あなたに最適な解体業者を無料で一括見積

空き家を放置すると税金が上がる理由とは?「空き家対策特別措置法」について解説

空き家

年々増加の一途を辿る空き家は、大きな社会問題となっています。

そして2015年、政府は空き家問題を改善する為に「空き家対策特別措置法」を施行させました。

法令の施行により、現在は空き家を放置するだけで税金が6倍に増える危険性があります。

「空き家対策特別措置法」とは何なのか。
どうして税金が6倍にも跳ね上がってしまうのか。
詳しく見ていきましょう。

1どうして空き家が増えた?

どうして

空き家対策特別措置法」が施行された背景には、著しい空き家の増加問題があります。
法令の詳細を見る前に、なぜ空き家が増加したのかを見ていきましょう。

税制の仕組み

固定資産税

空き家になっても建物を放置する理由の一つは、税制の仕組み上、放置する方が税金が安く済むからです。

固定資産税

固定資産税とは、建物や土地の所有者に必ずかかる税金です。
固定資産税は市区町村から課せられる税金で、一般的には不動産の評価額に1.4%を掛けて計算します。

固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋及び償却資産(これらを「固定資産」といいます。)の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額をその固定資産の所在する市町村が課税する税金です。
1納税義務者
毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋又は償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方です。
2税率
1.4/100

引用元:東京都主税局 | 固定資産税・都市計画税

計算例(建物の評価額が1,000万円、土地の評価額が2000万円の場合)
10,000,000×1.4%=140,000
20,000,000×1.4%=280,000
140,000+280,000=420,000

建物の評価額が1000万円、土地が2000万円の場合、何もしなくても年間で42万円の費用がかかります。
しかし、固定資産税には「軽減措置」が存在します。

軽減措置
・小規模住宅用地(住宅が建築されている200㎡以下の土地)は固定資産税を1/6まで減額。
・一般住宅用地(小規模住宅用地以上の住宅用地)は固定資産税を1/3まで減額。

軽減措置の対象を見ると、200㎡までの建物は固定資産税が1/6にまで減額すると書いてあります。
200㎡の敷地は、一般住宅のほとんどが対象になります。
そして、先程の42万円の固定資産税は軽減措置を受けると実に7万円まで下がります。

しかし、軽減措置は更地には適用されません
つまり、空き家を解体してしまうと対象だったはずの軽減を受けられないので、実質的に「固定資産税が6倍」になります。
空き家を放置するのは、更地にすると実質的に税金が増えてしまう事が一因なのです。

相続問題

相続

空き家のほとんどは、亡くなった親族から相続した家です。

グラフ1

引用:空き家対策研究会消費者調査 | 価値総合研究所

上のグラフは家を相続した人が現在住んでいる家の状況を示したものです。
全体の8割以上が持ち家の宅建住宅か、分譲マンションに住んでいる事が分かります。

相続したは良いものの、既に自分の持ち家がある場合は中々移り住む気にはなれません。
結果的に、相続をしても住まずに放置するケースが増えています。

また、相続人同士で誰が相続をするか揉める事もあります。
不動産は分割して所有するのが難しいので、争い事になってしまうケースも珍しくありません。

結果として全員で共有した場合、売却時には相続人全員の同意が必用なので「売却がしにくい家」になってしまい、放置されるのです。

中古住宅の需要の低さ

民家

日本には、昔から根強い「新築信仰」があります。
諸国に比べ、住宅市場に占める中古住宅の割合が少ないのです。
根強い新築信仰の影響で中古物件の価値が下がり、売却が難しくなって空き家として放置されるケースもあります。

既存住宅取引

引用:国土交通省 | 既存住宅流通シェアの推移等

上のグラフは、平成25年度住宅取引の国別割合を示したものです。
諸国に比べ、住宅市場に占める中古住宅の割合が圧倒的に少ないのが分かります。

ではなぜ、日本だけ中古住宅取引の割合が少ないのでしょうか。

理由のひとつに「質の違い」があります。
戦後、日本は住宅が不足しており「質より量」の精神でとにかく住宅を増やしました。
そのため、耐久性に優れない家が多く、同じ家にずっと住み続けるのが困難なのです。

また、ライフスタイルの変化も一因です。
経済成長と欧米文化の流入により、戦後から日本人のライフスタイルは変化し続けてきました。
そのため、古い建物は現在のライフスタイルには合わず、抵抗感の発生に繋がります。

2空き家対策特別措置法とは

警告

1どうして空き家が増えた?でお話したように、年々空き家は増え続けています。
対策として政府が施行したのが「空き家対策特別措置法」です。

法令により、空き家を放置していると支払う税金が増えたり、罰金や行政執行などが定められました。
空き家を所有しているなら必ず知っておきたい法令です。

空き家対策特別措置法」で定められている事の内、空き家の所有者が知っておくべき項目は5つです。

  • 空き家の実態調査が行われる
  • 適切に管理されていない空き家は「特定空家」に指定される
  • 特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令が出される
  • 特定空家に対して罰金や行政代執行が行われる
  • 固定資産税の軽減負担が対象外になる

それでは具体的に何を行うのか、1つずつ見ていきましょう。

空き家の実態調査が行われる

まずは、空き家の状態を確認して情報を集めます。
調査をする対象は、無作為に抽出された空き家です。

調査の目的
本調査は、全国の戸建て住宅の空き家等について利用状況管理実態などを把握し、空き家に関する基礎資料を得ることを目的としている。

調査の対象
本調査は、平成25年住宅・土地統計調査(平成25年10月1日現在)の調査対象住宅のうち、無作為に抽出した戸建て空き家等(次頁参照)の
所有者、管理者、土地所有者等(以下、「所有者等」という。)を対象とした。

調査の方法・時期
調査対象となった戸建て空き家等について、登記簿謄本により所有者等を特定したうえで、平成26年11月~平成27年2月にかけて、
郵送により調査票を配布して実施した。

引用元:国土交通省 | 平成26年空家実態調査 集計結果について

空き家の実態調査は昭和55年から開始されましたが、「空き家対策特別措置法」により変わったのは「調査士が立ち入り調査を行える」点です。
以前までは、空き家の所有者にお願いして調査を行っていましたが、法令の施行により調査が格段に行いやすくなりました。

適切に管理されていない空き家は「特定空家」に指定される

特定空家

調査の結果、不適切な管理をされている空家は「特定空家」に指定されます。
「特定空家」に指定される基準として以下の4つが挙げられます。

【特定空家に指定される基準】
1「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」
(建物の傾斜、屋根や外壁などが脱落・飛散しそうな状態)

2「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」
(臭気の発生、ゴミの不法投棄、ねずみ・ハエなどの生物が発生している状態)

3「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」
(窓ガラスが割れている、立木等が繁茂している状態)

4「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」
(立木等の繁茂により歩行者の通行を妨げている、不特定の者が容易に侵入できる状態など)

最終的な判断は市町村に委ねられますが、基準はおおまかに4つです。
いずれも「放置しておくと近隣に重大な被害を及ぼす」危険性を示唆しています。

ちなみに国土交通省が定めた「空き家」の基準は、1年以上住んでいない、または使われていない建築物を指します。
1年以上人が住んでおらず、近隣に被害を及ぼす可能性の高い建物が「特定空家」です。

特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令が出される

危険な空き家を特定空家に指定されたら、次は空き家の環境を改善しなくてはいけません。
行政は、「助言・指導・勧告・命令」のステップで特定空家の所有者に改善を要求します。

【助言・指導】
助言や指導の段階ではまだ処分の対象にはなっておらず、「行政指導」と呼ばれます。
行政指導の段階ではまだ法的効力はありません。
しかし、草木の伐採や建物の修繕、解体等の実施を促されます。
勧告
助言・指導より次の段階ですが、まだ「行政指導」なので法的効力はありません。
しかし、より強く改善を要求され、「勧告」に一定期間従わなかった場合は次のステップ「命令」に移ります。
命令
命令」は行政指導ではなく「行政処分」です。
法的効力が発生し、改善を命令されます
命令に従わない場合は50万円以下の罰金が発生する場合があります。
そして、明確な改善の期限を設けられます。

特定空家に対して罰金や行政代執行が行われる

命令」を受けても期限内に改善の意思が見られない場合、「行政代執行」が認められます。
行政代執行とは「市町村が所有者の代わりに空き家を強制撤去すること」です。
もちろん、代執行にかかる費用は全て所有者から徴収されます

勧告(同条第2項)及び命令(同条第3項)することができるとともに、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和 23 年法律第 43 号)の定めるところに従い、当該措置を自らし、又は第三者をしてこれをさせることができる(同条第9項)。

引用元:国土交通省 | 「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針

固定資産税の軽減負担が対象外になる

特定空家に指定されると固定資産税の軽減負担が対象外になります
先程、固定資産税の軽減措置は更地にすると適用されないので、空き家として放置するケースが増えているとお話ししました。

対策として「特定空家」を「更地」と同じ扱いにしたのです。
「空き家にしておいた方が得」と考える人を減らすためですね。

軽減措置は1/6負担だったので、実質的に「固定資産税が6倍」になります。
そのため、正確に言えば「軽減が外れる」だけで「税金が上がる」訳ではありません。

そして、軽減が外れるのは特定空家に指定された翌年からです。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成26年法律第127号)の規定に基づき、市町村長が特定空家等(注)の所有者等
に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該特定空家等に係る敷地について
固定資産税等の住宅用地特例(※)の対象から除外することとする。

引用元:国土交通省 | 空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置

3この後空き家はどうする?

分かれ道

空き家を放置しておくと、固定資産税の軽減措置は外され、最悪の場合強制撤去されてしまいます。
建物や土地は財産です。財産を所有する事で罰則を受けたり損をするのは避けたいですよね。

今から、指定空家に指定される前に私達に出来る選択を見ていきましょう。

解体工事のメリット

解体工事

不動産の売買を見据えるなら、最も一般的な方法は解体工事です。
空き家のまま建物を売ったり貸したりする事も出来ますが、中古物件(特に空き家)の需要はかなり低く、買い手がなかなか付かないのが現状です。

しかし、解体工事を行い更地すれば、需要が増えるので不動産の売買は楽になります
また、新築を建てる場合も解体工事を行って一度更地にする必要があります。
もし、空き家を取り壊して不動産を活用したいなら、ぜひ解体無料見積りガイドにご相談ください。

見積もりガイド

解体無料見積りガイドでは、厳しい審査基準をクリアした優良な解体業者だけを紹介し、全国から3社無料見積りが出来ます。
解体工事の事が分からなくても、丁寧にわかりやすくご説明しますので、お気軽にご相談ください。

一旦維持をするなら

維持

とはいえ、「解体工事は高いし一旦現状維持がしたい」と考える方もいると思います。
他にも、親から譲り受けた家を壊すのは忍びないと思う方もいるでしょう。

その場合、空き家を維持し続ける方法もあります。

もとより「空き家」が存在することは、そこまで問題ではありません。
問題なのは、管理が行き届かず退廃した空き家、「指定空家」が増え続ける事です。

つまり、適切な管理を施せば空き家のまま維持し続ける事も出来ます

適切な管理とは

空き家を管理するには「メンテナンス」が欠かせません。
最低でも月に一度、空き家に行って掃除や設備の確認をする必要があります。

空き家は数ヶ月放っておくと、設備の劣化や害虫被害が発生し、衛生環境が劇的に悪化します。
誰も住んでいないので換気や温度調整も行われず、夏場になるとカビやシロアリの温床になります。
そのため、定期的に掃除や換気を行い、水漏れや漏電をしていないかなどの設備の確認を行います。

管理サービスを使う最低限おさえておきたい空き家管理の方法と空き家管理代行サービスおすすめ3つ

しかし、自分でメンテナンスを行うのが難しい状況なら「空き家管理サービス」にお願いする方法もあります。

「空き家管理サービス」とは自分の代わりに業者が空き家を定期的にチェックしてくれるサービスです。
定期的に人が巡回してくれるだけでも、指定空家に指定されるリスクを下げられます。

代表的な空き家管理サービスのひとつにNPO法人が運営しているサービスがあります。
簡単な管理は100円から請け負っており、オプションも充実しているので、家の状態に応じて注文が出来ます。

定期的なメンテナンスを行うことで、比較的安価に空き家を維持する事が出来まるので、一度検討するのも良いでしょう。

npo
NPO法人 空家空地管理センター

4まとめ

家とお金

空き家を放置すると、固定資産税の軽減措置が適応されなくなったり、罰則や行政執行の対象になってしまいます。
大事なことは「特定空家」に指定されない事です。

指定される前に取り壊して土地を活用するか。
指定されない為に空き家を適切に管理して維持を続けるか。

どちらも大変な事ですが、空き家を放置して近隣に迷惑をかけたり、自分自身が損をしたりしない為にも決断が必要です。
空き家の解体や維持についてもっと詳しく知りたい方は、下の記事も合わせてお読みください。

お金がかかる空き家の維持費用は高額!あなたが出来る最善の選択とは 解体工事現場空き家の取り壊し、いくらかかる?解体工事を行うメリットとは。