私が物心ついた頃から、空き家が敷地内に放置されていました。「物置き」として使用していた空き家が私は嫌いでした。
すごく寂しい雰囲気だったので、子どもの頃は夜になるとおばけが出ると思っていました。
まさか、その敷地が、家族にとってラッキーな存在になるとは思ってもいませんでした。
不安だった更地への提案。家族全員が賛成で一安心
ある日、私は家族に提案をしました。
「うちも太陽光発電にしてみない?電気代が安くなるうえに、余った電気は業者が買い取ってくれるらしいよ!」
そのとき流れていた太陽光発電のCMが、印象に残っていたことがきっかけでした。
私の実家は田舎ということもあり、放置されている土地がありました。きっかけは、この土地を何かに活用できないものかという想いだったと思います。
「こいつは何を言っているんだ?」と家族から言われるだろうなと思っていたので、家族の反応は予想外のものでした。というのも、家族は地元の知り合いの人達と太陽光発電の話題で何度も盛り上がっていたらしいのです。
ご近所さんが太陽光発電の設置を希望している人が多いという話は聞いていました。そこで、私は太陽光発電の申請をしようと、急かすように話を進めました。
最初の問題は、太陽光発電のパネルの場所をどこにするかということです。
私は、真っ先に空き家の存在が頭に浮かびました。敷地として最適な場所だと思ったのです。以前から「物置き」として使用しているのはもったいないと感じていたのです。
昔から苦手だったこの建物をなんとかできないか…。
誰も住んでいない空き家はなんだか寂しく不気味な雰囲気があります。そんな建物が住んでいる敷地内の住んでいる建物の横にあるのが私には薄気味悪かったのです。以前、母から聞いた話によると、貸家として使用していたそうです。住んでいた方が引っ越してからは、次の借主が見つからないまま今に至ってしまったそうです。
もう20年近くの年数が経っていました。長期間、借りてもらえない理由には何かあるのではないかと感じていました。
今となっては「怖い」という感情はありませんが、この空き家が「好きではない」という気持ちは変わりませんでした。
正直、この空き家がなくても差支えないということもあり、日当たりも良いこの敷地が太陽光発電を設置するには良いのではと考えました。家族は太陽光発電の設置に賛成したものの、詳細についての考えはなく、私が太陽光発電の設置申請を出す事になりました。
更地にするなら…。大金を払って雑な工事はヤダ!
すぐに役所から結果が出ることはないと聞いていましたが、2~3ヶ月しても返答がありませんでした。私達は、だんだん太陽光発電の設置申請をしたことを忘れかけていました。
申請をしてから1年後。太陽光発電の設置申請許可が下りました。この頃には、家族の誰一人として太陽光発電の設置申請が通ると思ってはいなく、何の準備もしていませんでした。
いよいよ、電力会社や実際に太陽光発電を設置する会社と打ち合わせです。
そこで渡されたのは、太陽光発電の設置についての費用が記載された見積書でした。
ですが、太陽光発電の設置をするのに必要な初期投資など打ち合わせをしているうちに、私はあることに気づきました。
「かなり費用が高い!」
どれも必要最低経費なのだろうと思っていましたが、設置会社の方からの更なる説明に耳を疑いました。
「ちなみに設置の費用はどれも金額を下げることができません。空き家の撤去費用は概算金額なので、安い工事業者さんに依頼すれば費用を抑えることはできますよ!」
アドバイスをもらって、すぐに解体業者を自分達で探す事に決めました。なぜなら、親戚に建築関係の仕事をしている人がいたからです。建築会社で働いているおじさんに今の状況を説明して、安い解体業者を紹介してもらえるように相談をしました。
おじさんは、申し訳無さそうに「地元で知っている解体業者は1社しかいない」と教えてくれました。
普段取引をしている解体業者は約50~60km程離れている街を中心で活動している為、ここまで来てもらうと高額になってしまうのだそうです。
ちょっと話が行き詰ってきたなと思っている矢先、更に追い打ちをかけることを言われました。。
「その地元の解体業者なんだけどな…。あまりに工事が雑なもんで、うちの会社では仕事を振るのを控えているんだよ。」
この時は困りました。まさか、「工事が雑な解体業者でも構わないから紹介してよ」とは言えませんでした。「少し自分で探してみる」と伝え、おじさんとのお話は終わりました。
地元には工事が雑な解体業者がいるという情報だけをもらい、この先どうするかわからない状況になってしまいました。
そこで、自分でも調べてみようと思いタウンページを開いてみました。
解体業者は見つかるのですが、どの業者が地元で実績がある会社なのか、会社名だけでは分かりませんでした。
その後、おじさんから連絡がきました。地元の解体業者に電話をしてくれて、ざっくりとした金額を聞いてくれたのです。
「木造の2階建ての空き家でだいたい40坪程だと、約120万円程かかるらしいぞ。」
太陽光発電の設置会社の見積もりに記載されていた解体費用は150万円でした。それに比べると30万円も解体費用は安かったのです。
同時に「120万円もの大金を払って雑な解体工事をされたくない」という気持ちも生まれました。
更地の適正価格は?解体では見積りの比較が大切!
そこで次は、インターネットで検索をしてみることにしました。すると、検索結果の一番上に「全国どこでも3社の解体業者を紹介してくれる」というホームページを見つけました。
こんな田舎でも3社の解体業者さんを紹介してくれるのかなという不安はありましたが、まずは話を聞いてみないとわからないと思っい電話をかけました。
すると、電話に出たスタッフの方がちょうどエリアの担当者の方でした。その方は、現場の状況などのお話をしているうちに
「なんだかこのスタッフさんは信頼できそうだな」と感じ、悩んでいることをとりあえず話してみようという気持ちになりました。
今、建築会社に勤めている親戚に相談したこと。親戚の知っている解体業者の工事が雑だということ。解体費用が120万円程かかることなど、全てをお話をしました。
すると、担当者の方から3社の解体業者を紹介してもらえる事になりました。スタッフの方は、「紹介してくれる解体業者とは、実際に現場で会って、いろいろとお話をしたうえで見積書をつくってもらってください」と、アドバイスしてくれました。
最初は「解体工事なんて現場を見なくても、だいたいの建物の構造などを伝えれば見積もれるものだ」と思っていました。
しかし、現実は解体現場の立地条件によって費用は高くも安くもなるという事を聞き驚きました。
そして、グーグルのマップを使用して、現場の周辺状況を見ながらお話をしてくれました。立地条件は良さそうなので費用を安くできそうだとアドバイスしてくれました。
後日、実際に3社の解体業者と現場で会いました。
3人の担当者の方とお話をしましたが、一番印象に残っているのは太陽光発電のお話でした。
話を伺うと、本当に太陽光発電の設置を希望する人が多いようで、審査が通らない人も多いということでした。
各解体業者さんは、太陽光発電に関わる工事を実際に施工しており、実情や情報などをに分かっているとのことでした。
その話を聞いて、情報を早い段階から得る事ができたうえに、その申請が通った自分達はラッキーなんだなという嬉しい気持ちになれたのが一番印象に残っています。疑問点や不安な点をいろいろと聞いて頂き、あっという間に3社の現場確認は終了しました。
更地がこんなに安くできた!「本当に感激です」
その後、2~3日で3社それぞれから見積書が届きました。各解体業者の見積書の金額を見てびっくりしました。
一番安い金額を提示してもらえた業者は、なんと90万円!!
残りの2社も98万円と104万円という金額で、以前聞いていた金額よりもかなり安い提示額になっていました。
「解体費用を安くやってくれる解体業者さんが見つかった」、という話を太陽光発電の設置会社にも報告をしました。すると、工事後は更地の状態で引き渡しをするため、そのままにすると雑草が伸び放題になるという問題点が生じました。
その問題を90万円の提示をしてくれた解体業者に相談したところ、「屋根の瓦を砕いて砕石にして敷くことで雑草が生えにくくなる」というアドバイスをもらいました。しかも、この作業も含め90万円でやってくれるというのです!
もうこの工事業者に依頼するべきだと確信し、家族に相談をしました。
結局、廃材のリサイクルなども含め、最終的に86万円まで値引きをしてくれる事になったのです!
家族全員がもうその業者に依頼するべきだという気持ちとなり、正式に依頼する事にしました。
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「綺麗な更地だね」。業界で働くおじさんも感心!
数日後、再度その解体業者と現場で工事の流れについて打ち合わせをし、契約書を結びました。
そして、数週間後には解体工事が始まりました。これだけ安いと、本当に工事は丁寧なのだろうか?という不安はありました。
しかし、実際に工事を見ていると、職人さん達は元気いっぱいで、毎日会うと明るく挨拶をしてくれました。
現場での仕事ぶりはすごく機敏で、無駄な動きがないという印象を受けました。
工事は予想以上に早く、一週間程で終了しました。
今思えば、今回の解体工事を振り返るとき、作業風景などを写真に残しておくべきだったと後悔しています。
親戚のおじさんにも更地を見てもらいましたが、「すごく綺麗な更地だ」と言っていました。太陽光発電の打ち合わせの為、現場で設置会社の方とお話をした際も、「とても綺麗にやってくれていますね」と言っていました。
初めての解体工事をしてもらう私から見ても、綺麗だとは思っていました。そのうえ、建設関係のプロの目から見ても綺麗と思わせる出来栄えに改めてこの解体業者さんに依頼をしてよかったなと思いました。
思い返すと、本当に私はラッキーだったなと思います。
ですが、このラッキーの理由は、「とにかく情報を集めること」と「専門家に相談をしてみること」なのかもしれません。
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