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人が住んでいない老朽化した空き家のリスクとは?

建物の倒壊

「子どもたちにケガをさせそう」、「塀が今にも崩れそう」、「台風が来たら飛んでいってしまうのでは・・・」。このようなことを感じさせる空き家が増えています。

ある建物は、木造の二階建てのこじんまりとした店舗が併設されている家でした。自営業者の高齢者が亡くなり、相続人の息子さんたちは都会に出てしまっています。忙しさもあるのでしょうか、「何もかかわりたくない」と遠ざかっている状況です。

倒壊の恐れや衛生上の問題がある空き家について、市町村が所有者に撤去を命令できる空き家対策特別措置法が2015年5月に全面施行されました。この背景には、人口減や高齢化で全国の空き家は800万戸を超え、各地で対策が求められているという状況があります。

空家のまま放置されている実家の社会問題化

親が亡くなるとか、親が高齢者施設へ入所するなど、さまざまな事情で、空き家になった実家のことで、頭を悩ませる子供たちが急増しています。高齢化社会が進むにつれ、今後ますます空き家の数は増えていくでしょう。
高齢者と住宅
それとともに、倒壊の危険性のある空き家の総数も増加しており、危険な空き家に対する対策も厳しくなってきています。2014年5月29日には大田区で築46年の倒壊寸前のアパートを空き家条例に基づき解体するなど、行政代執行(所有者に代わり行政が解体を行いその費用を請求すること)事例がありました。

このケースの物件は、羽田空港に近い東京都大田区西糀谷3丁目の住宅地にあった木造2階建ての築46年のアパート、10部屋の家屋。このアパートには12年前から住人が無く、手入れはされていませんでした。屋根のトタンが数年前から道路や隣接の家の庭に落ちるようになり、テレビやソファなど粗大ゴミも散乱していて、区に苦情が相次いでいたようです。

「危ない」などの住民の苦情が寄せられるとともに、台風前には消防が屋根の一部を撤去することもあったようです。区は所有者に撤去を呼びかけ、十数回にわたって説得したりしてきましたが、所有者が応じることはありませんでした。

このような場合でも、所有者が区からの解体通告に従わなければ、今までは行政はそれ以上の措置がとれませんでした。そのため、2013年4月、罰則はないが所有者に代わって危険な空き家を解体できる「空き家条例」を制定し、有識者委員会の審議をへて、荒れたまま放置されていたアパートを所有者に代わり解体・撤去する行政代執行に踏み切りました。都内では初めてだったそうです。

今後、こうしたケースのような空き家については行政が解体を行い、かかった解体費用(今回は約500万円)は所有者に請求されることになります。支払わない場合、空き地を競売にかけ、徴収する等の対応となるようです。

瓦の崩壊

相続した実家を空き家にしておくことのリスク

長年住んでいないご実家の相談の中には、大田区のケースのように、ずっと放置されているようなケースもあります。中には、実家の名義は亡くなった親のままで、子供たちが地元には誰もいなく、結果としてズルズルと長年放置してしまっている状態が続いてしまっていることもあります。

そして、これ以上の放置を続けることが出来なくなってから、どうしようかと悩む人が多いようです。例えば、塀や壁が崩れてきている、建物や物置が傾いてきているなど、近隣の住民や通行人対して、危害が及んでしまう危険性が出てきているような時です。空き家が遠方にある場合は、特に普段の状況を確認することが限られているため、近隣の方からの苦情があってはじめて動き始めることも多いように感じます。

建物は使わなくなると急速に老朽化していきます。特に日本の家は、主に木で造られています。木でできた家は定期的な換気など適切な管理を行わないと、どんどん弱くなってしまい、構造材としての役目を果たすことができなくなってしまいます。近隣の方に迷惑をかけていないか確認することは大切かもしれません。

また、空き家には古いものが多く、特に耐震基準が改正された昭和56年以前に建てられた建物は耐震性が大きく不足している可能性もあります。そのため、小さい震度の地震や台風でも倒壊する家屋が出ています。

このように倒壊の危険がある状態で放置して事故等が発生した場合は、思わぬ責任がかかってくるケースがあります。建物や土地の所有者責任と呼ばれるものです。この所有者責任は、無過失責任(過失がなくても責任を取らなければならないという意味)です。

民法第717条には、土地の工作物等の所有者の責任について記載されています。

民法 第717条 (土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)

1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2.前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3.前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
引用:民法第717条

この民法第717条では、建物に住んでいる占有者が責任(損害賠償責任)を負う必要があることを示していますが、必要な注意が行われている場合には、その所有者が責任を負う義務があることを示しています。人が住んでいない老朽化している建物の場合は、所有者に責任があります。

ですから建物が老朽化して、塀が倒れて下校途中の児童がけがをしてしまったとか、物置が傾いていき、隣の家の壁にめり込んでしまっているなどの状況が生じた場合には、建物の所有者が責任(損害賠償責任や原状回復の義務等々)を負う必要が出てくるのです。

また、空き家にしておくと、放火の危険性や、不法投棄や不審者の侵入、景観の悪化などにつながることもあり、治安悪化につながる恐れもあります。
責任

相続した所有者の義務

不動産所有者には、民法第717条でみたように、工作物責任といって、所有物を適切に管理する義務があります。庭にある木をきちんと管理していなかった事が原因で、木の枝が折れ隣の家の車を壊してしまった場合、その土地の所有者は車の修理費用を負担する必要がでてきます。修理費用の支払いを拒んだ場合、隣の家の人は所有者に対して、損害賠償請求の裁判を起こすことができるのです。

このような状況を避けるためには、老朽化してしまった建物に対する対策は、建物を直すか壊すかのどちらかになります。建物の解体はその建物の構造や大きさによって大きく異なりますが、おおよそ100万円程度の費用がかかってしまいます。また、リフォームする場合は少なくとも数百万円の出費となります。どちらにしてもある程度の出費はかかることになります。

また、実家(土地・建物)の名義を亡くなられた方のままで残しておいた場合には、その所有者責任は、原則的に今回の法定相続人全員にかかってくる可能性がでてきます。ですからこのように亡くなった方の名義になっている物件(土地・建物)がある場合には、相続登記をすることからはじめるとよいでしょう。
建物の相続

まとめ

人が住んでいない老朽化した空き家のリスクについて見てきました。日本の家は、主に木で造られているため、定期的な換気など適切な管理を行わないと、どんどん弱くなってしまい、構造材としての役目を果たすことができなくなってしまいます。建物は使われていないと急速に老朽化していってしまいます。

民法第717条では、建物に住んでいる占有者が責任(損害賠償責任)を負う必要があることを示しており、人が住んでいない老朽化している建物が原因となって何か問題があった場合には、所有者に責任が問われることになります。建物が老朽化して、塀が倒れて下校途中の児童がけがをしてしまったとか、物置が傾いていき、隣の家の壁にめり込んでしまっているなどの状況があれば、責任(損害賠償責任や原状回復の義務等々)を負う必要が出てきてしまいます。

また、空き家にしておくと建物自体の老朽化の他にも、放火の危険性や、不法投棄や不審者の侵入、景観の悪化などにつながることもあり、治安悪化につながる恐れもあります。

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