しに必要となる石・砂の費用は以下の通りです。(1立方メートル当たり2,000円と仮定)

0.5m(半径)×0.5m(半径)×3.14(円周率)×8m(深さ)=6.28立方メートル(井戸の空洞)

6.28立方メートル×2,000円/1立方メートル=12,560円

よって、石・砂の費用は12,000~13,000円と算出されます。ただし、質の良い川砂(1立方メートル当たり約8,000円)を使用した場合は、砕石と併せて20,000~30,000円になるので注意です。

また、上記の場合を想定して、その他の項目を例示してみます。

井戸の埋め戻しにかかる費用
  • 石・砂運搬2トントラック1台当たり10,000円×2台=20,000円
  • 作業員1人当たり20,000円×2人=40,000円
  • 塩化ビニールパイプ1m当たり600円超×8m=約5,000円
  • 水抜き(専用機械)=10,000円
  • 井戸枠の処分費用=10,000円

石・砂の購入費用と上表の費用をすべて合計すると、約10万円となります。

しかし、条件によって費用は5万~20万円とかなり差が出ます。井戸の大きさや深さ、底の広がり方により、必要な石や砂の量、トラックの台数などが左右されるからです。ですから、まずは業者に見積金額を出してもらいましょう。

参考 価格表-内村興産株式会社

参考 モノタロウ 現場を支えるネットストア

参考 追加料金がかかる場合-井戸・池・庭石・敷石・間地ブロック撤去処分など解体工事【神奈川県、東京都】は株式会社ハマーズへ

参考 井戸の埋め方と業者に依頼する場合の費用の相場について井戸掘り士

家屋撤去工事に伴って井戸を埋める場合

当協会を利用して行われた家屋の撤去工事のうち、井戸の埋戻しを伴った580件のデータでは、井戸部分の埋戻し費用の平均は4万3,100円でした。

なお、家屋の撤去と同時に井戸を埋め戻す場合、解体現場の重機を使って簡単に井戸が撤去できたり、解体工事で発生した基礎コンクリートの砕石を井戸の埋め戻しに転用できたりするので、井戸の埋め戻しのみを行うのと比べて費用が安く済む可能性があります。

実際に見積書を確認してみると、以下のように1万5,000円と費用がかなり抑えられたケースもあります。

家屋撤去工事と同時に井戸を埋め戻して費用が抑えられたケース

井戸埋め戻し費用例1

ただし、砂を購入して投入した結果、15万円かかったケースもあります。

砂を購入、運搬したため費用があまり安くならなかったケース

井戸埋め戻し費用例2

上記のように、現場や業者さんによって費用には差が生じます。しかし、撤去に伴って井戸の埋め戻しを行う場合、一般的には費用を安く抑えられます。

井戸の埋戻しが追加で発生するケース

井戸が地中埋設物として地下に埋まっていた場合は、家屋の撤去前に存在の有無が分かりません。その場合、撤去費用が見積金額に含まれていないケースがほとんどです。万が一、後で井戸が見つかった場合は追加費用の対象となるため、担当業者に事前に相談しておくのが良いでしょう。

井戸の埋め戻し前にお祓いを依頼する場合

井戸の埋め戻しで大事になるのがお祓いです。

心身から穢れや災厄を取り除くための祈祷(きとう)を指します。神道における儀式なので、神社がとり行います。井戸を埋める儀式は、井戸埋立清祓(いどうめたてきよはらい)といった呼び方もします。

水は生活に欠かせない重要な資源であり、水源の確保は死活問題です。加えて、日本人は農耕民族だったので、食料の確保にも水が大きく影響しました。

そのため、水が集まる井戸は、神道の「八百万の神」(やおよろずのかみ)の考え方と結びつき、長らく神が宿る場所として大切にされてきました。

ですから、例え枯れ井戸であったとしても井戸の埋め戻しを罰当たりな行為と考える方は少なくありません。例え、ご自身が気にしなかったとしても、祟りを恐れた親族・ご近所との関係がこじれる危険があります。

加えて、施工業者に井戸埋め戻し工事を拒否される可能性も否定できません。そこで、井戸の埋め戻しの際は、一般的にお祓いを行います。

なお、神社においては費用や料金を初穂料(はつほりょう)と呼びます。お祓いの初穂料は大体2~3万円で、神主さんの出張費が別途かかります。

参考 井戸埋立清祓 - 延喜式内 杉原神社

また、当サイトにはお祓いについてまとめた記事があります。ぜひ、参考にしてみてください。

解体 解体する前に「お祓い」はするべき?費用やお祓いの流れについて

井戸は自分で埋め立てられる?

井戸の埋め戻し費用をできるだけ節約するために、自分自身で井戸を埋めるのも不可能とは言い切れません。ですが、単に砂を投入して井戸を埋め戻しただけでは、様々な問題が発生する可能性があります。

チェック
  • 地下水の水質が悪化する
  • 地盤が弱くなって新築に影響する可能性がある
  • 土地の売却後、買主との間でトラブルになる

特に、井戸水を使用しているご家庭が近くにお住いなら、水質には細心の注意を払わなければなりません。良質な石や砂を正しい方法で投入しないと、地下水の水質が悪くなる恐れがあるからです。

また、お祓いをせずに埋め戻しを行った井戸があると、売買契約が成立しにくくなるケースが考えられます。

売買契約において、お祓いの有無は説明が必須となる項目ではありませんが、一部の方から購入を避けられてしまう可能性があるのは確かです。

その他、正しい方法で井戸の埋戻しが行われていないと、周辺の地盤が弱くなってしまう場合があります。

井戸の有無を告知せずに土地を売却をしてしまうと、最悪の場合、瑕疵担保責任などを問われ契約が破棄されてしまう恐れがあるのでご注意ください。

瑕疵(かし)担保責任とは?

売却した不動産に問題があった場合、売主が負わなければならない責任を指します。問題の程度に応じて、買主は損害賠償の請求や契約の解除ができます。

井戸の埋戻しは注意すべき点が多く、費用が節約できたとしても自分でやるリスクも大きいです。可能であれば、専門の業者さんに依頼して確実に施工してもらいましょう。

井戸の埋め戻しで業者選びが重要なワケ

井戸の埋め戻しについては業者選びも大切です。埋め戻し作業が適切に行われないと、ゴミを投入されて不法投棄の処罰の対象となったり、再度埋め戻し作業が必要となって余計な費用がかかったりする可能性があるからです。

なので、井戸の埋め戻しを依頼する場合は、下記のような専門業者さんに依頼しましょう。

井戸生活(株式会社ニューバッズ)

井戸生活
東京都千代田区の業者さんです。井戸専門の業者さんで、古井戸の撤去・再生や新しい井戸の掘削を行っています。井戸を埋めるために必要な準備などの相談も可能です。

画像引用:井戸生活

富士ストリーム株式会社

富士ストリーム株式会社
東京都練馬区の業者さんです。もし、井戸の埋め戻し後に、再び井戸水が必要になった場合にも対応できる井戸の埋め方を提案しています。井戸水は災害への備えにもなるので、今後まったく井戸水を使用しないとは言い切れない場合にオススメの業者さんです。

画像引用:富士ストリーム株式会社

井戸埋め戻しの手順と注意点

すでに述べたように、井戸は埋め戻しには以下の2点に気を付けましょう。

ポイント
  • 井戸は日本人にとって信仰の対象であり、粗末に扱ってはならない
  • 水質や地盤に影響を及ぼすため、単に埋め戻すだけの適当な工事をしてはならない

上記2点を守らないと、親族・ご近所・施工業者・土地の売却相手との関係に影響し、最終的にはご自身の不利益となりかねません。ですから、井戸の埋め戻しは、適切な手順に沿って工事を進める必要があります。 井戸の埋め戻しに関する大まかな手順は、以下の通りです。

井戸埋め戻しの手順
  1. お祓い
  2. 井戸の水をくみ上げる
  3. 井戸内部のゴミ撤去・掃除
  4. 竹・塩化ビニールのパイプ挿入(息抜き)
  5. 地面付近まで井戸に砕石や砂投入
  6. 井戸の枠を撤去
  7. 砂を被せて仕上げる

工事に着手する前には、神主さんにお祓いをしてもらいます。地域ごとに風習・習わしが異なるので、地域の考え方に則って儀式をとり行います。

工事を開始したら、まず井戸の底に溜まっている水を抜き、井戸内部の清掃を終わらせます。埋め戻しの準備が整ったら、竹や塩化ビニール製のパイプを井戸の底から地面の上にまで立て、砕石や砂を投入します。

なお、パイプは息抜きの役割を果たします。

息抜きとは

神様が呼吸できる、または通り道として使っていただけるように設置する管を指します。

地面付近まで砂を投入したら、井戸の枠をすべて撤去します。最後に砂を被せたら、井戸埋め戻しの作業は完了です。感謝の気持ちを大切にしましょう。

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