空き家を無料で扱うサイト紹介と取得後の注意点

地方で空き家を所有している方の中には、無料で空き家を提供されている方がいらっしゃいます。近年では、こうした空き家を利用して地方に移住したいと考えている方も増えているようです。
そこで、この記事では空き家の所有者が無償で空き家を提供している理由や、実際に0円で利用できる物件を取り扱っているサイトをご紹介していきます。さらに、空き家を取得すると課せられる税金についても解説していますので、地方の空き家を利用して移住を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。

そもそも、なぜ空き家が無料で提供されているの?

空き家とはいえ、物件を無料で使わせてもらったり、譲ってもらえたりするわけですから、「もしかしたら怪しい物件なのかもしれない」と疑いたくもなりますよね。でも安心してください。空き家の所有者が無料で空き家を提供しているのは、無料で使ってもらったり、譲ってしまったりした方がメリットがあるからです。
そこでまずは、空き家を提供する側からみてどのような利点があるのか確認していきましょう。

使ってもらうだけで老朽化が防げて防犯にもなる

空き家を放置し続けることは、空き家の所有者にとって様々なリスクに繋がります。例えば、湿度が高い日本では定期的に換気をしないと、家の中に湿気が溜まって木造部分が腐り、建物の老朽化が進んでしまいます。その結果、最悪の場合、地震や台風の影響で家が倒壊する恐れがあるわけです。
他にも、空き家は放火などの対象になりやすく、犯罪の引き金になってしまうケースも少なくありません。そのため、たとえ無料でも誰かに住んでもらうことで、建物の老朽化を防ぐことができ、防犯もできるというわけです。

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空き家に課せられる税金を節約できる

また、空き家は所有しているだけで毎年、土地と建物それぞれに固定資産税が課せられます。しかも、放置され続けた空き家は通常よりも重い税金が課せられるのが特徴です。

放置され続けた空き家の税金は高額
2014年に実施された「特定空き家特別措置法」により、1年以上使用されていない空き家は「特定空家」に指定される場合があります。特定空家に指定されると、土地部分に適用されていた税金の優遇措置が外され、翌年から課せられる税金が6倍になってしまいます。
計算例
課税の対象になる土地の評価額 600万円
優遇措置を受けた場合の評価額 100万円(評価額は1/6になる)
固定資産税の税率 1.4%

優遇措置を受けている土地の固定資産税
評価額 600万円 × 1/6 ×税率 1.4% = 固定資産税 1万4,000円(年額)

特定空き家の土地の固定資産税
評価額 600万円 × 税率 1.4% = 固定資産税 8万4,000円(年額)
※優遇措置を受けている土地と比べると6倍!

そのため、利益が出ない空き家を放置するよりも、「無料でも良いから誰かに住んでもらって節税したい」、「いっそ譲渡して税金の煩わしさから開放されたい」という空き家の所有者さんが増えているわけです。

空き家の物件を専門に扱う情報サイト

とはいえ、無料で提供されている空き家のほとんどは、「住む人がいない」「立地が悪い」「老朽化が進んでいる」といった様々な理由から放置されている物件が多い傾向にあります。
そのため、「どうせ借り手も買い手もつかないだろう」と考える所有者さんもいて、一般的な不動産の市場に出回らないケースがほとんどです。もちろん、不動産会社からみても、条件の厳しい物件を積極的に取り扱うのは難しいですからね。
その影響から、近年では空き家の物件を専門に扱う情報サイトが普及してきました。ここからは、実際に無料で提供されている空き家の物件が探せる情報サイトをいくつかご紹介していきます。

1.Sumai空き家

無料から有料の空き家まで、3,200件以上の物件を掲載している空き家専門の情報サイトです。賃貸と売却、両方の取り扱いがあり、価格帯別に空き家を探すことができるので、無料の物件も簡単に見つけることができます。
各物件の住所ごとにgoogleマップのリンクが貼られているので、手軽に建物の外観が確認できるのもポイントです。

Sumai空き家

引用:Sumai空き家

2.ieICHIBA(家いちば)

空き家を売りたい人と買いたい人がマッチングできる掲示板サイトです。価格別では「100万円台」と「100万円未満」の2つから物件を検索することができ、100万円未満の検索結果には無料で提供されている空き家や土地が含まれています。他にも、カテゴリー別やエリア別など、目的にあわせて色々な方法で物件が探せるのも特徴です。また、物件を所有している方が直接書き込みをされているので、空き家になった経緯や現在の詳しい状況が細かく載っているのも魅力です。

家いちば

引用:家いちば

少額から利用できる空き家の情報サイト

ご紹介した2つのサイトには、無料から有料まで豊富な物件が掲載されています。とはいえ、完全に無料で提供されている空き家は多くありません
もし、無料にこだわらないのであれば、少額で取引されている空き家も視野にいれて探してみると、理想に近い物件を早く見つけられるでしょう。
そこで、ここからは無料とまではいかないけど、少ない金額で購入できる空き家を取り扱っている2つのサイトをご紹介します。

3.空き家ゲートウェイ

価格が100円もしくは100万円の2種類のみで設定されている、空き家専門の情報サイトです。掲載されている物件は実際に取材に行かれたうえで、1つひとつ豊富な写真と伴にリアルな体験談を混じえて、ブログ形式で詳しく紹介されています。

空き家ゲートウェイ

引用:空き家ゲートウェイ

4.athome|全国版空き家・空き地バンク

各自治体が運営する「空き家バンク」に登録された物件を扱う空き家専門の情報サイトです。全国各地の500を超える自治体が参加しており、5,500件以上の物件からエリアごとに検索ができるのが特徴です。価格は数万円から数百万円のものまで、幅広く取扱いがあります。

athome|全国版空き家・空き地バンク

引用:athome|全国版空き家・空き地バンク

ここまで、それぞれ特徴を持った4つのサイトをご紹介しました。どれも地方で空き家を探す際に有力なサイトです。実際に空き家を探す際は、ぜひ参考になさってください。

空き家を取得すると税金が課せられる

空き家を譲り受けると修繕費をはじめ、実際に住むまでに色々な費用が掛かってしまうのはご存知の方も多いでしょう。中でも、特に注意してほしいのが税金です。ここからは、空き家を取得したことで課せられる税金について少し解説していきます。
空き家を購入してから予想外の出費に悩まされないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

抑えておくべき税金は全部で4つ

空き家を取得した時に掛かる税金は、譲渡税、不動産取得税、登録免許税の3つです。さらに、空き家を持ち続けることで毎年、別途に固定資産税が発生します。
なお、各税金は建物と土地の評価額に対してそれぞれの税率を掛けて計算されます。以下の表は各税金の種類と税率をまとめたものです。

税金の種類課税のタイミング税率
1.贈与税取得時(評価額-基礎控除110万円)×10%
2.不動産取得税取得時評価額×3%ただし、土地は評価額の1/2×3%
3.登録免許税登記時評価額×2%
4.固定資産税毎年評価額×1.4%ただし、住宅地の場合は軽減措置

数字だけを見ても具体的なイメージが掴みづらい、という方が多いかもしれませんね。ただ、ここで重要なのは空き家を取得すると家屋と土地のそれぞれに対して評価額に応じた税金が課せらるという点です。
なお、評価額が控除額に満たない物件や免税の基準額よりも低い場合は税金が免除されます。例えば、贈与税の場合、評価額が控除額の110万円に満たなけれ税金が免除される、といった具合です。
その他ご紹介した税金もあわせて、免税の基準額を表にまとめたので気になる方はチェックしてみてください。

税金の種類控除額と免除の条件
1.贈与税控除額110万円
2.不動産取得税評価額が土地10万円以下、建物12万円以下の場合それぞれ免税
3.登録免許税評価額が10万円以下の場合、土地と建物それぞれ免税
4.固定資産税評価額が土地30万円以下、建物20万円以下の場合それぞれ免税

評価額は「固定資産税評価額」にもとづいている

なお、不動産を取得したことで課せられる税金は、管轄の自治体が管理している台帳に記載された、固定資産税評価額を基準に計算されます。無料で譲り受けたとしても取得した価格が基準にはならないので注意しましょう。

固定資産税評価額とは?
各自治体が管理する固定資産税課税台帳に記載された不動産の評価額のこと。土地と建物それぞれに価格が付けられており、土地は路線価を元に、建物は各自治体の固定資産評価審査委員会の査定によって金額が決まります。なお、建物は経年劣化などの観点から3年おきに評価額が見直されます。
路線価※…国土交通省が決めている道の価格。なお、路線価に土地の面積を掛けた金額が土地の評価額になります。

なお、固定資産税評価額は空き家の所有者に毎年送られてくる課税明細書に記載されている他、各自治体が管理する台帳を閲覧することでも確認ができます。ただし、台帳を閲覧できるのは空き家の所有者およびその親族に限られるため、空き家を譲ってもらう前にご自身で対象の空き家の評価額を確認することはできません

参考 固定資産税等に関する公簿等の閲覧および証明事務の取扱基準固定資産税等に関する公簿等の閲覧および証明事務の取扱基準

たとえ、無料だとしても空き家は不動産として扱われるので、税金の対象になるのは避けられません。気になる物件があっても即決するのではなく、落ち着いて詳細情報も問い合わせましょう。

まとめ

空き家を無料で利用したり譲り受けたりすることは、空き家を所有している方にもメリットがあり、実際に色々な物件が無償で取引されています。
ただし、空き家には不動産としての価値があるので、無償で譲ってもらったとしても各種税金の対象になります。気になる物件が合った場合は、事前に確認してもらって必要な税金についても備えておきましょう。