長い年月と共に傷や汚れ、そして多くの不用品が溜まってしまった空き家。
掃除をしたいと思っても、どこから手を付けていいか分からない方も多いのではないでしょうか。
また、清掃業者に依頼しようと思っても「どこに連絡すれば良いの?」「そもそもこんなに汚れている空き家を掃除してくれるの?」と、疑問に思われると思います。
今回は、自分できちんと空き家掃除が行える手順と、頼れる空き家掃除のプロをご紹介していきます。
1 空き家を掃除してみよう!空き家を片付ける5つのステップ
それでは、空き家を掃除するための手順を、5つのステップに分けて見ていきましょう。
ステップ1 掃除に必要な道具を用意!
まずは、掃除に必要な道具を用意します。
空き家掃除の必須道具 | |
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軍手、スリッパ | 部屋中がホコリまみれなため、手足を守るために軍手とスリッパは必須です。 |
マスク | カビやホコリが充満しているので、吸い込み防止のために必ず装着しましょう。 |
脚立 | 高い場所で作業する場合、古い椅子などに乗ると壊れてしまう危険性があるので、丈夫な脚立があると安心です。 |
雑巾、ほうき、バケツ | 基本的な掃除用具です。忘れた場合ほとんど何も出来ないので気をつけてください。 |
ダンボール、ゴミ袋 | 不用品整理で必要になります。室内の不用品の数にもよりますが、少し多めに用意しておきましょう。 |
脚立以外は簡単に手に入るものばかりですね。
いざ掃除を始めた時に困らないように、しっかり事前準備を行いましょう。
ステップ2 掃除前には必ず換気・通水を!
長期間放置した空き家では、極端に空気の循環が悪くなっています。
そのため、空き家に到着したらすぐに換気を行いましょう。
玄関や窓はもちろん、お風呂の扉やクローゼットなど家中の扉を開けてください。
そして、水道の蛇口から水を出すのも忘れないでください。(通水)
長期間水道を使っていないと、水道管の中で悪臭や害虫が発生している危険性があります。
水は数分出していればOKなので、全ての蛇口を開き通水を行いましょう。
ステップ3 不用品を整理!
おそらく一番大変なステップですが、室内に溜まったモノを整理しましょう。
まずは、残すモノと不用品に分別します。
残すモノは、資産価値のあるもの(売ったらお金になる)と先人の遺品です。
遺品は、捨てる前に供養が必要になるので捨てないように注意しましょう。
「不用品」はいわゆるゴミです。
もう使えないものは、積極的に捨てていきましょう。
不用品の種類 | 具体的な品名 | 処分方法 |
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日用品 | 可燃ゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ | 地域のゴミ回収で無料回収 |
家電製品 | エアコン、洗濯機、テレビ、冷蔵庫 | 郵便局で家電リサイクル料金を支払い、指定場所へ持っていく |
パソコン | ノート型含むパソコン本体、液晶ディスプレイ | 家電量販店やメーカーの回収サービスに依頼 |
粗大ゴミ | タンス、布団、机 | 粗大ゴミ受付センターに連絡後、ゴミ処理券を購入し指定日に出す |
不用品は上記のように分別する必要がありますが、それほど難しい作業ではありません。
不用品のもっと詳しい処分方法が知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。
ステップ4 室内だけじゃない!庭や外壁も綺麗にしよう
室内だけでなく、室外の掃除も重要です。
特に気をつけたいのは庭の雑草。
雑草はそのままにしておくと害虫の発生原因になったり、伸びすぎると近隣の家にまで侵入してしまう恐れもあります。
室内を掃除したら、庭の手入れもしっかり行いましょう。

また、外壁の汚れも落とさなくてはいけません。
外から見た時に「あの家は手入れがされてないな」と思われてしまうと、不法投棄や放火の対象になる可能性が上がってしまうのです。
外観を綺麗にすることで、犯罪に巻き込まれるリスクを下げられます。
ステップ5 綺麗にしてからが本番?定期的なメンテナンスを
さて、大変な掃除も終わり、もう安心……ではありません。
せっかく掃除をしてもまた1年、2年と放っておいたらまた同じことをする羽目になります。
掃除が終わったら、今度は定期的なメンテナンスが必要になります。
空き家は、放置しておくと家の中が汚れるだけでなく、所有者に様々なペナルティやデメリットが発生するのです。
例えば、空き家がボロボロの状態になり、政府から危険だと見なされると支払う税金が増えたり、酷い場合は強制撤去されてしまいます。

そのため、少なくとも月に1度、空き家に訪れてメンテナンスをしましょう。
メンテナンスと言っても、そんなに難しい作業ではありません。
空き家を適切に管理するためには、3大メンテナンスを意識するのが基本です。
空き家の3大メンテナンス | |
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換気 | ただ家の扉を開けるのではなく、押入れやクローゼットなど、湿気が溜まりやすい場所もしっかり換気をしましょう。 |
通水 | 水道管は、あまりに使わないと錆びてしまいます。また、錆によって水道管が破裂する恐れもあるので、メンテナンスの際は必ず水道から水を流しましょう。 |
掃除 | 室内の掃き掃除はもちろん、庭の手入れも重要です。雑草が生い茂っている状態では、害虫の住み家になってしまいますし、近隣にまで迷惑がかかってしまいます。 |
空き家は誰も住んでいませんが、だからこそ維持や管理をしていくのは大変なのです。
維持をしていくと決めたら、覚悟を持って空き家を適切に管理していきましょう。

2 空き家の掃除が大変な時は……頼れるプロにお願い!
確かに、空き家の掃除は自分でも行えますが、室内に不用品が多かったり、人手が足りない場合はどうしても億劫になってしまいます。
そんな時は、清掃業者に依頼する事も出来ます。
空き家掃除のプロに任せる事で、掃除の負担がなくなるのはもちろん、空き家掃除に関する不明点もフォローして貰えるので安心です。
空き家掃除では、主に「遺品整理業者」と「空き家点検サービス」の清掃業者が利用できます。
空き家掃除のプロ!「遺品整理業者」
空き家掃除を行う際に利用したいのは「遺品整理業者」です。
古くなった壁や床の状態を把握し丁寧に作業してくれる業者もいれば、庭の物置や、乗らなくなった車の処分までまとめて行ってくれる業者もいます。
空き家掃除のプロなので、重要書類や先代の遺品など、捨ててはいけないものを把握しているので安心です。
実際のサービスを確認!「ワンズライフ」
引用:ワンズライフHP
それでは、実際のサービス内容を確認してみましょう。
今回は遺品整理業者の中でも優良事務所として有名な「ワンズライフ」さんのHPを参考にしていきます。
ワンズライフさんのサービスでは、「遺品整理、家財整理、生前整理、空家整理」の4つに加え「特殊清掃」の項目があります。
今回は「空家整理」について見ていきましょう。
サービス料金
厳密な料金に関しては、実際に見積りを取る必要がありますが、基本料金は以下の通りです。
間取り | 作業員数 | 目安の金額 |
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1K | 1名 | 35,000円 |
1DK | 2名 | 60,000円 |
1LDK | 3名 | 80,000円 |
2DK | 4名 | 120,000円 |
2LDK | 4名 | 150,000円 |
3DK | 5名 | 180,000円 |
3LDK | 5名 | 200,000円 |
4DK | 6名 | 230,000円 |
4LDK | 6名 | 260,000円 |
サービス内容
そして肝心のサービス内容です。
見積後の流れから一緒に見ていきましょう。
ミーティング | 依頼主と共に情報共有を行います。作業の主な目的(仕分け、片付け、清掃など)を明確にし、捜索物がある場合は事前に確認していきます。 |
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室内確認と準備作業 | 作業前に近隣挨拶を行います。また、搬入作業で壁や床が傷つかないように養生作業を行います。 |
仕訳 分別 梱包 | 遺品を10品目以上に仕分けします。仕分けされた遺品は丁寧に梱包、袋詰めなどを行います。また、廃棄物は各自治体の定めにより分別し、搬出に備えます。 |
搬出作業 | 梱包した荷物や家具類を搬出します。再利用出来るものは丁寧に扱い、家具の分解などもしません。 |
清掃 | 空家の片付けが済んだら、清掃に入ります。清掃は、特に汚れている水回りを念入りに行い、床は掃き掃除、掃除機掛けなどが主な内容です。大体3時間以内で終了します。 |
ちなみに、基本的な清掃作業は以下の通りです。
(2)室内の掃き掃除
(3)畳など必要に応じた掃除機掛け
(4)フローリングなど必要に応じた拭き掃除
(5)水回り(キッチン、バス、トイレ等)を洗剤で洗浄
また、別途料金はかかりますが、「特殊清掃」にも対応しています
(2)浴室清掃……30,000円~
(3)消臭剤・除菌剤の散布……10,000円~
(4)汚染畳の撤去……10,000円~
(5)消臭(オゾン処理)……30,000円~
ただし、料金に関しては、事前に見積りを取ってもらう必要があります。
興味を持たれた方は、自分の空き家はいくらで清掃してもらえるのか、まずは無料見積依頼をしてみましょう。
遺品整理業者を探すには?
他にも遺品整理業者は全国で営業しています。
「みんなの遺品整理」のHPでは、全国で営業している遺品整理業者を探すことが出来ます。
気になった方は是非参考にしてみてください。
適切な空き家管理を!「空き家点検サービス」
先程、空き家を綺麗にしたら、定期的なメンテナンスが必要になるとお話ししました。
とはいえ、空き家が遠方にある場合はそう頻繁に訪れるのは難しいですよね。
大丈夫です。空き家メンテナンスには「空き家点検サービス」利用することも出来ます。
実際のサービスを確認!「ダスキン 空き家点検サービス」
それでは、実際のサービスを確認してみましょう。
今回は「ダスキン」さんの空き家点検サービスをご紹介します。
サービス料金
一軒家プラン(延べ床面積120m²未満) | 14,040円(税抜13,000円)※対象条件を超える場合は別途見積り |
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マンションプラン(延べ床面積100m²未満) | 11,880円(税抜11,000円)※対象条件を超える場合は別途見積り |
サービス内容
点検サービスの大まかな内容は「簡易清掃、点検、報告」です。
清掃は床の掃除機、モップがけや、ベランダ・玄関の拭き掃除、トイレ便器内部の洗浄などを行います。
また、窓や扉の動作、施錠の確認、破損や劣化がないか確認し、大切な空家の現状を報告します。
簡易清掃と書いてありますが、月に1度の空き家掃除なら充分な内容になっています。
さらに、換気や通水、設備や家の周囲の確認までしっかりしており、理想的なメンテナンス内容です。
費用はかかってしまいますが、場合よっては空き家に訪れるのに往復1万円以上かかってしまう方もいるのではないでしょうか。
移動費やメンテナンスの手間をよく考えて、利用を検討してみてください。
ダスキン 空家点検サービスの見積りはこちら
3 まとめ
長期間放置した空き家の掃除は、大変困難です。
自分たちで出来る場合は良いですが、情報や人手が不足しているのなら、無理をせずに清掃業者に依頼するのがおすすめです。
空き家掃除のプロに依頼する事で、小難しい作業がスムーズかつ適切に行えるので理想的なサービスです。
まずは、正しい清掃費用を知るために見積りを出してもらいましょう。
空き家を適切に管理する一歩目を踏み出すチャンスです。
