病院の解体費用 診療所にある設備の撤去費とあわせて解説

病院の解体では、規模の大きさ・築年数・残置物などの観点から、特有の注意点が発生します。

そこで本記事では、病院の解体で気をつけたいポイントを、実際の見積り例とあわせてご紹介いたします。

病院の解体費用相場

病院は、一般住宅に比べ規模が大きいぶん、総額としては高額になる傾向があります。

また、診療所や病棟、総合病院など様々な種類がありますが、基本的な構造は他の建物と同じです。そのため、解体工事費用に占める坪単価は一般的な建物と大きくは変わりません。

ご参考までに、当協会(一般社団法人あんしん解体業者認定協会)を介して実際に行われた病院の解体工事の平均費用相場を「構造別」「地域別」「坪数別」にご紹介します。

構造別の病院の解体費用相場は、以下の通りです。

病院の構造 解体費用相場
木造 3万8,425円
鉄骨造(内装) 3万7,607円
RC造 3万9,484円
内装解体 2万4,112円

地域別の病院の解体費用相場は、以下の通りです。

病院のある地域 解体費用相場
東北 5万5,745円
関東 3万3,250円
九州・沖縄 3万1,074円

坪数別の病院の解体費用相場は、以下の通りです。

病院の坪数 解体費用相場
~50坪 2万7,486円
51~100坪 3万8,621円
101坪~ 3万9,134円

病院の解体実例

続いて、実際に行われた病院の解体実例を見てみましょう。

地方における病院の全解体、都心における病院の内装解体について、それぞれの見積りデータをご紹介いたします。

青森県・外科病院解体

こちらは、青森県における大規模な鉄筋コンクリート造病院の全解体の事例です。

解体方法は、建物の屋上に大型のクレーンで重機を乗せ、上から順番に壊していく階上解体により行われました。

総額は3,530万円と、かなり大掛かりな工事であったことが想像できます。

また、アスベスト撤去に568万円以上の費用が発生していることからも、規模が大きいことに加え築年数が古かったことが見て取れます。

品名 数量 単位 金額
直接工事費
解体工事 1 17,386,843円
直接仮設工事 1 2,719,090円
アスベスト除去工事 1 5,685,890円
杭引き抜き工事 1 2,719,090円
小計 30,529,843円
住宅解体工事
解体工事 1 2,582,050円
直接仮設工事 1 502,685円
外構工事 1 2,354,960円
小計 5,439,695円
合計 35,969,538円
品名 数量 単位 金額
直接工事費 1 35,969,538円
共通仮設費 1 1,545,000円
現場管理費 1 3,220,000円
一般管理費 1 4,155,000円
値引 -9,589,538円
合計 35,300,000円

東京都・病院内装解体

こちらは、ビル内のテナント(間借りされた一区画)にある病院の内装解体です。

総額は83万円と、一般的な内装解体の相場と大きくは変わりません。

ただし「診察台撤去処分」「レントゲン撤去処分」という病院ならではの項目があることは注目すべきポイントです。

また、病院の場合は「冷蔵庫撤去処分」も業務用の可能性があります。

品名 数量 単位 単価 金額
養生費 1 5,000円
内装解体 45 6,000 270,000円
エアコン撤去処分費 3 5,000 5,685,890円
発生材小運搬費 45 1,500 67,500円
発生材運搬費 45 2,500 112,500円
発生材処分費 45 3,000 135,000円
診察台撤去処分 3 4,000 12,000円
冷蔵庫撤去処分 1 11,000円
レントゲン撤去処分 1 120,000円
諸経費 1 90,000円
合計 838,000円

病院の内装解体の見積り例

以下は、病院の種類ごとに内装解体の見積り例をまとめた表です。

大小様々な面積の見積りをまとめていますので、病院の種類とあわせてご参考ください。

病院の種類 面積 解体費用
眼科 - 128万円
歯科 30.5m² 120万7,580円
歯科 68.6m² 153万円
歯科 63m² 87万1,200円
耳鼻科 180m² 253万550円
整骨院 63m² 65万700円
内科 46.9m² 57万4,838円
皮膚科 67.4m² 165万円

病院の解体費用の特徴

最後に、病院の解体で知っておきたい費用の特徴について解説していきます。

病院内にある医療廃棄物の処分費用がかかる

特別な管理や処理が必要な廃棄物のことを「特定廃棄物」と呼びますが、病院の解体時には特定廃棄物の処分費用が発生します。

医療行為に伴い発生する廃棄物は「医療廃棄物」と呼ばれ、その中でも「感染性廃棄物」に分類される廃棄物が特定廃棄物に該当します。

感染性廃棄物として代表的なものは、血液や体液などが付着した注射器・メス・手術用手袋などで、処分には「特別管理産業廃棄物の取り扱い許可」という資格が必要です。

そのため、病院の解体業者選びの際は、感染症廃棄物の取り扱いに伴う許可を保有しているかどうかも重要なポイントとなります。

PCBの撤去に費用がかかる場合がある

病院内には「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」という有害物質が含まれる医療機器が残っている場合があります。

PCBとは電気絶縁性の高い有機化合物で、病院においては昭和55年以前に製造・販売されたX線発生装置の内臓コンデンサーなどに利用されています。

PCBは人体に有害であることが判明したため、現在ではPCBを使用した医療機器の新たな製造・販売が禁止されていますが、古い病院には残っている可能性があります。

病院内にPCBを使用した医療機器が残っている場合、専門の業者に処分を依頼する必要があるため、費用が発生します。

古い病院の場合、アスベストが使われている可能性が高い

歴史ある病院の場合、アスベスト撤去費用が発生する可能性が高いです。

とくに、規模の大きな病院ほどアスベストの含有量も多いことが予想されるため、アスベスト撤去費用により解体費用が大幅に跳ね上がる可能性もあります。

なお、解体前の義務となっているアスベストの事前調査は、病院の解体でも同様に行なう必要があります。

大型建造物の経験が豊富な解体業者に依頼すると費用を抑えられる

病院の解体は、大型建造物の解体経験が豊富な業者に依頼することで、費用を抑えられる可能性があります。

4階建て以上の病院を解体する場合、通常の重機ではアームの長さが足りないため、ロングアームの重機を用いて解体を行ないます。

そのため、自社でロングアームの重機を所有していない業者に病院の解体を依頼すると、車両手配に伴う経費が発生します。

一方、大型建造物の解体を頻繁に手掛けている解体業者であれば自社でロングアームの重機を所有しているケースが多く、病院の解体における余計な費用が発生しません。

病院の解体工事を対象とした補助金が利用できる場合がある

病院の解体工事では「医療施設等施設整備費補助金」という補助金を利用できる可能性があります。

ただし、この補助金で交付対象となる医療施設の範囲はやや限定的です。

補助金の利用を視野に入れている方は、解体をお考えの病院が交付対象となるか早めに確認しておくと良いでしょう。

参考 医療施設等施設整備費補助金交付要綱厚生労働省

病院の解体で気をつけたいポイントのまとめ

病院の解体では、アスベストや医療機器等が残っていた時に追加で費用が発生する場合があります。これから解体を考えている方は、見積りの際にそちらを重点的にチェックしてみてください。

また、既に見積りを一回行っている方で、「この記事と見積書で費用感がちょっと違うかも?」と感じた際は、相見積りをしてみるのも手です。

複数の業者から見積りをとって比較すれば、適切な価格で工事を終えられる可能性は向上します。

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