空き家貸し出し物件を借りたい!メリット・デメリットは?

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定年退職を迎えて、田舎でゆっくり暮らしたいと思っている方や、在宅ワークなどの場所に縛られない仕事をしている方の中には、田舎の空き家を借りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

実際、田舎の空き家は賃料も安く、閑静な環境での暮らしは魅力的です。

しかし、いざ借りようと思っても「空き家を借りるなんて本当に大丈夫……?」「色々とデメリットがあるんじゃないの?」と不安に感じてしまいますよね。

今回は、空き家を借りる上でのメリットやデメリット、実際の手続き方法などを一緒に見ていきましょう。

1 空き家を借りるメリットとデメリットとは?

空き家を借りる事には、メリットとデメリットの両方が存在します。
それぞれのポイントをしっかり把握して慎重に検討しましょう。

それでは、詳しく見ていきましょう。

メリット1 家賃が安い

1番のメリットは、なんと言っても家賃が安い事です。
現在、全国的に空き家は増加の一途を辿っています。

国土交通省 空き家数

引用:国土交通省 | 空き家等の現状について

そして通常、所有している空き家を放置していると、オーナーには様々なペナルティやデメリットが発生します
例えば、支払う税金が増えたり、放火や不法投棄の対象になりやすくなったり、湿気や害虫被害に蝕まれたりと良いことがありません。

空き家空き家を放置すると税金が上がる理由とは?「空き家対策特別措置法」について解説

そのため、空き家のオーナー達は、なんとしても空き家の買い手や借り手を見つけたいのです。
そして、単純に築年数が長い場合、不動産としての資産価値が低いので、普通の賃貸物件よりは安く契約することが出来ます。

また、空き家はとにかく入居者との契約が優先な場合が多いので、上手く交渉すれば通常の賃貸よりは値下げがしやすいケースが多いです。

極端な例では、空き家を放置したくないが為に、ハウスキーパーとして無料で貸し出す場合もあります。

メリット2 リフォーム・改修に寛容な物件が多い

また、貸し出されている空き家の中にはリフォーム改修に寛容な物件も多いです。
買い手を付けやすくする為でもありますが、多くはリフォームが必要だと認めているからです。

築年数が長かったり、設備に不備がある場合はリフォームや改修の必要があります。
基本的には買い手や借り手がリフォームを行うので、費用がかかってしまいますが、自分好みの家に出来るのはメリットのひとつですね。

また、空き家のリフォームには自治体から補助金が支給されることもあります。
安価で自分好みの家に出来るチャンスでもありますので、活用するのもおすすめです。

アイキャッチ空き家のリフォームなら補助金制度を確認!工事費用を抑えましょう!

デメリット1 家の状態が悪い場合も

恐らく最大の懸念点だと思いますが、基本的に空き家は築年数が長いので状態が悪い物件も多く存在します
安い賃料で契約するとは言え、家の状態がボロボロでは意味がありません。

そのため、物件を借りる前は通常の賃貸物件と同じように「内見」をしましょう。
内見で重要なポイントを見落としてしまうと、契約後に後悔する羽目になります。

内見で必ず確認したいチェックポイント!
水道洗面所キッチン浴室トイレなどで水を流してみましょう。水の量が極端に少なかったり、蛇口下の配管が漏れていないか要チェックです。※元栓が閉まっている場合、水を流す前に元栓を開ける許可を頂きましょう。
電気電気が通っている場合、全ての電気を付けてみましょう。電気が付かない時は、電球切れか設備不良かをはっきりさせる必要があります。
ガス閉栓されている可能性が高いので、確認する為にはガス会社に連絡する必要があります。可能であれば、給湯器ガスコンロが機能するかを確認しましょう。ガス設備の製造年が確認出来ると、耐久年数を過ぎてないかが分かるので便利です。
ドアや窓実際にを閉開し、引っ掛かりや大きな音がしないか確認しましょう。また、ドアを開けっ放しにしておくと、自然に閉まらないかを確認出来ます。
床や壁内装は要チェックです。にヒビは無いか、室内を歩行して傾きを感じないか、大きな音がしないかなどを確認しましょう。また、空き家は湿気が多くカビが生えやすいので、室内のにおいもチェックしておきましょう。
外壁道路や敷地内から、外壁もチェックしておきましょう。外壁にひび割れや隙間がないかを確認しましょう
雨漏り雨の日に行くとすぐに分かりますが、そうでない場合は天井を確認しましょう。明らかに隙間や穴が空いている場合は要注意です。
冬の寒さ内見は冬に行くのがおすすめです。家に隙間やヒビなどが多いと、冬の寒さに耐えられません。冬に行けない場合は、内装のヒビ・隙間チェックをくまなく行いましょう。また、壁や床などに「断熱材」が使用されているかどうかも、オーナーに尋ねてみましょう。

以上が、大まかなチェックポイントになります。
実際に確認してもよく分からない、不安だと思ったら、オーナーに確認を取りましょう。

ただし、どの程度の不備を寛容するかは、人によって異なります。
不備ひとつない完璧な物件を探す人もいれば、床がきしむくらいは気にしない人もいるのです。

そのため、大事なのは「どこに不備があるのか」を事前にしっかり確認する事です
仮に不備があったとしても、寛容出来る範囲なのか、違うのか。
事前にはっきりさせておく事で、後悔の無い契約に近づけます。

デメリット2 オーナーと直接交渉するケースが多い

空き家を借りる場合、多くは不動産会社を通さずにオーナーとの直接交渉になります。
通常の賃貸物件の場合は、専門家である不動産会社が価格を決定します。

しかし、空き家の契約ではオーナーが賃料や価格を決めるので、価格=適正評価とは限りません
そのため、賃料が高くても家の状態がボロボロな可能性もあるのです。
借りた後で「家の状態が悪いのに、この家賃はおかしい!」と後悔したくはありません。

また、見えない欠陥が発覚した場合は「瑕疵(かし)担保責任」が発生しますが、明らかに分かる欠陥に関してはオーナーは責任を取れません。

瑕疵(かし)担保責任とは?
契約後、見えない・気づけない欠陥に対してオーナーが責任を取ることです。
例としては「漏水・木材の腐蝕・騒音、振動、臭気」などです。
不動産売買契約書」を元に契約をしている場合は、空き家でも瑕疵担保責任は発生します。

そのため、やはり契約前には精密な内見をおすすめします
希望価格に惑わされず、自分で適正価格を見定めた上で物件を探しましょう。

2 所有者と居住希望者をマッチング? 空き家バンクとは

では、実際に賃貸契約を結ぶにはどうすれば良いのでしょうか。
オーソドックスな方法としては「空き家バンク」の利用が挙げられます。

まだまだ認知度の低いサービスですが、理想的な仕組みをしている優秀な制度です
続いては、空き家バンクの概要を一緒に見ていきましょう。

空き家バンクの仕組み

空き家バンクは、空き家を売りたい、貸したいと思っている所有者(オーナー)と、空き家を買いたい、住みたいと思っている空き家利用希望者をマッチングさせるサービスです。

地方自治体が運営するサービスで、ほとんどは無料(非営利)で運営しています。
なぜなら、地方自治体の目的は空き家の活用や人口増加による地方活性化だからです。

つまり、空き家バンクは、所有者・利用希望者・地方自治体の三者三様にメリットのある理想的な仕組みなのです

空き家バンク 説明

空き家バンクの現状

空き家バンクは理想的な仕組みながら、まだまだ認知度・利用度共に低いのが現状です。
実際の仕組みどころか、空き家バンクの名前すら知らない方も多いのです。

物件成約率 グラフ

引用:株式会社うるる | 平成28年 空き家バンク運営実態調査 成約率

上のグラフは、平成28年の空き家バンクの成約率(登録件数÷契約件数)を示したものです。
全国的に見ると、成約率は50%未満が6割と、契約が順調に行っていない現状が分かります。

空き家バンク 施策

引用:株式会社うるる | 平成28年 空き家バンク運営実態調査 施策アンケート

また、上のデータは空き家バンクの成果を上げる為の施策アンケートです。
173の自治体のうち、実に70が「空き家バンク制度の周知・啓蒙」と回答しています。

やはり、全国的に認知度が足りてないが故に、成約率が軒並み低いようです。
しかし、逆に言えば空き家バンクは穴場状態なのです。
競争率が低い分、思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。

実際の自治体を確認「神奈川県 小田原市」

それでは、実際に空き家バンクで物件を借りるにはどうすれば良いのか?

今回は、「神奈川県 小田原市」のHPを例に手順を見ていきましょう。

契約までの手順

まず、空き家バンクを利用するには「空き家バンク活用登録台帳」に登録します。
小田原市の場合、HPの「空き家バンク活用登録申込書」から書式をダウンロードが出来ます。

小田原市 空き家バンク

引用:小田原市役所HP | 空き家を借りたい・使いたい方へ

必要事項が記入出来たら、小田原市役所の窓口(都市政策課)か、郵送にて提出をします。

提出後、小田原市は空き家の利用希望者と所有者のニーズに合わせてマッチングを行います。
さらに、小田原市の場合は神奈川県の不動産関係団体に仲介を依頼します。
(小田原市の仕事はここで終わりです)

そして、不動産関係者の仲介により利用希望者と所有者で契約を行います。
(ただし、仲介手数料が発生します)

賃貸物件例

物件番号0003 穴部 2階建てアパート

ひとつ目の物件は小田原市穴部にある2階建てアパートの一室です。

空き家 物件1

引用:小田原市役所HP | 物件番号0003のPR写真

小田原市 物件番号0003
区分賃貸
地域穴部
建物2階建てアパート1階
間取り3LDK 14坪
希望額45,000円/月 敷金1ヶ月
備考最寄り駅から徒歩5分 南向き

駅から5分、3LDKの間取りで45,000円はかなり安価な物件ですね。
比較として、物件検索サイトSUUMOで「小田原市 3LDK 駅から5分以内」で検索を掛けた所、家賃は6万円以上が平均でした。

SUUMO1

引用:SUUMO | 「小田原市 3LDK 駅から5分以内」

もちろん、細かい条件は異なるので完全な比較にはなりませんが、やはり安い賃料で契約出来るのは確かですね。

物件番号0025 久野 4階建てマンション

続いては、マンションの物件を見てみましょう。
小田原市の久野にある4階建てマンションの3階です。

空き家 物件2

引用:小田原市役所HP | 物件番号0025のPR写真

小田原市 物件番号0025
区分賃貸
地域久野
建物4階建てマンション3階
間取り3LDK 16坪
希望額60,000円/月 敷金1ヶ月
備考最寄り駅から徒歩9分 南向き 駐車スペース有

マンションの3LDKで60,000円は安いですね。
同じくSUUMOで検索を掛けたところ、7万円台が相場のようです。

SUUMO2

SUUMO3
引用:SUUMO | 「小田原市 マンション 3LDK 駐車場付き」

月々の家賃を考えた場合、1~2万円の差は大きいですよね。
しかも、記載されている金額はあくまで「希望額」です。
オーナーと直接交渉出来るので、上手く交渉できればさらにお得な賃料で契約が出来ます。

他にも、立地や空き家の状態によっては破格の安さで契約出来る物件もありますので、住みたい地域の空き家バンクを是非調べてみてください。

空き家を購入する時の注意点と専門の情報サイト

全国の空き家バンク制度

空き家バンクは、全国各地で750以上の自治体が運営しています。
以下の表では、利用可能な空き家バンクを地域ごとにまとめていますので、是非活用してみてください。

※地域を選択すると空き家バンクの公式HPが読めます。

北海道・東北地方

北海道・東北地方
北海道青森県岩手県秋田県宮城県山形県福島県

関東地方

関東地方
茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県

中部地方

中部地方
新潟県富山県石川県
福井県山梨県長野県
岐阜県静岡県愛知県

近畿地方

近畿地方
三重県滋賀県奈良県和歌山県京都府大阪府兵庫県

中国地方

中国地方
岡山県広島県鳥取県島根県山口県

四国地方

四国地方
香川県徳島県愛媛県高知県

九州地方

九州地方
福岡県佐賀県長崎県大分県
熊本県宮崎県鹿児島県沖縄県

3 まとめ

空き家バンクは、まだまだ認知度の低い制度ですが、空き家の貸し出し物件を探すならおすすめのサービスです。

ただし、空き家なので状態の悪い物件も数多く存在します。
空き家の貸し出し物件を借りる際はしっかりと内見を行い、チェックポイントを確認して理想の物件を見つけましょう。

また、空き家バンク以外にも空き家減少の為に地域で様々な取り組みをしている団体もあります。
地域の取り組みを取り上げた下記の記事もおすすめです。

アイキャッチ地方の空き家を再生・活用へ!地域ごとの取り組みを紹介