空き家対策特別措置法で市区町村が本格的に始動!あなたの街の助成制度は?

「思い出のつまった家なので売りたくない」「両親亡きあとどうしてよいか分からない」など空き家対策について悩む方が増加傾向にあります。少子高齢化にともなう人口減少で空き家の戸数は増加する一方で、深刻な社会問題となっています。

あなたの空き家は、現在どうなっていますか?

実家が空き家となり気になりながらも、深刻な近隣住民からの苦情がないので、放置してしまっている方も多いのではないでしょうか
適切に管理していない空き家は、近隣住民に以下のような深刻な被害をもたらします。

・老朽化による倒壊
・景観の悪化
・放火による火災
・不審者による治安悪化
・雪の重みや突風による倒壊や落雪など


実家があるが時間や交通費もかかることから、適正な管理が難しいのが現実です。
外部の業者の手を借り、空き家の現状把握するのも有効な手段です。
空き家管理サービスは、外観管理と家内サービスの大きく二つに分かれ、その巡回内容により金額も異なります。
多種ある空き家管理サービス会社より、こちらでは5000円から空き家の外部目視点検そして簡易清掃及び雑草除去等
含めた作業内容がWEB上で確認が手軽にでき、空き家の様子の動画レポートもついてくる空き家管理サービス会社を紹介します。( 2017年4月現在全国 38 都道府県で提供)

参照:日本空き家サポート

空き家管理サービス内容には、月1回から2回へと巡回数を増やしたり、室外だけでなく室内の通水や雨漏り・カビ確認等の項目も依頼でき、プランを選ぶことができます。

 

空き家は増える一方、過去最高の空き家率

総務省は、5年ごとに宅数、空き家数、持ち家数などの住宅に関して調査を実施しています。2013年10月に発表した統計によると、日本の総住宅数は6063万戸で、そのうち空き家数は820万戸となり5年前に比べて63万戸増加し、平成25年時点では、7件に1件が空き家となり、空き家率(総住宅数に占める割合)は、平成25年には13.5%と空き家数,空き家率共に過去最高となりました。

引用:総務省統計局

これ以上の空き家増加の悪化状況に対処するために国が動き出す

これ以上空き家が増え続けると生活への悪影響が予想されます。
更なる悪化を食い止めるために、2015年に「空き家対策特別措置法」を制定しました。
これまでは、空き家の近隣住民が空き家への苦情を市区町村へ出しても、個人の資産である空き家に対し、市区町村が勝手に調査や処分が出来ませんでした。この法律の完全

施行により市町村による空き家への立ち入り調査が可能になり、本格的に対策も実施されていきます。

「空き家」を放置し続けると?

空き家を放置し続け、倒壊寸前の危機である判断された空き家は「特定空家」と指定されます。

「特定空家等」とは…

  ・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  ・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  ・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  ・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

と定義されています。

(空家対策特別措置法 2条2項)

「特定空家」に指定されると、市区町村より助言・指導・勧告・命令の対象となります。
所有者にペナルティーが科せられ、土地にかかる固定資産税と都市計画税の優遇措置が受けられなくなります。
市区町村からの助言や改善の勧告に従わず、改善されないと、毎年の固定資産税は6倍に、都市計画税は3倍に跳ね上がるのです。
最終的には解体され、その費用が所有者に請求されることになります。
地域により、空き家対策への取り組み内容も異なりますが、空き家所在地域の助成制度をご利用することをおすすめします。

市区町村による空き家対策 助成制度とは?


空き家対策助成制度には、大きく解体費用とリフォーム費用に分類されます。
今回は、群馬県高崎市の取り組みを一例に紹介します。
高崎市では、空き家対策事業として、管理・解体・活用目的とした助成制度が充実しております。

地域サロン改修助成金

  
これは、地域活性化を目的とし、高齢者や小さな子供のいる家族が利用できるサロン運営のための、その改修費用の一部が助成されます。
本助成金の意図する地域サロンとは、地域住民のための交流を目的とし、営利目的でないものとされています。
助成金の詳細を確認し、所有している空き家が助成制度の諸条件を満たすかどうか、必ず申請前に、窓口で事前相談が必要になってきます。
対象となる空き家は、以下すべてに該当する空き家です。

・高崎市内にある建築物で、おおむね1年以上無人または使用されていないもの
・戸建て住宅の空き家
・戸建て貸家の空き家
・併用住宅の空き家(店舗等が廃業されていること) 等

助成対象者

・空き家の所有者
・地域サロンの運営団体又は個人 (地域サロンの運営団体へ貸し出すことが前提)

助成金の額

上限を500万円とした助成対象経費の2/3以内が助成されます。

申請必要書類

・空き家地域サロン改修助成金交付申請書
・誓約書
・事業計画書
・団体概要書(概要書、規約会則等、会員名簿など)
・運営計画書
・施工業者からの見積書施工前の写真
・空き家等の見取り図又は平面図
・空き家化の経緯報告書

※他書類も提出が必要になる場合もあるので、窓口で事前確認が必要になってきます。

本助成金を受けるには、これまでの住民税の滞納がないことや宗教、選挙目的でないことなど細やかな条件があります。
また、群馬県高崎市に限らず、着工後は対象外になるので、早めの事前確認が必要となってきます。空き家が地域サロンとして、地域住民のための仲間づくりや交流の場となり、地域貢献できれば、空き家所有者だけでなく、近隣住民にとっても感謝される場所となりえますね。解体やリフォーム、その他所有者の希望する空き家・土地活用に合わせた内容を確認しましょう。


高崎市では、平成26年度から制度の拡充を図り、空き家事務所・店舗改修助成金を新設するなど市民からの要望にも応えています。
補助金の種類は、先にあげました地域サロン改修助成金含め7種類あり、その費用の一部を助成しています。

解体したい

→空き家解体管理助成
これは、老朽化した空き家を解体する場合、その費用の一部が助成されます。

空き家をそのまま管理したい

→空き家管理助成金
これは、空き家の敷地や建物内部の清掃等を委託した場合、その費用の一部が助成されます。
→空き家解体跡地管理助成金
これは、空き家解体した跡地の敷地の管理を委託した場合、その費用の一部が助成されます。

サロンとして活用したい

→地域サロン改修助成金
これは、地域交流の場となるサロンの運営の運営を目的として改修する場合、その費用の一部が助成されます。
→地域サロン家賃助成金
これは、地域交流の場となるサロンの運営の運営を目的としてサロン運営団体が借りる場合、その一部が助成されます。

住居として活用したい

→空き家活用促進改修助成金 
これは、空き家を居住目的で購入して改修する場合、または居住目的で賃貸して改修する場合、その一部が助成されます。

事務所や店舗として活用したい

→空き家事務所・店舗改修助成金
これは、空き家を事務所や店舗として活用する目的で改修する場合、その一部が助成されます。

まとめ

群馬県高崎市の助成制度を一例としてみてきました。
市区町村による空き家対策が本格的に始動となり、申請できる助成制度に広がりがでてきています。
空き家所在地の助成制度がどうなっているのか気になりますね。
空き家を負の資産としないためにも、適正な管理を外部業者に頼むなどして、空き家の現状を見直し、今後の方向性を検討されてはいかがでしょうか