使わない実家を空き家にしないための方法を考える

実家の空き家相談が増えています。空き家の活用方法はいろいろありますが、結局どうしたら良いか分からず、そのまま時間がたってしまい、対応が後回しになりがちです。そこで、一戸建てでもマンションでも、実家である住宅が空き家になった時のことを考えていく必要があります。

誰も住まなくなった親の家を次世代のために有効活用するといっても、そもそも有効活用の方法にはどのようなものがあるのか、その中で自分の家に最も適した方法はどれか、それを実行する上での問題点とは何かといった点について、考えてみたいと思います。

空き家の有効活用方法を考えてみる

思い出のたくさんつまった実家が空き家になったときに、どうするかを決めることは大変難しく、時間のかかることです。事前に、空き家・空き地を最終的にどのように活用することが出来るのかを、事前に知っておいてくことは気持ちのうえでも、物理的にも準備ができるかもしれません。

空き家・空き地の活用方法は、主に「売却する」、「自分で住む」、「人に貸す」、「解体する」の4つがあります。そして、この4つの方法の中でも、状況によって、さらに活用方法の選択肢が増えるでしょう。

例えば、人に貸す場合でも、状態によってはリフォームが必要なケースもあります。売却の場合であれば、中古戸建として売却するのか、それとも建物を解体して土地を売却する方法も考えられます。このように、その建物の状態や、地域、立地、条件、もちろん所有者の意思によって、どのような活用方法が最適なのか異なってきます。
空き家

空き家を売ることを考えてみる

家を売るか、売らないか、相続放棄かは、最初の分かれ道となります。一番シンプルでスムーズな有効活用は、親の家に住んでくれる別の家族に売却することです。

売ると決めたら、なるべく早く、高く売ることを考えます。家を売却するにも複数のやり方があります。まだ、十分住める家であるならば中古住宅、古いけれど全く住めないわけではない家であれば、住めるかどうかは買い手に判断してもらう古家付き土地、誰が見てもこれは住めないというなら更地にして、土地として売る方法が考えられます。

しかし、こちらとしては売りたいと決めたにも関わらず、売れないという現実に直面することもあります。家を売りたいのに売れない場合の選択肢は、2つ考えられます。1つは不本意ながら家を保有するという選択です。家のまま、あるいは、更地にして保有することになりますが、更地にする場合には、固定資産税が6倍になってしまいます。

空き家を寄付することを考えてみる

もう一つの選択肢は、自治体などへ寄付することです。ただし、空き家の増加に伴い、寄付とはいえ、無条件にどんな家や土地でも引き取ってくれるわけではありません。

例えば、ある地方都市では、次のような条件で寄付の相談を受けているようです。

  • 所有者全員が寄付に対して異議のないこと
  • 隣地との境界について、明確な境界杭等があり、隣地所有者の同意を受けていること
  • 原則、更地であること

などの条件があり、行政で詳細調査を行って、活用の見込みを検討したうえで寄付の可否を判断しているそうです。なかなか厳しい状況です。

空き家を売らないことを考えてみる

家を売らないと決めた場合の選択肢は、貸す、経営する、持っている、自分で使うということが考えられます。家を売らない場合の貸すには、家として貸すことと、更地にして土地を貸すことの2つのパターンがあります。

マンション経営

空き家・空き地を貸す

家として貸す場合には、家をリフォームするかどうかの問題がでてきます。築30年以上の家の場合は、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備の交換や、傷んだ床や、外壁の修理などに数百万かかってしまうこともあり、家賃を原資に考えて回収することを考えると、なかなか厳しい状況と言えるでしょう。

家を貸すことが考えられるのは、築年数が浅く、便利な立地で、借り手が見つかりやすい条件が必要でしょう。例え家をリフォームしたとしても、借り手がつかないことも少なくありませんので、状況を現実に合わせて検討することが大切です。

更地にして土地を貸す場合には、資材置き場や駐車場などが、活用方法として考えられます。こちらも立地条件が左右されますし、土地を活用したいという需要者がいることが見込まれないと厳しいでしょう。

空き家を活用して経営する

経営する場合は、マンションやアパートを新たに建てて貸すという賃貸経営があります。家のあった場所を更地にして、事業用の建物として、マンションやアパートを建てる、機械式の駐車場、駐輪場にするなどして、貸し出す方法です。

経営するためには、借りる相手が存在する立地条件と、事業に見合った土地の広さの両方の条件が必要になります。新しい建物の建設には大きな額の資金が必要で、多額のローンを組むことになるでしょう。元手がかかりますので、数十年といった長期間での事業収支を予測しながら、事業計画を立て、採算があうかどうかを判断する必要があり、難易度の高い活用方法と言えるでしょう。

空き地の駐車場の経営

空き家をそのまま持ち続ける

空き家を貸したり、経営することが難しい場合は、空き家としてそのまま持っているか、もしくは更地にして持っていることになります。ただし、迷惑な空き家、空き地にしないためには、家や土地の管理が必要になってくるでしょう。

または、自分のために活用するという選択肢です。別宅として住む、別荘として時々活用する、物置にするなどの活用方法があります。しかし、住んでいない空き家を維持するには、それなりに費用がかかります。

売るのも難しい、貸すのも難しいという家の有効活用の方法が見当たらない場合の最後の選択は相続放棄です。この場合、気をつけたいのは、親の家以外の株や現金などは相続したいと都合のよいことを考えがちですが、親の家の相続を放棄すれば、他の財産もすべて放棄することになります。

空き家の状況をよく考え、情報収集する

親から相続した家、あるいは自分が住まなくなった家は、そのままの状況にしておいても、さらに良くなることはありません。むしろ、家も古く、傷んできます。

そのため、置かれた状況をしっかりと判断することが大切です。将来的に再び住む可能性は高いのか、いま売ったらいくらになるのか、賃貸にするときはいくらかかり継続的な需要はあるのか、さらにその市町村の将来像はどうなのか、冷静によく考えなければなりません。

空き家のまま持っていれば将来的に値上がりすることが期待できるのは、ごく限られた一部の地域でしかありません。とくに地方都市などでは、これからコンパクトシティ化の政策が推し進められ、整備地域の枠から外れるエリアでは住宅需要がなくなることもあります。

情報収集
市町村が独自に定めた空き家対策の内容、市町村による空き家バンクの状況、民間団体などによる空き家活用や地域活性化に向けた活動など、所在地におけるさまざまな情報を収集するようにしましょう。

市町村によっては、空き家解体費用の助成制度や、自主的に解体したときにおける固定資産税軽減措置の継続措置、空き家とその敷地の寄付制度、解体後の空き地利用に関する制度などを定めている場合もあります。

また、リノベーションによる空き家再生や用途変更などによって新たな需要を見出せることもあります。自分の頭の中で考えてみるだけでなく、そのような活動をしている人から話を聞いてみることも欠かせません。

まとめ

実家の空き家の活用方法はいろいろありますが、結局どうしたら良いか分からず、そのまま時間がたってしまい、対応が後回しになりがちです。誰も住まなくなった親の家を次世代のために有効活用するといっても、そもそも有効活用の方法にはどのようなものがあるのか、その中で自分の家に最も適した方法はどれか考えてみました。

空き家・空き地の活用方法は、主に「売却する」、「自分で住む」、「人に貸す」、「解体する」の4つがあります。この4つの方法の中でも、状況によって、さらに活用方法の選択肢が増えます。

人に貸すというのは、空き家の活用方法としては検討していきたいことですが、築30年以上の家の場合は、家をリフォームするかどうかの問題がでてきます。家賃を原資に考えて回収することを考えると、なかなか厳しい状況です。

最近では、市町村が独自に定めた空き家対策の内容、市町村による空き家バンクの状況、民間団体などによる空き家活用や地域活性化に向けた活動などが行われています。また、助成金制度や寄付制度などもありますので、さまざまな情報を収集するようにしましょう。

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