空き家不動産は賃貸よりも売却が吉?不動産を有効活用したい!

親から不動産を相続したらどのように活用すべきなのでしょうか?既に持ち家はあるから引っ越して住むわけにも行かないし、売却しようにも簡単に買い手がつくとは思えません。でも、せっかく相続した大切な家だからできれば何か有効活用して役立てたいですよね。

しかし、これから資金を投資して不動産を運用するなんて難しくてできない・・。できるだけ費用を掛けずに不動産を運用したい!と考えている方は多いでしょう。そこで、この記事では今後の維持コストや費用を抑えた不動産の活用方法をいくつか絞って紹介して行きます。

不動産は持っているだけで費用が掛かる

家屋は放置するとすぐに老朽化してしまいます。家屋のほとんどは木造です。そのため、湿気が多い日本ではこまめに換気をしないとすぐにカビが発生して家屋が腐ってしまいます。また、日光にさらされた外壁は放っておくと塗装が剥がれ、ひび割れてしまうでしょう。

そのため、家や土地などの不動産を相続したら、どのように活用するか方針を早めに決めるのが理想です。また、不動産は持っているだけで維持費が掛かります。特に、維持費の中でも税金が占める割合は深刻です。年間で数十万円以上負担しなければならないケースもあります。

特に面倒なのは税金

不動産を所有していると固定資産税が発生します。毎年3月~4月に納税通知書が来るのでご存知の方も多いでしょう。実は、不動産を持ち続ける上で発生する費用で一番厄介なのが固定資産税です。固定資産税の計算方法については以前に書いた記事を参考にしてみて下さい。

建て替えで固定資産税が上がる 建て替えで固定資産税が上がる!?税金が高くなる原因と計算方法

放置していると税金が割高に?!

さらに、近年施行された法律により、空き家のまま不動産を放置していると固定資産税が値上がりするようになりました。具体的には1年以上放置した空き家に対して、土地部分の固定資産税が6倍になるという内容です。

特定空家に指定されれた後に自治体から改善の勧告を受けると、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されず、更地の状態と同等の6倍となってしまいます。

引用:NPO法人 空き家・空地管理センター

もともと土地部分の固定資産税は家屋が建っている場合に限り1/6まで減額される特例が適応されています。(住宅用途の場合)

しかし、近年深刻化する空き家問題により、家屋が建っていても1年位以上使われていない空き家に関しては特例の対象外と見なされ翌年から固定資産税が高くなってしまうのです。

参考 固定資産税がいきなり6倍に?「特定空家」指定とは 解体工事の情報館

不動産を相続して一番やってはいけないのが、方針を決めずにただ不動産を持ち続けることです。家屋の老朽化や税金が値上がりする可能性を考えると不動産を相続したら早急に活用方法を決めましょう。

最も有効な活用方法は売却?!

しかし、不動産を相続してすぐに活用方法を決めるのは簡単ではありません。なぜなら、ひと言で不動産の有効活用と言っても選択肢がいくつもあるからです。例えば、建物が古くなる前に賃貸にしたい!また、更地にすれば借地として貸し出せるかもしれない。さらには、アパートを建てて不動産経営をしてみようか?などなど、いろんな考えが頭をよぎりますよね。

もちろん、大切な不動産だからこそ最大限有効活用したいと考えるのが当然です。でも、初期費用をかけて、わざわざ管理の手間を割いても不動産を活用して収入が得られるとは限りません。やはり、一から不動産を活用して収入を得るにはリスクがあります。

そこで、一番おすすめしている方法が売却です。もし、相続した不動産に売却できる見込みがあれば思い切って売却するのも一つの活用方法です。

ただし、不動産は売ればすぐに買い手がつくとは限りません。不動産の売却はタイミングが肝心です。

不動産を売却するタイミングは?

不動産を土地と家屋に分けて考えると、土地はいくら使っても老朽化しませんが家屋は時間の経過と共に価値が下がり続けます。

不動産の価値は10年で50%、5年で・・

あくまで目安ですが、具体的には新築から3年で7割程度まで価値が下がります。その後、10年で5割程度、25年以上経過すると家屋の価値は評価されず、土地の値段しか付かない場合があります。

経過年数 建物の評価
3年目 7割程度
10年目 5割程度
25年目 評価なし

ただし、立地によっては年数が経過していても高く評価してくれる場合があります。 もし、立地に恵まれていて家屋にも評価額があるなら早めに売却の手配を進めてはいかがでしょうか?。

  • 駅が近い
  • 築年数が浅い
  • 家屋に評価額がある

しかしながら、不動産が相続される頃には築年数が30年以上経過している場合がほとんどです。そのため、築年数が原因で家屋がマイナス評価の対象になる可能性があるのです。その結果、家屋部分がネックになってなかなか不動産の売却が進まないケースもあります。

リフォーム?それとも更地にして売る?

築年数が経過してしまった家屋を売りに出す方法は3つ考えられます。1つ目は中古住宅として売りに出す方法です。リフォームなどで家屋の価値を上げてから売りに出せば買い手が見つかる可能性が上がりそうです。

2つ目は更地にしてから売却する方法です。一度家屋を更地にしてから土地として売りに出します。これから新築を建てたいと考えている方に向けて、すぐに建設工事が出来る状態にしておくわけです。

3つ目は古屋付き物件として売りに出す方法です。できるだけ費用をかけず、手間もかけずに売却できれば利益が最大化できます。

売却方法 備考
中古住宅 リフォームや改修が必要な場合がある
更地 新築を建てたい方にすぐ販売できる
古屋付き物件 特になし

物件の立地や家屋の築年数によってどの方法で売りに出すか使い分けが重要です。予算と相談してご自身にあった方法で売却を進めましょう。

不動産を売却する際は、近隣のお宅にも打診してみましょう。以前、お問い合わせを頂いた方でお隣さんから土地を購入して庭と駐車場を施工した事例があります。不動産を売却する際、あなたの不動産を欲しがっている人は意外と近くにいるかもしれません。

売却以外の活用方法

築年数が経過しているため家屋に評価額が付かず、売却できる見通しが立たない場合は他の方法も検討する必要がありそうですね。

空き家としての有効活用

「思い入れのある家だからこそ、やっぱり使い続けてあげたい」と願うなら次に使ってくれる人を探しましょう。もちろん、一度更地にしてしまえば土地としての活用方法はたくさんあります。

しかし、更地に戻すのにも費用は掛かりますし、建て替えたり駐車場を施工するには投資が必要です。限られた資金では現実的でない方法がほとんどです。

そしてなによりも、親から貰った大切な不動産を一度壊してしまうのに抵抗がある方も多いでしょう。そこでおすすめなのが空き家バンクです。

空き家バンクを活用しよう!

「空き家バンク」とは、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したいとお考えの方に紹介する制度です。空き家の有効活用を通して「地域内外の住民交流の拡大」および「定住促進による地域の活性化」を推進することを目的とし、全国各地の自治体が取り組みを進めています。

引用:楽園信州あきやバンク

空き家バンクを利用するメリットはたくさんあります。

  • 売却額や賃料を自由に決められる
  • 借り手が見つかれば老朽化を防げる
  • 固定資産税の特例を受けたままにできる(※借り手が見つかった場合)
参考 特定空き家問題の救世主!空き家バンクで節税するまで 解体工事の情報館

冒頭で説明したように、空き家になってしまった家は使わなければすぐに傷んでしまいます。なので、誰かに使ってもらえるだけでも建物の寿命伸ばすのに繋がります。さらに、どうしても有効活用したいという強い意志があれば、価格を低く設定して買い手や借り手の目に留まりやすくすることもできます。借り手が居れば固定資産税の特例もこれまで通り受けられるので節税にも繋がりますからね。

もし、不動産の売却に悩んでいるなら空き家バンクを利用するのも不動産の有効な活用方法です。

見通しが厳しい不動産の有効活用

不動産業界に関して残念なお知らせです。実は今後、世帯数が減少していくため不動産の需要が少なくなっていく見方が強いと言われています。特に現在ではマンションなどの少数世帯向け物件に人気が集まっており、地方では使われなくなった空き家が増え続けて問題視されています。

そもそも、2004以降日本では人口が減少傾向にあります。さらに、2023年以降は世帯数がピークに達し、不動産が暴落する危険があると予想する方も多いです。

MEMO
もともとは2019年を境に世帯数が減少すると予想されていましたが、新たな調査の結果2023年まで世帯数は上昇すると修正されました。
不動産の2019年問題はウソ?!不動産投資は単身世帯が狙い目

今後は不動産の有効活用が難しい時代になるかもしれません。

不動産の有効活用についてのまとめ

明確な利用用途がなければ相続などで取得した不動産は売却できるのが理想です。しかし、売却が難しいと持ち続けることによる費用が継続して発生します。また、空き家になった家屋は老朽化が早いのも特徴です。費用を掛けずに少しでも早く不動産を有効活用するなら空き家バンクの利用も検討して下さい。

ただ、売却にしても賃貸にしても不動産の有効活用は早めに取り掛かるのがポイントです。先延ばしにせず早めに方針が決まるといいですね。

著者情報

コノイエ編集部

コノイエは、東京都港区に本社を置く株式会社アールアンドエーブレインズが運営するオウンドメディアです。累計80,000人以上が利用する「解体無料見積ガイド」の姉妹サイトとして、住宅関連コンテンツを発信しています。人が生活する基本となる「衣・食・住」の中でも、コノイエでは「住」にフォーカスして独自の情報をお届けします。

監修

中野達也

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事
解体工事業登録技術管理者
公益社団法人 日本建築家協会(JIA)研究会員
一般社団法人東京都建築士事務所協会 世田谷支部会員

静岡県出身。日本全国の業者1,000社超と提携し、約10年間で数多くの現場に関与。自身でも解体工事業登録技術管理者としての8年間の実務経歴を持つ。現在では専門家として、テレビ番組をはじめとする多数メディアに出演。これまでに一般家屋はもちろん、マンション、ビルなど様々な建物の取り壊しに従事し、工事を行いたい施主、工事を行う業者の双方に精通している。また、大手から中小まで様々な規模の住宅メーカーへの販促支援、コンサルティング事業に携わり、住宅購入者心理の理解を深める。家を「壊す」ことと「作る」ことの専門家として、全国の提携パートナーと共に家をとりまく様々な問題に取り組んでいる。

出演メディア
ひるおび!(TBS系列)、情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)、バイキングmore(フジテレビ系列)、他多数...

当協会の運営サイト「コノイエ」は、工務店・ハウスビルダー・建築家・建築設計事務所等の500以上のインタビュー記事を掲載。また、新築・建て替えを検討中のユーザーにとって有益となる情報を発信しています。
当協会は、建て替えに伴うお住まいの取り壊しのご相談を年間で2,500件ほど承っており、各地域の住宅関連会社の情報が集まります。今後も「コノイエ」では、新築ユーザー様の発注先や評価、住宅関連会社様への独自インタビューといった当協会ならではの独自のリアルな情報をお届けします。


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