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【終活】遺言書の作成時に知っておきたいできること、できないこと

遺言書の作成は、決してお金もちだけのものではありません。財産の多い少ないにかかわらず、問題なくお金を残すためには、遺言書の作成はすべての人にとって必要なものです。

今回は、終活で遺言書を作成するにあたり、遺言書でできることとできないことについてみていきます。

相続が起きたときの手続きをみると、きちんとした遺言書があれば、こんなふうに家族が困ることはなかったのという事例がたくさんあります。そして、実際に、相続が起きてしまってから後悔するのは、残された人である家族になります。

自筆証書遺言と公正証書遺言については、下記の記事を参考にしてください。
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争続にならないための遺言書の活用法と注意点
遺言書の作成については、下記の記事を参考にしてください。
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終活に備えたお金の使い方の使うべきところと節約すべきところのポイント

遺言書でできること

遺言書は、自分の財産を渡す相手を決めるだけではなく、他にもいくつか内容を定められることがあります。

【遺言書でできること】
・相続分の指定、指定の委託
・遺産分割方法の指定、指定の委託
・財産の遺贈、寄付
・特別受益の持ち戻しの免除
・最長5年の遺産分割の禁止
・共同相続人間の担保責任の指定
・遺言執行者の指定、指定の委託
・遺留分減殺方法の指定
・財産の処分
・財団法人設立のための寄付行為
・財産の信託
・相続人の廃除、廃除の取り消し
・認知
・未成年後見人の指定、後見監督人の指定
・祭祀継承者の指定
・生命保険の受取人の変更

祭祀承継者の指定

遺言書に使われるケースが多いものとして、「祭祀承継者の指定」があります。

祭祀承継者とは、系譜、祭具及び墳墓等の祭祀財産を承継する者をさし(民法897条)、「系譜」とは、歴代の家長を中心に祖先伝来の家計を表示するもの、「祭具」とは、祖先の祭祀や礼拝の用に供されるもので、仏壇・神棚・位牌・霊位・十字架など、「墳墓」とは、遺体や遺骨を葬っている土地に付着した設備で、墓石・墓碑などの墓標や土倉の場合の埋棺などを意味します。墓地の所有権や墓地の使用権も、祭祀財産に含まれるものと考えられています。

認知

また、「認知」も遺言書で行うことが可能です。遺言で認知するときは、遺言執行者が認知の届け出をする必要があるので、遺言で遺言執行者を指定しておくと認知の手続きがスムーズになります。

法律上で婚姻している夫婦間に生まれた子は、嫡出子として戸籍上で届けられます。このため、嫡出子は出生の届け出により、法律上の父母が定まります。このことにより、親子関係ができ、扶養義務や相続権などが親子間に生じます。

一方で、上記以外の、すなわち婚姻していない男女から生まれた子は、非嫡出子となります。非嫡出子は、出産の事実によって母親は定まっていますが、法律上における父親は認知により定まることになります。認知は、生前に、父親が自ら認知の届けをすること(任意認知)ができます。

認知は上記のように生前でもできますが、父親側に何らかの事情があるために、父親の生前には認知できないこともあります。このような場合は、父親から遺言書により認知を行なうことができます。これを、遺言認知といいます。遺言認知は、遺言の効力が発生したとき(遺言者の死亡)に認知が成立します。

遺言者が死亡した後に、遺言執行者が、遺言執行者となった日から10日以内に認知の届けを役所におこなわなければなりません。遺言執行者がいないときには、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てます。

また、遺言が自筆証書遺言である場合には、先に遺言書の検認が家庭裁判所に対して必要になります。検認には数か月かかります。そのため、認知手続きをスムーズに進めるためにも、遺言公正証書を作成しておくほうがよいでしょう。

自筆証書遺言と公正証書遺言については、下記の記事を参考にしてください。
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争続にならないための遺言書の活用法と注意点

認知するときに子が胎児であったり、成人であるときには、それぞれ母親や子本人の承諾が必要になります。認知によって相続人となりますので、遺言に相続に関しての記載もあれば、相続人としての手続きも必要になります。

生命保険の受取人の変更

生命保険の受取人の変更もできます。平成22年の保険法の改正により、保険契約の変更を行わなくても、遺言書の記載で受取人の変更ができることになりました。ただし、保険契約の時期や約款の内容によっては、遺言書の記載のみでは変更が認められない場合もあります。この規定を入れて遺言書を作成する際には、必ず事前に保険会社に確認することが必要です。

生命保険の受取人は原則、保険の契約時に決定します。保険契約の内容は、基本的に保険手続きのなかで変更手続きを完了して初めて変更が効果を生じられました。しかし、時間が経つと生命保険金を渡したい(遺したい)家族が変わることもあります。

平成22年の保険法の改正以前は遺言によって保険金の受取人を変更することには法律上の定めはありませんでしたが、相続において優先される意思決定である遺言で「保険金受取人は〇〇に」と記されていた場合、相続の現場では保険契約とどちらを優先するか問題になることがありました。

このような状況もあり、平成22年に保険法が制定され、遺言で保険金受取人の変更ができるようになりました。

たとえば生前に意思表明がなく、「保険金受取人を〇〇に変更する」と遺言にはじめて記載されていた場合は、保険会社は遺言に記載された相続人に変更の意思を確認し、保険金を支払います。ただ、たとえば遺言が発見されるまでに時間がかかり、その間に保険会社が従来に定められた保険金受取人に保険料を支払ってしまった場合は、再度保険金が支払われることはありません。

遺言書でできないこと

遺言書ではできない行為もあります。お互いの合意があって初めて成立することや家族の同意が必要なことは遺言書でできないことになります。

【遺言書ではできないこと】
・結婚、離婚
・養子縁組、離縁
・遺体解剖や臓器移植に関すること
・ペットを受け取りにする遺贈
・不動産は自分の死後は妻へ、その後、妻が死亡したら長男へというような跡継ぎ遺贈
・公序良俗に反すること
・遺留分を放棄させること
・借金の分割

お互いの同意が必要なこと

代表的なものは、結婚や離婚、養子縁組や離縁といった身分に関することです。これらは、お互いの合意があって初めて成立する行為なので、遺言書で一方的に記載をしても効力は生じません。これらの行為は、相手方とよく話し合った上、生前に行う必要があります。

家族の同意が必要なこと

遺体解剖や臓器移植に関することは、家族の同意が必要なため、遺言書の記載のみでは法的効力は生じません。家族への自分の意思を伝えるという意味では有用ですが、死亡直後は家族が遺言書の内容を知らない可能性もあります。希望する場合には、遺言書への記載ではなく、あらかじめ家族に伝えておくほうがよいでしょう。

ペットの遺贈

ペットの遺贈も現在の日本の法律ではできません。財産を所有できるのは、人のみとされているからです。自分の死後、ペットの世話が心配であれば、負担つき遺贈を活用します。

負担つき遺贈とは、ペットの世話をしてほしい相手にペットと合わせて預貯金を遺贈する旨の遺言書を書き、預貯金を渡す条件として、ペットの世話をすることを規定します。しかし、遺贈は拒否することも可能です。遺言書と合わせて、あらかじめペットの世話をお願いしたい人に承諾を得ておくとよいでしょう。

跡継ぎ遺贈

不動産は、自分の死後は妻へ、その後、妻が死亡したら長男へというような遺言書も法的効力はありません。自分の財産を妻へ渡すまではよいのですが、その後、妻のものとなった不動産を誰に渡すかは、妻の自由になるからです。

このような希望があれば、自分の遺言書の作成と同時に、妻にも遺言書を書いてもらいましょう。ただし、妻がその後に遺言書をかき直さないことまでは強制できません。

まとめ

遺言書は、自分の財産を渡す相手を決めるだけではなく、意志を伝えることができます。とは言え、遺言書に書いたことがすべて有効になるわけではありません。遺言書でできること、できないことについて見てきました。

遺言書でできることには、祭祀承継者の指定、認知、生命保険の受取人の変更ができます。一方、できないことは、お互いの同意が必要な結婚や離婚、養子縁組や離縁といった身分に関することです。また、家族の同意が必要な遺体解剖や臓器移植に関すること、ペットの遺贈、跡継ぎ遺贈などです。